はいらーある氏はそんなターミナル駅の隣の小駅を「飲み込まれ駅」と名づけてランキングして紹介しています。

http://www.geocities.jp/hokuman_hailaer/tentetsuki/neta/lank15.html
このページでは小駅の乗降客数を隣接するターミナル駅の乗降客数で割って比率が低いほど飲み込まれ度合いが大きい。という指標でランキングしています。
「巨大ターミナル駅」という鮫や鯨のような大型動物と、それに喰われてしまった小さな小魚のような存在の「飲み込まれ駅」。「飲み込まれ駅」というネーミングの面白さもさることながら・・・
このランキング表によれば、なぜか飲み込まれ駅が横浜周辺には多いとあります。
なぜ横浜に飲み込まれ駅が多いのか??
飲み込まれ駅を紹介するならば折角なので「まずは地元から」ということで、横浜周辺の飲み込まれ駅を少しずつ紹介していきたいと思います。
飲み込まれ駅といえば、私は京成のかっての博物館動物園駅や名鉄瀬戸線の東大手駅のような裏びれた雰囲気のある地下駅なイメージを感じます。ということで、「横浜周辺の飲み込まれ駅」の第1回は地下駅で行きます。

今回紹介するのは、みなとみらい線の新高島駅

横浜~桜木町間の東横線の廃止と引換えに2004年2月に開業したみなとみらい線。
横浜を出て次の駅。みなとみらい線6駅の中で唯一各駅停車のみしか停車しない駅です。
横浜~桜木町駅の中間の高島町駅も結構な飲み込まれ雰囲気のある小駅でしたが、こちらの新高島駅も負けず劣らず

前出のはいらーある氏のページでは隣接する東横・みなとみらい線横浜駅の正確な乗降人数(改札通過人数)が算出できない為に番外扱いとなっていますが、統計では新高島駅の1日の乗降人数は3888人。御殿場線で較べれば松田駅のおよそ半分、東山北駅の2倍程度。といえば飲み込まれぶりも想像がつく。といったところ

デザイン的なものか、他のみなとみらい線の駅と較べると照明も暗め(この写真では実際よりも明るく写ってます)で、上下線のトンネルを一体化した相対式ホームの構造(他の駅は島式)なのも裏びれ感を出すのに後押ししている感がありますね。
新高島駅はみなとみらい線の駅の中では唯一各駅停車のみが停車する駅。
以前は花火大会の臨時ダイヤなどでみなとみらい線内全列車各停運転。という新高島駅にとっての華もあったのですが、東横線の特急・急行が10両化された今、10両編成が停車できない新高島駅には無理。

みなとみらい線開業当初から将来の10両化は視野に入れていたので、他の駅は開業当初から10両編成対応を見越した構造になっていたのですが、新高島駅だけはそれもなく辛うじて緊急用ホームが設置されています。
新高島駅は当初計画では設置予定がなく後から計画に追加されたなこともあって、構造的にホーム延長に結構な金がかかる。という話を聞いたこともありますが・・・ハテハテ
さて地下5階相当(結構深い)のホームから地上に上がってみるとします。

飲み込まれな裏ぶれ駅とはいえ現代の新駅。改札階(地下2階)を結ぶエスカレータが上下共に整備されています。(もう1ルートは地下4階まで階段+エスカレータ)
このレベルのエスカレータになると私には怖い


改札階の様子。改札は自動改札が4通路。
増設可能なスペースが確保されていますが使われる日は来るのか?
みなとみらい線の一部の企画券(磁気カードタイプの1日乗車券)などは横浜駅で発売していないので、その手のきっぷを買ってみなとみらい線乗り歩きをスタートしたいなら横浜駅からここまで歩くのも手かも??

改札外コンコースの様子。
このデザイン性が高くて綺麗だけど人影がない地下通路。これが21世紀の裏びれ駅の姿なのかも??

後ろ右側のビルが日産本社ビル

出口を出れば、みなとみらいのビル群を背景に広大な空地が広がっています。
今は更地の新高島駅前。
2年前までは2004年11月にオープンした「GENTO YOKOHAMA」という商業施設があって、シネコン(109シネマズ)・ライブハウス・ゲームセンター(横浜はじめて物語)・コンビニ・飲食店。更に隣接して欧州の教会風建物の結婚式場もあって都市の駅前としての体裁が一応あったのですが、開発計画の進展に伴い2015年1月25日に閉館して撤去されて空地に。
更に少し離れた場所(みなとみらい駅方向)には、ジャックモールというショッピングモールもあったものの、こちらも1999年10月開業で2012年9月に閉鎖して撤去。現在はオフィスビルが建設中。
新たに生み出された土地で開発計画が定まるまで、10年など期間限定で仮設のショッピングモールを作って・・。というのは聞く話ですが、まさに新高島駅はそんな過渡期のモールの最寄駅でもありました。

1番出口(閉鎖中)の横の空地は2019年竣工予定の京急の新本社ビルの予定地。リリースなどによれば本社機能のほかに展示施設(京急博物館??)も出来て実車両の展示も行なわれるという話です。完成すれば新高島駅が最寄駅ですね

ちなみに看板の後ろのビルが原鉄道模型博物館が入っている三井ビル。

新高島駅の立地としては「横浜駅東口」と呼べるようないい場所。更には今後こういった空地にも続々オフィスビルが立ち並ぶことを考えれば、将来性も抜群そうなのですが、ネックなのは東横線からの直通であっても横浜~新高島の一駅分だけで+180円かかってしまうこと。
現在でもみなとみらい駅や日本大通り駅方面のみなとみらい線沿線の企業でも「交通費は根岸線関内や桜木町駅基準で支給。東横線沿線に限りみなとみらい線基準での支給」というところが結構あることを思うと果たして・・・。
この新高島駅。現状では利用することがあるとしたら一日乗車券を持ってるときに「ちょっと降りてみた」とか「歩くよりは楽だから」的な時が一番多いのかな?という駅ですが、実は私はみなとみらいから新高島まで一駅0.9kmを回数券で180円(163円)払って「利用価値のある移動手段」として利用していた時期があります。
クィーンズスクエア(みなとみらい駅の上のビル)で仕事をしていた時。帰りは横浜駅東口バスターミナル(そごうの1階)から21時10分発の高速バスに乗れるかどうかで、家に着く時間が30~40分以上違うので是非乗りたい

みなとみらい駅20時51分発だったかな?の電車に乗って新高島駅52分着。そこから日産本社経由で東口ターミナルに急げばセーフ

みなとみらい線の横浜駅は前出の図の通り西口側なので、そこから東口ターミナルだと結構歩きます。なので横浜駅よりも新高島駅の方が早くて便利。という言わば「急いでるからタクシーに乗る」みたいな使い方でした。
ただ20時40分頃までにクィーンズスクエアを出れれば早足で歩いてバスターミナルまで徒歩20分弱で行けるので、みなとみらい駅も地下深くてホームまで時間がかかることも含めて、微妙な時間差の時だけ電車に乗った方が便利。という状態でしたが・・・。

新高島駅コンコースの原鉄道模型博物館の巨大広告。
「ここには理想郷がある」
みなとみらい21地区では最後発の開発エリアである新高島駅周辺。理想郷な街が出来るのでしょうか?

http://www.geocities.jp/l00az/index.html
取材日:2017年1月18日水曜日16時頃
<次回・高島町駅に続く>
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2017/2/1 1:59(JST)