昨日書きましたように,MRIの原理は,Lauterburにより提案され,ErnstやMansfieldらによって,実用的手法へと発展していきました.その総決算という手法が,いわゆる,スピンワープ(spin warp:スピンウォープという発音が正しいかも知れない)法です.
この方法は,Aberdeen大学のEdelsteinらによって開発されたと言われています.この方法は,選択励起法,フーリエイメージング法,勾配エコーという,従来のNMRには無かった手法を組み合わせて作られたものです.
MRIのほとんどすべての撮像法(パルスシーケンス)は,この方法を基礎としており,MRIを理解する場合には,このパルスシーケンスを理解することが,第一歩となっています.
上に示す写真は,英国(スコットランド)のAberdeen大学で,1979年に,スピンワープ法が開発され,初めての鮮明な人体胸部のMR画像が撮像されたMRIです(静磁場強度は400ガウス.現在のMRIの約40分の1).この写真は,2001年に,Nottingham大学で開かれたMRマイクロスコピー国際会議(ICMRM)に出席したときに,ロンドンの科学博物館で写してきたものです.このように,ロンドンの科学博物館には,さまざまな装置が展示されています.