<前回から続く>
さて越前武生駅から福井鉄道に乗って隣の北府駅で降りるとします。
武府駅前の観光案内所でもらったパンフレットによると、ここ北府駅には福井鉄道のミニ資料展示室があるそうなので寄ってみるとします。北府駅は急行・普通ともに停車するよう
越前武生駅から一駅乗った780形を見送ります。
780形は特に車体幅が狭く細身なので、ホームとの間の隙間が広いですね。ドアが開いている時はステップと呼ばれる橋渡し用の板が出て来る仕組みです(前回の武生駅の写真を参照)
北府と書いて「きたふ」と読みたくなりますが、「きたご」と読むようですね。
「府」を「ご」と読むとはなかなか奥が深いですね。最近はキラキラネームブームとかで外来語に漢字を当てはめたような読みの是非などが色々言われますが、そもそも地名や駅名などの固有名詞では「難読駅名」や「難読地名」など知らないと読めないような読みが多いですよね。
さてここ北府駅は福井鉄道の車庫が併設されているよう
ホームの先にの留置線にはこの200形が留置されていました。この車両も見た感じ車体があまり綺麗ではなく、廃車を留置しているのか?と思いきやの車番(203)を見るに、200形の最後の生き残りの1編成のよう。最近に動いているのかどうか??
よく見ると2両連接車(1両目と2両目の連結部分の下に台車がある)になっていますね。ネット検索で調べると1両の長さは15m程度。同じ連接車の江ノ電が1両12m程度、小田急VSEの中間車が14mなことを考えると、この長さで連接車なのは凄いかも??
福井鉄道200形は1960~1962年にかけて3編成製造されて、他社からの中古車ではなく福井鉄道オリジナルな新型車。当時としては意欲的な車両ですね。
よく地方は保守的だといいますが、この時代隣の石川県の北陸鉄道でも意欲的な新型車を導入したり、メーカーが新技術採用の実績を作るためになどの事情もあるのでしょうが、革新的な車両がちょいちょいデビューしているのは特徴的かもですね。
福井鉄道は元々、先ほどの元名古屋地下鉄やこの200形、既に廃車になった元静岡鉄道車両など高床の鉄道線用車両で運用されていたそうです。2006年に元名鉄岐阜600V線区用の車両を大量導入して低床の路面電車(LRT)タイプの車両中心の運用に変更し、高床車はラッシュ時などピンチヒッター的な運用に付いている。という話です。
200形の奥を見ると元名鉄の880型が2編成留置されています。
事前に聞いていた話だと、元名鉄車のうち3編成が部品取りなどで運用離脱。車両不足気味になっていてレアな車両も結構運用に出ている。という話。この880型は2編成両方ともに「休止中」の札が掲げられています。
事前に聞いた話どおりだと、検査周期稼ぎなどではない廃車前提の休止となりますが・・・。
結論からいうと残念ながら、今日・明日の2日間ともにレア車の走行に遭遇することはなかったのです。私は元名鉄岐阜600V線用車両が好きなので、その分元岐阜車に乗れたと思えばまぁいいかなと。近年デビューしたF1000形という超低床車の運用が安定してきて、車両不足は脱したのかもですね。
さてこちらは北府駅の駅舎。昔ながらの木造駅舎を改修したものだそう。
なんでもソフトバンクモバイルの犬のお父さんが出て来るCM撮影で使われて一躍有名になったようで・・。
こういった地方の小駅、トイレが水洗でなかったり嫌なイメージがありますが、なんと多目的トイレ併設で現代的に改修されていました。
こちらが駅舎内の資料展示室。入場無料です
部品や機器展示の他に、パネルで過去の車両の紹介、年表形式で歴史紹介など、福井鉄道の生い立ちや過去の車両など「福井鉄道のあゆみ」を簡単に知ることが出来て、小規模ながら充実した展示になっています。福井鉄道訪問の際は是非この資料展示室の見学をお勧めです。
留置線の説明看板というのもなかなか・・・。
折角北府駅で降りたので、観光案内パンフレットに載っていた夕方限定で「ハート型のメンチカツ」を売るという野村精肉店なる肉屋に行ってみることに。
しか~し、駅を降りて歩く方向を間違えてしまったようで無駄に往復15分弱歩いてしまいタイヘン荷物が多いとスマホの地図で検索して。とかも億劫なもので。方角としては線路沿いに越前武生駅に戻るような方角の道ですね。
こちらが野村精肉店のハート型のメンチカツ。日曜休みで揚がった状態で買えるのは16~18時限定だそう。
注文してから揚げてくれて1個160円。
メンチカツやコロッケなどお店で揚げてくれる肉屋さんは数あれど、ハート型ということで観光案内パンフレットに載って名所?のようになるのは、お店の工夫力ですね。パンフレットには「地元の学生の間で人気のラブメンチ」と書いてありました。
さて駅に戻って再び先に進むことに。
反対側の越前武生行でやってきた超低床車。
3月からスタートしたえちぜん鉄道との直通運転用にえちぜん鉄道が導入した「ki-bo」という超低床の2車体連接車。「きーぼ」ってキャラ、ドラエモンの映画で出てきたような??
福井鉄道が用意した直通対応超低床車は3車体連接車。なんでこっちは2車体なのかな?安く済ませたとか?
私が乗る福井方面の急行田原町行は、名鉄の美濃町線用の800形
800形は車体中央部ドア付近が低くなっている部分低床車。中央に向かって座席が配置されているシアター形の座席配置が特徴的です。
部分低床車に対して賛否あるようですが、超低床車の技術が完全に確立せず導入費用も割高な中、名鉄時代の2000年という早い時期に過度的とはいえ、このタイプの車両を導入したのは特筆すべき点だと思います
私が乗った列車は急行なので、福井市中心部までの間、主要駅のみの停車。
駅間ではそれなりに速度を出して走っているようですが結構揺れる。揺れるから速度を出しているように感じるものの、実際の最高速度は65km程度のようで。揖斐線の70km走行はここまで揺れなかったことを思うと、天下の名鉄と福井鉄道で線路の整備状況の差が出るのか・・・。
サンドーム西駅とかハーモニーホール駅とか、ホール的なものが沿線に点在しているようで・・。この写真はハーモニーホールというものみたいですね
福井鉄道(福武線)はJRの線路にいくらか距離をおきつつ、並行しながら武生から福井に向かうという形態。この手のJR幹線に並行する地方私鉄は国鉄末期頃からのJR線の近郊路線化で厳しい競争に・・とよくある話ですが、この武生から福井間はJRは日中は毎時1本、朝夕は毎時1.5本程度と少なめで、毎時4本の福井鉄道は本数と途中駅の多さで勝負みたいな状況のよう。
北府駅から乗った際は帰宅風の高校生でかなり席が埋まっていましたが、途中駅で徐々に降りてだんだん空席に余裕が・・といった様子。
鉄道線区間の駅のホームは元々は高いホームだったのが、2006年の路面電車タイプの車両の導入でホームの高さを下げた。という話ですが、事前知識がある前提で見てると、なんとなくそんな雰囲気を感じますね
高床車はドア下に付いている階段状のステップが広がり、階段で乗降する形になるんだとか
通過駅の花堂駅から複線区間になり、赤十字前という駅に停車。急行電車もここから先は各駅停車のよう
赤十字前駅を出て少し走ると、信号待ちで一旦停車して路面区間に入ります
この路面区間と専用軌道区間の境目、駅としていえば赤十字前駅と商工会議所前駅の間ですが、赤十字前駅からおよそ500m、商工会議所前駅からおよそ150mという駅と駅の間のなんとも掴みどころがない場所(地図上で測定)にあります。
路面区間に入って商工会議所前と足羽山公園前の2駅に停車
近年に改修されたのか綺麗な雰囲気のホームですね。ホームの長さも長めで路面電車の駅(電停)というよりも、ホームが低いだけで静岡鉄道の駅みたいな??
足羽山公園駅を発車して足羽川なる川を渡ります。
西武の看板や高いビルも見えて市街地に入るような雰囲気ですね。
太陽の高さを見て、まだまだ陽が高いのでホテルに荷物を置いてすぐ出れば、走行風景でも撮影できるかな?とか思うのですが・・・
次が下車駅の市役所前駅。運転士の放送で「本日は駅係員がおりませんので、お降りの方は一番前の扉から・・」というような放送が入ります。
福井鉄道はワンマン運転で有人駅は駅で改札、無人駅では運転士が運賃を確認。というスタイルのようですが、途中駅で急行から普通への乗換や市役所前で福井駅方面への乗換えなどで下車する場合の運賃徴収はどうなるのかな?と思います
最終下車駅までの運賃を徴収して乗車券を発行。みたいな扱いなのかな?
北府駅から35分ほどで市役所前駅に到着。今夜予約しているホテルは市役所前駅最寄なのでここで一度下車するとします。先ほどの2駅に較べて、ここは屋根が付いたのが古かったのかちょっとボロい感じが・・。
<次回に続く>
2016/9/22 00:10(JST)