季節の野原で葉っぱの音を・・・。

心の畑も耕せる農家でありたい。

場数を踏んで

2007年03月03日 | 生き物のこと

ヤギの出産を3度経験しました。

1度目は、ただただ嬉しくて、その分なんにもわからなくて

予想もしていなかったことなので覚悟もあんまりなくて

喜びの絶頂から突き落とされるように

3日目に死なせてしまいまいした。

2度目は、明日は大晦日という寒い季節だったし

今度は必ず生かさないと・・・という気負いもあり

慎重に慎重を重ねて、娘にも黙って隠れて様子を見ること1週間。

母子を網で囲って、他のヤギとの接触も避け

人間の触ることの制限もつけて

ようやく、2ヶ月を過ぎ一安心の心境。

3度目の仔を、出産直後から撫でまくり

みんなにも見てもらって、生後4日目の今日。

お母さんだけを綱つけて、仔ヤギを外に出しました。

もう、ヨモギなどの春草が生えてきています。

先日の人間のお母さんと何にも変わることなく

外の春風に吹かれながらおっぱいをあげる姿がなんとも自然。

先に産んだお母さんヤギも、近くに来て一緒に草を食べています。

仔ヤギも独特の横っ飛びをしながら元気いっぱいの様子。

人を見ると、近寄ってきます。

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あるご神輸(しんゆ)に

「どんな嬉しき事でも左程に喜ばず、つまらないでも左程に心配をいたさずに

昔からチットも変わらぬ色の松心でおらねば・・・(中略)

心々にとれるから、トコトンまで改心いたして、魂を研いておらんと・・・。」

という教えがあります。

何度も何度も、命の生まれる瞬間となくなる時。

育つ過程の大切さと観察するための目の有りよう。

日々の暮らしの中で、こんなにもたくさんのことを経験させていただいているからには

きっと、私にも、小さくても、ほんの少しでも、何かご用をさせてもらえることが

あるのでしょうか。

そのための練習がきっと、私には必要で、まだ、習得しきっていないから

まだ、心のガラスの曇りがきれいにふき取れ切れていないから

きっと、これからもいろんなことから教わることばかり。

自分で何かをしよう!と意気込むのでもなく

かと言って、何もしなくていいはずもなく

ただただ、あるがままを受け取らせてもらおう。

4度目の出産は、まだかまだかと、ただ、待っている状態。

きっと、最初から初孫のように、膨らむ期待を私に持たせて

やぎに負担をかけないように、

自分も舞い上がることのないように

真剣に、そして冷静に対処ができるように

そのためのこれまでの3度の出産だったのでしょうか。

今度の出産は、私がはじめて飼ったヤギだもの。

あとから来た仔に何度も先を越され

不妊症ではないか・・。と落胆もしながらの月日を越えて

お腹の様子から入っているのは、多分1頭だけではなさそうな。

小柄なヤギだから、お腹が重くて、しんどくて

足の爪がお腹の重みで曲がって歩くのもやっと・・・。

嬉しい気持ちは、これまでとは比べようもない。

だけど、私の心は今、静かな湖の水面。

小石が一石投じられたら

そしたら、やっぱり静かに嬉しさの波紋を広げていくのでしょうか。

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