風合瀬

自分の専門である、土木や衛生工学のことについて語り、聞いていくページです。その他もろもろよしなしごとも。

JABEEの考え方や運用の問題点

2012年01月18日 | 土木一般

メモ代わりに;3点あります:

1.内田樹流にいうところの「投企」が考慮されていないこと

学習における「投企」とは学ぶことによって自分が別の自分になっていこうとすること、だと思いますが、そのような学習モデルにまったくなっていない。おそらくは資格教育モデルをベースにしているためです。

2.JABEEに対してプログラムが過剰適応することに対するブレーキがない(弱い)こと

 

3.JABEEは教育プログラムの自主性を尊重しそれを評価する、とあるが、それが却ってプログラムに対して手枷足枷となっていること

 

ところで以下のような問題点を考えました。

JABEEは何年かに一度かなり大きな改訂を行います。しかしそのうちのいくつかはプログラム自身に対して教育目標の変更など大きな変更を強いるものとなっています。しかしそのときにJABEEに文句を言ってもJABEEの偉い人は「あなた方がJABEEの審査を受け入れたのはあなた方自身の選択であり、それを強いたのは我々ではありません」といいます。

しかしこれは非常に欺瞞的な言い逃れだと思います。各教育プログラムは「バスに乗り遅れるな」というかけ声と共にJABEEに算入していきました。それは教育プログラム自身の見識の低さであることは確かですが、JABEE側が真に誠実であるのならばそのことを政治的に利用するのではなく、むしろ掣肘を加えるべきでした。そういった心情をJABEEは利用しつつ、運営に不満を述べたら、それはあなた方自身の選択の問題です、とそれ自体は正論であるような答え方しかしない。しかしこの答え方はずるいし、JABEEという制度の公共性を自ら放擲するものに他なりません。

(ちなみに大幅な改訂自体はいずれも適切な改訂であると思います。)