握手集
春の水掬ふ抱き寄するこごと
真菰生ふ一糸纏わぬ光もて
草原は蝶を空へと放ちけり
渋団扇干すや姿勢を整へて
滞り滞りつつ春の雲
獺の二百回目の祭かな
春は逝かずその人の忌の過ぐるとも
円陣集
川風に潮の匂ひや夏に入る
菖蒲葺くまずは上着を脱いでから
黒鉢に「清水」の名ある和菓子かな
新緑に背の全面を預けたり
咲き初めて卯の花はもう雨のなか
筍の組み伏せられて積まれあり
風涼し総身の骨の髄までも
ぼうたんに影といふものなかりけり
雨青し若葉の坂の上はなほ
誰が為のものにもあらぬ清和かな
実もうすぐ角川俳句賞の締め切りだったりしますが、実は何もしてません。
どうしませう……。
春の水掬ふ抱き寄するこごと
真菰生ふ一糸纏わぬ光もて
草原は蝶を空へと放ちけり
渋団扇干すや姿勢を整へて
滞り滞りつつ春の雲
獺の二百回目の祭かな
春は逝かずその人の忌の過ぐるとも
円陣集
川風に潮の匂ひや夏に入る
菖蒲葺くまずは上着を脱いでから
黒鉢に「清水」の名ある和菓子かな
新緑に背の全面を預けたり
咲き初めて卯の花はもう雨のなか
筍の組み伏せられて積まれあり
風涼し総身の骨の髄までも
ぼうたんに影といふものなかりけり
雨青し若葉の坂の上はなほ
誰が為のものにもあらぬ清和かな
実もうすぐ角川俳句賞の締め切りだったりしますが、実は何もしてません。
どうしませう……。