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教科書名短篇のシリーズは結構好きである。
子供の頃から国語の教科書や道徳の教科書に掲載されている物語は結構好きであった。
この中公文庫の教科書名短篇のシリーズの新刊「家族の時間」が刊行されたので、早速買ってみた。
三つ目に永井龍男の「黒い御飯」が掲載されている。
学生時代には読んだことのない作品である。
初出は『文藝春秋』1923年7月号(未見)である。
作者の私小説的な設定で、子供の頃、吝嗇だと思っていた父親とのエピソードである。
何のこともない話ではあるのだが、読み終えて時間が経てば経つほど心に響いてくる作品である。
貧しくても温かい思いに包まれた主人公の家族への微笑ましい気持ちが胸の中に広がる。
語り手自身の自省的な語りにも好感が持たれる。
衛生的にはどうなんだろう?と思ったりもするものの、そんなことどうでもいいと思わされる家族の温かさが胸を打つ。
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