ウエストミンスター寺院ー外からちょっと観光。テムズ川のほとりにあった。
そういう思いがけないことでロンドンに二晩滞在できることになった。マドリードでプラド美術館に行けなくなったかわりに次の日には甥の夫婦と共に大英博物館と英国美術館に行けることになったのである。
ちいさな子供二人は偶然夏休みに子供を見てくれる幼稚園に行く日で、若い夫婦ははじめて夫婦だけでロンドン観光をしたと言っていた。四人で地下鉄に乗ってのロンドンは楽しかった。美味しいイタリアンを食べて、晩ご飯にはお寿司まで食べさせてもらった。
ロンドン空港迷子の一幕だった。
グラナダ行きの便は7時出発でふつうより早く5時前にはつくように出かけようと言うことになり、朝の3時に起きてすぐに出発。何しろヒースローですべての便が止められていたのでこのスタンステッドという郊外の空港も大混雑だ。今回の旅行は世界中が夏休みなのだろう、どこへ行っても並ぶ並ぶ並ぶ。
空港はセキュリティーのレベルが最高の「レッド」と言うことで大変な厳戒態勢だった。チェックインしてから搭乗するまでに靴まで脱いで男女別に並び金属探知器のゲートをくぐってからもボディータッチまでされた。ちゃんと脇の下から、足首まで体中をさわられた。
こんなことは初めて。荷物はビニールの入れ物に、財布とパスポートハンカチのみ。わざわざ甥の奥さんのめぐみさんが作ってくれた、グリンピースの入ったおにぎりは、入り口でこれは何かと言われたのでジャパニーズフードと言ったが、係官にさっと捨てられた。水はもちろん、ボールペンなども捨てられていた。没収である。あのおにぎりは惜しかった。食べたかった。飛行場に着いたら、すぐに食べれば良かったのだ。残念。
こうしてやっと満席のローカル飛行機に乗ってグラナダについた。グラナダは厳戒のロンドンとは全く違って、のんびりとしたものだった。飛行機のタラップからおりたら、真っ青な空でその下を歩いて入国のカウンターまで行く。そこでは一人のにこにこしたおじさんが、子供と、外国人にだけ入国のはんこをぺたりと押してくれて、入国書類も書かず、すいすいと入国。あまりの違いにびっくりであった。しかし、南国のグラナダに来て、いままでの緊張がいちどにゆるんだ。
グラナダの街ー暑い夏でも外で食べていました。
このあとグラナダで4日間、アルハンブラ宮殿を見てスケッチをし、フラメンコのショーを見て、パラドールというお城の中のホテルに泊まり、のんびりとした旅をして、そのあと建築科の学生だった頃からのあこがれのガウディの建築を見にバルセロナに3日間滞在した。
バルセロナでは夫と私ふたりで3回もスリにねらわれたが、幸い被害はなく、最後まで楽しんだ。そして最終日、バルセロナからまたあのロンドンを経由して今度は無事に東京まで帰った。終わってみれば、けがもなく、泥棒にも遭わず、いい経験をした旅だったかな。
今回の旅でわかったことは、現代の旅では携帯電話は必ず持っていった方がいいと言うこと、いまは数千円で空港で貸し出している。そうすればせめて何かがおこったときに誰かに連絡ができる。公衆電話はその国のコインがいるし、かけ方もよくわからない。
それからできれば小さなPCも持って行けたら便利だ。飛行機やホテルの予約などそれがあればせめて英語を読めれば自分でできる。電話をかけて相手の言うことを理解するのは難しい。
もう一つは、世界はテロなどの危険性が昔よりずっと増えているってことがわかった。それでどうするかは、自分で考えることだと思うけど。
それから、親切にしてもらうってことはうれしいってこと。やっぱりこれが一番かな。