ボランティアグループきずな活動BLOG

東日本太平洋沖大震災復旧・復興ボランティアグループ「きずな」の活動ブログです。

大槌町・健康サポートセンター

2012-02-16 09:19:15 | 現地滞在

こんにちはー。
大阪に帰ってきました、ミホです。
行っている間には結局このブログも一度しか更新できず・・。
なので向こうで見聞きしてきた内容を少しずつUPしていきたいと思います。

帰阪3日ほど前に石巻から北上し、岩手県の大槌町まで行ってきました。
石巻から南三陸町を経て、気仙沼、釜石、大槌と上がったわけですが
石巻市街地周辺とはまた違う被害状況が眼前に広がっていました。



ほとんどが流されてしまい、がれきの山、かろうじて残された骨組みだけの建物、家々…があたり一面に広がっていました。
そこに確かにあったであろう生活の息吹は、今はたくさんの重機たちが忙しそうに動いている風景に変わっていました。
それまでの日程でお話を聞かせて頂いた、家を流された方、仕事道具一式を 失った方、
流された大漁旗の話を聞かせてくれた方、モノだけではなく大切な何かを失ってしまった方たち…。
たくさんの方の顔が何度も脳裏に浮かびました。
言葉ではうまく言えませんが、なんとも言えない、 だけど「こういうことやんな」と
自分の中の深いところに入っていくような気もしました。すみません、よくわからないですね。

そうやっていろんなことへ気持ちがぐるぐるしながらも、車を走らせて大槌町まで
やってきました。 今回の震災で大槌町も壊滅的な被害を受け、町長が亡くなられたこともあり
メディアでも大きく取り上げられた町です。

この町には、昨年6月に北芝からもメンバーが訪れており(その時の記事→http://blog.goo.ne.jp/kizuna2011/e/9291702ab9a3d0b6e5f9e3ff8c3ef4e1
この記事にも書いてあった、地元の鍼灸師さんと大槌町が地元であるAMDAのメンバー
などが中心となってできた「健康サポートセンター」に行ってきました。



6月の時点で、落ち着いて鍼灸を施せる拠点、また地域の住民さんが気軽に集まれる
拠点も兼ねた場所が欲しい、といった段階だったのですが、そこから住民の方やこの鍼灸師さん、
AMDAのメンバーなどがたくさんの議論の場を重ね、昨年12月に誕生した場所です。


鍼灸室。

建設は地元の大工さんや職人さんが担い、また 節々で地元住民の方が手伝ったり、
ごはんの振る舞いや開所式ではたくさんの方が足を運んだりして、 この場所が作られていく過程の中で、
ほんとにたくさんの方の想いや行動が重ねられていることが伺えました。





この日も、ここを活動の拠点としている地元の高校生たちが周辺にある仮設住宅をまわり、
バレンタインのチョコレートを配っていたり、午後もひっきりなしに地元の方が顔をのぞかせていました。
(お話しに来たり、薪ストーブの薪を持ってきてくれたり、犬の散歩の途中の方がふらっと寄ったり。)

仮設住宅の中にある集会所や談話室は、やっぱりそこの仮設に住む方々が 
中心となって利用されるので、こういったどこにも属さない、地域に根ざした場
があるということは、仮設の方も、自宅に住んでいる方も、様々な方が気軽に
足を運ぶことができるそうです。

この仮設建物は、将来的に利用目的が変わったり、利用する場所が変わっても、
多用途に活用できるように作られた「恒久型仮設」で、移動、増殖していくことも
可能なんですって。すごい!
ちなみに暖は薪ストーブで、トイレはバイオトイレ!(まったくの無臭でした)素敵です。

鍼灸室の横には団らんできるコミュニティスペースがあるのですが、
このコミュニティスペースでは、ボックス型のチャレンジショップがあったり、
住民さんの得意分野を活かしたさまざまな教室や会が生まれているそうです。








それぞれがやりたいこと、できること、持っているすばらしいこと、が集まるような場所にしたい、
とおっしゃっていたのが印象に残っています。

サポートしているグループが民間ということもあり、こういった柔軟な動きがつくりやすいのは
確かですが、こうやって住民の方が参加型で関わり、自分たちの「場」を作り上げていくような
プロセスや、こういった取り組みが少しずつ広がっていくといいなぁ、と思いました。


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