籠  太  鼓 

     ろ  う  だ  い  こ

『握手』投句五月分(掲載・八月号)

2009年05月23日 12時30分55秒 | 俳談
握手集

春の水掬ふ抱き寄するこごと

真菰生ふ一糸纏わぬ光もて

草原は蝶を空へと放ちけり

渋団扇干すや姿勢を整へて

滞り滞りつつ春の雲

獺の二百回目の祭かな

春は逝かずその人の忌の過ぐるとも



円陣集

川風に潮の匂ひや夏に入る

菖蒲葺くまずは上着を脱いでから

黒鉢に「清水」の名ある和菓子かな

新緑に背の全面を預けたり

咲き初めて卯の花はもう雨のなか

筍の組み伏せられて積まれあり

風涼し総身の骨の髄までも

ぼうたんに影といふものなかりけり

雨青し若葉の坂の上はなほ

誰が為のものにもあらぬ清和かな



実もうすぐ角川俳句賞の締め切りだったりしますが、実は何もしてません。

どうしませう……。