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sumire日記

宝塚歌劇の観劇を中心とした、観劇日記です。

星組「ベルサイユのばら2001」:東京宝塚劇場

2001年04月14日 | 宝塚
 『ベルサイユのばら』という作品は、私が宝塚ファンになったきっかけを作ってくれた、とっても思い出深い作品です。そして一時は離れていたファン時代を取り戻すきっかけとなったのも、また『ベルサイユのばら』の再演でした。そんな思い出深い、そして思い入れのある作品を再び観るということに対して、感慨深くも有り、複雑な気持ちもありました。
 星組と宙組で再演されると決まった時にも、ノルさん(稔幸)ならフェルゼンがお似合いだわ(^^)と思っていたら、オスカルという配役だったり、その相手役アンドレが役替りだったり、おまけに東京初演という変則スタイルの日程となってしまった為、経済的に何度も行けない状況だったり…と、いろんな思いを巡らしながら、公演の幕が開くのを待ち、そして無事観劇することができました(*^^*)。

 作品自体は原作も有り、完成されたものだと思いますが、脚本に関しては、再演を重ねる毎に原作とはつじつまが合わなくなってきたり、言葉の言いまわしが変だったり…と、いろいろ突っ込みたいところは多々有りますが、それを書きかけるとキリが無いので(^^;;、出演者毎の感想を書いてみたいと思います。ストーリー的には、前回平成再演の雪組「アンドレ&オスカル編」と月組「オスカル編」をMIXした感じでしたが、フィナーレはノルさんのサヨナラ用に全部新場面となってました(^^)。

【稔幸:オスカル】
 正直なところ、私はノルさんにはフェルゼンの方がお似合いだと思っていたので、オスカルという配役を聞いた時にはショックでした。だってこれがサヨナラ公演になるのですから…。でも、そんな気持ちも、プロローグで白ばらに囲まれたノルさんのオスカルを観たとたんに吹き飛んでしまいました(^^)。
 オスカルは男装の麗人ということで、いつもの男役のお化粧よりもいくぶん白い地色のお化粧で、声のトーンも上げていて、ふとした仕草や目線に、男役のノルさんでは観たことが無い女性らしいものを感じました。10何年も男役ひとすじで演じてきていると、なかなか男役のクセが抜けないものだと思うのですが、今回はたとえ男装といえども、まるっきり男に見えてはいけないわけだし、その女らしさの醸し具合というのが難しかっただろうと思うのですが、そういう感じがノルさんは非常に上手く表現されていたと思います。
 とくにアンドレとの愛を確認しあってからの、アンドレに向ける表情というのが、すごく女らしいというか可愛いというか、男役のノルさんしか知らない私には、とっても新鮮で、そんな表情でノルさんに見つめられるアンドレがとっても羨ましく感じてしまいました(^^;;。
 もちろん、近衛隊長、衛兵隊隊長としてのオスカルの凛々しさも必見です!足が長くスタイルの良いノルさんなので、軍服もとても良くお似合いです(*^^*)。最初のポスターやTVCMからは、鬘やメイクも少し変わっていて、よりリアルにノルさんらしいオスカルを作りあげていると思いました。ちょっと顔の丸さが気になるけど…、それは仕方ないこと(^^;;。私はノルさんのオスカルにどっぷりとハマリそうです。でも、もう東京には行けないので、8月の大劇場公演まで観られないのがとっても残念でなりません!
 フィナーレでは、本来の男役に戻ってのダンスと歌が有って、本当に嬉しかったです(*^^*)。とくに最後の白ばらの場面は、もうファンには「どうぞ泣いてくださ~い!!」って場面ですね。白い衣裳でセリ上がってくるノルさんを観ただけでも、もうウルウルなのに、歌詞もノルさんの最後を意識した歌詞で泣
けるし、大階段に組子が並んでいるのが見えると、もう涙が滝のように出てきてしまいます(T_T)(T_T)。
 そして、宝塚一デュエットダンスが似合うコンビ、ゆりちゃん(星奈優里)との最後のデュエットダンスを観ることが出来て、本当に幸せでした(*^^*)。

【星奈優里:マリー・アントワネット】
 今回はオスカル&アンドレ編ということで、アントワネット役のゆりちゃんはノルさんの相手役になれなくて、とっても残念なんですが、いつものことながら、ドレスの着こなし、鬘の作り方などはとっても上手く、フランス王妃の風格は充分に表現できていたと思います。新曲のアリアもちゃんと歌いこなしていましたね。ちょっと残念だったのは、相手役とならフェルゼン役の瞳子ちゃん(安蘭けい)との背丈のバランスが悪かったのか?逢引の場面で寄り添う時など、ゆりちゃんが腰をかがめているのが不自然に見えてしまいました。
 フィナーレの紅ばらの場面は、ゆりちゃんらしいショー場面でした。男役を引き連れて踊るのがこんなにも似合う娘役さんはそうはいないでしょう!最後にゆりちゃんと絡むのがヒロコちゃん(久城彬)だったりするのも、ファンには嬉しい限りです(*^^*)。

【湖月わたる:アンドレ】
 役替わりアンドレの二人目がわたる君だったのですが、残念ながら先のタータンさん(香寿たつき)は観られなかったし、後のじゅりちゃん(樹里咲穂)も観る予定が無いので、わたるアンドレのみの感想となります。
 背の高いわたる君なので、ノルさんと並んだ時にもすごくバランスがいいですね(*^^*)。オスカルの方が年上に見えてしまうのでは?と心配していたのですが、背の高さが幸いしてか?包み込むような感じにオスカルを見守るアンドレは、とっても包容力があって、お似合いに見えました(^^)。心配していた歌も、以前に比べると上達したように思います。

【安蘭けい:フェルゼン】
 フェルゼンという役は辛抱役だな~と、宙組公演を観ても思ったのですが、星組公演では出番も少なく、二部ではフィナーレのみの出番となってしまい、本当にもったいないです。貴公子のお衣裳も良く似合い、歌も文句なく上手いのですが、娘役としては大柄なゆりちゃんが相手のコスチュームプレイとなると、身体の小ささが目だってしまいます。それにどうしても、オスカルよりは年下に見えてしまうのがつらいです。今の星組の序列からいけば、瞳子ちゃんはフェルゼンになってしまうのでしょうが、どちらかといえばアランやベルナールといった熱い役柄の方が似合うような気がします。もし、ノルさんがフェルゼンだったなら、オスカルもやれたかもしれないけど…。そう思うとちょっと残念です。

【夢輝のあ:ジェローデル】
 雪組の下級生の頃から観ているねったんですが、いつの間にこんなに二枚目の男役が出来るようになったのかと思うと、なんか嬉しくなってきてしまいました(^^)。いつもは真面目すぎるくらいの役作りが少々堅く思えるのですが、今回はジェローデルという役にも合っていて、誠実さが表に出ていて良かったです。

【久城彬:ベルナール】
 最初に黒い騎士として登場した途端に、「ヒロコさんカッコ良すぎる~!!」と一人で叫びそうになったくらい、カッコ良かったです(*^^*)。オスカルと剣を交えている姿も、本当にカッコ良いし、捕えられてフランスの現実を語る姿は、説得力も有りとても熱いです!
 欲を言えば、黒い騎士の場面には平成雪組のみつよさん(古代みず希)のようにマントを着せてあげて欲しいし(^^;;、妻であるロザリー(秋園美緒)とはバスティーユの場面では一緒には居るけど、夫婦ともなんとも説明がないし、絡みのセリフも全然無いので、もうちょっとわかるようにしてあげて欲しい(^^;;。
 フィナーレでは、黒ばら、紅ばら、白ばらのシーンで、素敵なダンスを惜しみなく披露して下さってます(*^^*)。紅ばらではゆりちゃんと、白ばらではノルさんと少しだけど絡んでいるのが嬉しいです(^^)。

【朝澄けい:小公子、ジェロワール】
 かよこちゃんが小公子っていうのも以外だったのですが、もう新人公演も卒業の学年で小公子っていうのもちょっとツラいかな?歌のソロが有るので、こういう配役になったのでしょうか?とはいえ、小公子はプロローグだけで、あとは衛兵隊士ジェロワール。フィナーレも衛兵隊士姿でした。

【真飛聖:アラン】
 アランというと、荒くれ男というイメージが有るんですが(^^;;、まとぶんのアランは、まだ少し幼さの残るような感じで、衛兵隊のみんなをまとめているっていう感じではなかったのですが、熱い感じはよくでていたと思うので、印象には残りました(^^)。平成月版のアラン(久世星佳)とダブるセリフもあり、懐かしかったです。

【ロザリー:秋園美緒】
 ロザリーといえば、大抵の場合二番手娘役がする役所のはずなのに、今回のロザリーは、全然脚本的に書き込みが無くて、セリフもあまりありません。何故ロザリーがオスカルの家に居るのかといか、バスティーユの場面ではベルナールと一緒にいるのかとか?「ベルばら」を知っている人ならわかるけど、全く意味のない存在になっていて可哀相です。せっかく歌えるそんちゃんなので、もっと歌の有る使い方をして欲しかったです。

 その他、勝手ながら思ったことを書かせていただきますと、ちよさん(朋舞花)のオルタンスは、大人になってからの場面は良くても、少女時代はちょっと無理が有る?オスカル、アンドレが子供時代は別役なので、できたらオルタンスも別役でお願いしたい(^^;;。今回はアンドレの役替わりの新専科の方をはじめ沢山の専科の方が出演されていらっしゃいますが、ジャルジェ将軍の汝鳥伶さん、ジャルジェ夫人の高ひづるさん、モンゼット夫人の邦なつきさんは、役にもよくあっているし、出番もそこそこ有るので良いのですが、ルイ16世の一樹千尋さんは、1場面だけの出演ではもったいない気がします。反対にマロングラッセの一原けいさんは、専科というにはおそまつな演技で、ミスキャストだと思います。
 最後に、オスカルの映美くららさん、子供時代のアンドレの陽月華さん、2人とも可愛くて雰囲気がよく出ててよかったです(*^^*)。