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インプレ | Impression Bridge (記憶を跨ぐ)

角川「新字源 特装版」とASIAN KUNG-FU GENERATION

夢のコラボでお堅いイメージの漢和辞典に新風を吹き込んでいます。

ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジカン)は、auのCMに使われていた「ブラックアウト」という楽曲で知ることになるのですが、それ以上にアルバムに使われていた「イラストレーション」が印象的でした。

人気イラストレーターの中村佑介さんが時を超えて「新字源」に使われるとは粋な計らいが、次世代の「漢字」文化の象徴のような気がします。

現在東京ドームシティ Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)にて「 中村佑介展 BEST of YUSUKE NAKAMURA(2020年10月31日(土)~12月13日(日))」を開催しています。

 

新字源の初版は昭和43年ですので、それから版を重ねて平成6年(1994年)に改訂版が出て以来の「改訂新版」という位置づけです。

漢和辞典は、漢字の読み方がわからなくても辞書が引けるのが特徴です。

「最近作られた?言葉」に「帰歳暮(きせいぼ)」という言葉がありました。新型コロナによって、人の行き来が抑制されるこの頃、帰省をともなう親への贈り物を通販などで送る苦肉の策のようです。

この「帰歳暮」を、PCやスマホなどで変換をして出そうとすると、意外に苦労します。

きせいぼ」を変換すると「きせい」という同音異義語がでて「ぼ」は果てしなく同音が出てきます。


漢字がわかれば訓読みで「かえる・とし・くらす」で確定して送り仮名を削除というのも入力としては早いようにも思いますが・・・。

 

この新字源は、PCの横に置いておいて圧倒的に有利な部分があります。


一つは、辞書として見開きになりやすいので、ページが自然にめくり上がらないように手で押さえる必要がないので、片手で扱えます。

二つ目は、漢字それぞれにつけられている「文字コード」の存在です。

 

それがあるおかげで、Unicode(ユニコード)に割り当てられている番号を使い文字パレットで簡単に検索できます。

日本語の「IME(インプット メソッド エディタ)」では定評のあるATOKを例にしていますが、文字パレットを表示して、「Unicode」タブを選択します。

 

次ぎに「見出し」から「CJK統合漢字」を選び「右下」にある「コード」に新字源に記載されているUnicode(ユニコード)「5E30」を入力すると「帰」が出てきます。また「文字情報」をクリックすると 旧字と俗字が表示されます。

これまでは、はじめて「帰」を出すために同音異義語「き」の変換で「スペースキー」を何度も使い、果てしなく一つの文字を探し続けた経験を持っている人も多いと思います。(※一度学習してしまうとPCは上位に表示されるところがすごいところですが・・・)

もう一つ工夫が見られます。

今回題材にした「帰」は、昔の新字源の発刊当時は「教育漢字は省略形による」となっています。そのため「止:トメヘン」であることがなかなか出てきませんでした。それが、今回の新字源では「総画索引」の10画の一番最初に出てきます。これも言葉・漢字が時代と供に生きている証拠なのだと思います。

特に、普段使わない漢字なら特に出てこない・・・他の読み方もわからない時など、変換の欠点を補うスピード確定ができることがPC時代に存在感を増す辞書に仕上がっています。

最後に、キーボードで変換することが多くなり、漢字を書くことはめったにない時代です。そんななかで新字源の付録ページに常用漢字の筆順があります。

さて、ここで簡単な漢字の筆順です。

ペン字とか習字の経験者は、知っている人も多いとおもいますが、「右」は「ノ」からはじまり「左」は「一」から筆をいれます。

正しい書き順に目を通すのも、今回の新字源の楽しさでもあります。

PCやスマホで、IMEの変換が進み「ひらがな」さえ入力できれば勝手に漢字が出てきます。そんな時代に合わせた漢和辞典なのだと思います。スマホの世代になり、最近は国語辞典も使わない時代になっています。

新字源には、この特装版以外の通常版もありますがPCを使いスマホを使うなら特装版の意気込みが今回紹介した使い勝手から伝わってきます。

漢和辞典にイラストというのも、本来漢字の成り立ちが象形文字だとするとあながち違和感がないのも納得です。


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コメント一覧

farm_nodoka
はじめまして!
フォロワー登録ありがとうございます。
失敗ばかりの新米農家ですが、
よろしくお願いします。
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