九州国立博物館の感想を。(出品目録も、検索先を参照のこと)
外観は博物館・美術館というよりも、東京ビッグサイトのようなイベント会場みたいだ。
だが、入ってみると、1階から4階まで吹き抜けという空間を広く取る設計に、博多祇園山笠の山鉾がどっしりとたたずむ。まず、これに圧巻。ガラス張りの壁は自然光を多く取り入れようとする効果で、新築の公共機関然とした「入らされている感」を感じないナチュラルな雰囲気。
エスカレーターで一気に3階の特別展示室まで上る。ここで『美の国日本』展が開催されている。
オープンして間もない土曜日ということで、展示室内は賑々しいこと……。
東京国立博物館での特別展も、土曜日となればこのような人だかりができるが、今回はじめて気付いた九州国立博物館に来た観客との決定的な違い。
九州の客はうるさすぎる!
基本的には、目新しいものが好きなんだ。福岡の人間も熊本の人間の大概そうらしい。
東京では、会話するにもひそひそ声。会場全体は実に粛々とした品格があります。
福岡は違いました。
「これなんて読むと?!」
「はー、なんだろかねー。いっちょん、わからんな!」
こういう会話がそこここで聞かれました。
それでも、展示品に喰らい付くように見るものだから、人垣に隠れてまったくケースの中が見られない。
「これ、国宝てばい!」
(言われなくても、分かれ!)
「ははー。国宝てなら、スゴかろー!」
(スゲーから、ここにあるんだろうが! 邪魔だ、どけッ!)
「これゃ、本物かね?」
(国立の博物館が贋物なんか陳列するか!)
「さー、わからんば~い!」
わからねーなら、来るな! 一生、来るな!
展示品もすごかったが、観客の奇妙な気炎に押されて、非常に疲れた。
展示品については、また次に書くことにする。