大宮の鉄道博物館は神田にあった交通博物館に替わる形で2007年にオープン。色々と話題でしたが、私は「大宮まで行くのが遠い」「行っても混んでそうだし・・」と今まで行ったことが一度も無かったのです。
がしか~し、うちのパパが4月19日土曜日に招待者限定で特別開催される「ナイトミュージアム」(夜間特別公開)の招待券を手に入れたので、大宮駅で待ち合わせしてこの機会に一緒に行ってみることに・・。
ということで大宮駅に。ニューシャトル(埼玉新交通)の乗場の方に向かいますが・・・

時間があるので鉄道博物館まで歩いていくことに。
大宮駅から鉄道博物館まではニューシャトルで1駅ですが徒歩20分ほど。徒歩でのアクセスルート上も色々楽しめるので歩いていくのもお勧めかも

アクセスルート上の電気機関車(EF58とEF15)の運転台のカットモデル展示
既に18時近くなので柵が閉まっていますが、早い時間だと中に入って見学できるよう。
他にもSL(D51)が展示してあったり、塀にJR東日本の近年の各種車両を紹介したパネルが展示してあったりと、ちょっとした展示コーナーのようになっているので20分ほど歩くのが苦でないなら、博物館まで歩くのも面白いですね。
ただこの通りは歩道上の自転車通行が認められているようで、自転車の歩道走行が多かったのは注意かも。
20分ほど歩いて、ニューシャトルの鉄道博物館駅のところが鉄道博物館の入口です。

いよいよ入場です。
改札機のようなものもありますが、今回は特別なイベントなので受付で招待券を確認しただけで改札なしで・・。今回は1000組3000~3500人ぐらいの招待のようで。
館内にはレストランやカフェなどもあるようですが営業はなし。食事としては入口付近で駅弁の販売が行われていました。
まずはSL(蒸気機関車)運転シュミレーターに行ってみることに。

非常に珍しいSLの運転シミュレーターですが、今回は係員が説明しながら実演操作するのを見ているだけな形。ただ運転操作の動きに応じて画面だけでなく運転台全体が揺れたりなかなか本格的なようで。
電気やディーゼルの車両や機関車の運転方法はゲームなどでもおなじみで、見ればなんとなく分かりますが、SLの場合は蒸気の量を調整する加減弁の他に逆転機や蒸気の排出をしたりと色々と複雑そうですね。
ちなみに館内の照明は薄暗いので特にフラッシュを使わないで撮影する場合は手ぶれに注意です。1つにつき何枚か撮っておいた方がいいかも。

次に1階のメインの車両展示コーナーを見学することに。
見学したもの全ては書ききれないので特に印象的だったものを紹介します。
まず写真の上側から2台目、ボンネットタイプの481・485系。なかなか味がある外観です

車内はリクライニングしないタイプの固定の回転クロスシート
私が子供の頃は常磐線特急とかでまだこのタイプが残っていて乗った覚えが・・・当時はハズレだと思ったものですが、今思えば結構貴重な体験だったのかも??
ハズレといっても背もたれには適度な傾斜が付いているし、183系原型車みたいな簡易リクライニングシートよりも座りごこちはいいのかも??

中間車(モハ484)の屋根の上も見ることが出来ます。
481・485系の交流・直流の車上切替は当時として画期的なものだったそうですが、この交直切替機の実物を見るのは初めて。こういうむき出しな構造になっているとは思わなかった・・。
交流車のパンタグラフ周りの碍子が大きいのは知っていたとはいえ、こうやって間近でみるとやっぱり大きさが際立ちますね。

国産初の電気機関車、ED40。横川~軽井沢の碓氷峠越えの専用機関車ですね
この記事を書くのに調べたら、横川の鉄道文化村にいるのとは違うタイプみたいで。

なんと片運転台。ED40が片運転台なのは知らなかったです
後ろ側は窓が全くなくのっぺりな・・・貨車みたいですね

この機関車の特徴が2本のレール間の中央に設置されたアプト式のラックレール
3枚のギザギザの板を微妙にずらして設置していて、ここに機関車の歯車を噛まして急勾配を登る補助にしようシステムなんですが・・・、
この微妙にずらして設置したり結構精密な工事や保守が要求されそう・・・よく考えるとカーブにはかなり弱そうなシステムですね。
ヨーロッパアルプスの登山鉄道などでは3枚設置するアプト式以外にも他の種類もあったり、割と使われているシステムのようですが、日本では珍しく現在使っているのは静岡県内の大井川鉄道井川線の一部だけ。
横川~軽井沢間の碓氷峠でもアプト式での運転は1963年に終了したそう。

特徴的なのは機関車の下に降りれるようになっていて、下から台車などを見ることが出来ます。
2本のレールの中央にあるアプト式ラックレールが透明なアクリル板のようなもので表現されていて歯車の噛み合わせが見れます。
先ほどの485系の屋根が見れたり、この機関車は下から見れたり特徴的な構造が見やすくなっている工夫は分かりやすくていいですね。
ちなみに交通博物館からきたマレー形の蒸気機関車も下から見れるようになっていました。

2階の壁面の歴史展示コーナー
上の年表にはかなり細かくその年代ごとの事象が紹介されています。
ショーケースの中にはその時代の出来事にあった模型が展示されていて、短時間でさらっと眺めるだけで鉄道の歴史を知る事が出来て、じっくり見ればより深く知る事が出来ます。
特別展示室では期間限定で鉄道絵画の展示も・・・。
こちらは撮影禁止でしたが、美術館のように色々な絵が並んでいて、全部鉄道がらみの絵という凄いような。
今となっては貴重な戦前の時代の鉄道の光景を描いた絵もあったりで、写真とはまた違って味があるというか、絵画でみるのもいいものですね。

終了時間近く、20時30分頃から1階中央の転車台回転の実演がスタート
C57機関車が汽笛を鳴らしてくるりと・・・。

転車台の上には、さいたまと川越のゆるキャラも乗っていて機関車と一緒にくるりと・・・。
もうゆるキャラ全盛時代ですね。
今回のナイトミュージアムはさいたまや川越の観光キャンペーンに関連しての開催で、観光パンフレットやちょっとした粗品ももらえました

終了時間の21時になったので帰路に着くことに。あまりのんびりしていると帰れなくなるので


帰りは大宮駅まで1駅ニューシャトルに乗ることに。
この箱ぽい車体がなんとも現代の軽便鉄道のような雰囲気ですが、走り出すと意外に加速が良さそうな感が・・・ゆりかもめなど国交省型新交通システムよりも速そうだけど、単に揺れるから速そうに感じるだけという噂も?
帰りは大宮から湘南新宿ラインで。混んでたら嫌だな~と思っていたらほぼガラガラできました

ということで、鉄道博物館に行ってきたわけですが・・・、今まで気にはなっていたけど「大宮に行くのは遠いし」「平日に行っても混んでそうだし」と行かなかったのですが、この機会に行けてよかったです。
感想としては、新しい博物館だけあって展示が色々と工夫されていて、全体的に分かりやすくなっていますね。特に屋根から見れたり、床下からみれるようになっているのも分かりやすいです。展示場所の制約もあったとはいえ、昔の神田にあった交通博物館に較べると見やすく分かりやすくなっていますね。
ただ、展示の鉄道車両等への予備知識なしだと単に「古い昔のタイプの車両がたくさん」ぐらいしか分からないで終わってしまうかもな感も・・。
今回は18時30分の開場から21時までの2時間半弱の見学時間もあっという間でした。場内は思っていたよりも広くて回れなかった部分もあるので、今度また空いてそうな時にでも行って今回よく見れなかった部分も含めてじっくりみたいカナと思います。
【PR】amazon.co.jpで「鉄道博物館」を検索
2014/4/30 21:39(JST)