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一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

海外オペラハウス来日公演

2013年07月27日 | 最近のできごと
 先月、東京文化会館へ出かけた。ハンガリー国立歌劇場来日公演の、オペラ『椿姫』の鑑賞である。友人女性Tさんから、誘いのメールと電話が来たのが、その3か月前。テレビやDVDでオペラを観ることが多い私にとって、生(なま)で観る公演にワクワクしたものの、海外オペラハウスの引っ越し公演のチケットは高いことが、チラッとかすめた。けれど、メールの後のTさんからの電話で、〈クラブツーリズム〉という旅行やイベントの企画会社主催の貸切公演だから、チケット代は比較的安いと知って安心した。〈クラブツーリズム〉というのを私は初めて知ったが、Tさんは以前、旅行の時に利用したらしかった。
 海外オペラハウスの来日公演は、2年前にイタリアのボローニャ歌劇場来日公演の『清教徒』を、東京文化会館で観たのが初めてだった。Tさんはオペラの趣味歴は私より長いが、海外オペラハウスの引っ越し公演は今回が初めてということだった。何しろチケット代が高額過ぎる。3階以上の席では、近視の私には歌手の顔も字幕もギリギリ見えるか見えないかという感じなので、S席かA席か、せいぜいB席まで。
 2年前のボローニャ歌劇場来日公演の『清教徒』は、私にとっては買う気になれないS席の高額チケットを、親しい知人から譲ってもらうという幸運に恵まれたのである。初めて観て聴く海外オペラハウスの引っ越し公演は、それはもう、期待以上に素晴らしい公演で、感動と陶酔の余韻に包まれ、終演後はまさに夢の世界から現実に引き戻されたような気分だった。
 Tさんとはずっと会っていなかったが、メールと電話のやり取りをしていたので、あまり久しぶりという感じはしなかった。館内のレストランで昼食を共にしながら、さまざまなお喋りが弾んだ。Tさんは書道教室を開いて教えているので、いつか私も習いたいという話もしたりした。オペラの話も、もちろん、した。
「最近、バリトンが好きになったわ。テノールよりバリトンのほうが、男性的でセクシーで深みのある歌に感じられるの」
 そう言うと、Tさんも共感したようなことを言った。
 ところが、ハンガリー国立歌劇場来日公演『椿姫』を観て、幕間の休憩時間に、
「やっぱりテノールもいいわね。アルフレードの歌手の甘くて伸びやかな歌声、素敵だわ!」
 昂奮に包まれながら私が言うと、
「さっきはバリトンのほうがいいって二人とも言ってたけどね」
 と、笑いながらTさん。
 テノールもバリトンもソプラノも、生で聴くオペラのアリアは格別素晴らしいのだから無理もない。歌だけではなく演技にも、感情移入させられた。
 歌手もオーケストラも合唱団も、指揮も演出も美術も衣装も、もうすべてがこの上なく素晴らしくて、日本では実現できないような夢の舞台に、胸を熱く揺さぶられ感動に包まれたひとときだった。
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