ヘスクは恥ずかしそうに
「ただの過労なのに。ユジン、悪かったわね。」と言いながらも、ユジンを送迎してくれた仕事関係者だと言うイミニョンという男性に大きな不安を感じた。どう考えても、イミニョンがユジンに向ける眼差しは仕事関係者のものではなかったし、ユジンも彼に好意を持っているようだった。
ヘスクはユジンにサンヒョク以外の男性と来るなんて、と嗜めた。2人の間に何かが始まっている、サンヒョクが傷ついてしまう、と心配で仕方がなかった。
それ以上に、茶髪の青年にどこかで会ったことがあるような気がして仕方がなかった。
ヘスクはじっと考えた。
その間、妹のヒジンが居間でミニョンにお茶を出していた。このお兄さんはチュンサンではないのかしら?チュンサンは死んだと聞いていたけど、、、ヒジンは穴のあくほどミニョンを見つめたので、ミニョンは思わず笑ってしまった。
「そんなに僕はユジンさんのお友達に似てますか?」
「そりゃあもうそっくりです」
ヒジンは首をぶんぶん振った。
「お姉ちゃんは、カンジュンサンが亡くなったときに、毎日毎日泣いていて、もう死んじゃうかと思いました」
ヒジンは世の中にこんなにカッコいい人がいて、姉はその人と2度も知り合うなんて、ラッキーだな、と思っていた。サンヒョクさんよりミニョンさんのほうが素敵なのになぁ。
ミニョンはその当時のユジンの気持ちを考えたら胸が張り裂けそうで、自分がチュンサンだったらどんなにいいだろう、タイムスリップして、ユジンを抱きしめてあげたい、と思った。
ミニョンはヒジンに話しかけた。
「お姉さんが昔お気に入りだった湖があると聞きましたが、それはどこですか?」
「ああ、南怡島のことだわ」
そう言うとヒジンは、ミニョンに場所を教えてくれた。
ヘスクは、しばらく考えて彼とどこで会ったか思い出した。昔ユジンが高校生だったころ、ヘスクの洋服屋の近くの食堂で、よく一人きりで麺類を食べていた少年に似ている。でも、あのミニョンとかいう人は、もっと明るくて社交的で、まるで雰囲気が違うけど、食堂の少年は、暗くて無口で孤独そうだった。
でも、それ以上に彼を見ると二度と会いたくない相手を思い出す。カンミヒだ。愛する亡き夫の元婚約者である彼女。性格の違いと彼女の将来のために別れを決めたと夫は言っていたが、その後風の噂で失恋のショックで自殺未遂をしたと聞いた。ミニョンは写真の中のカンミヒによく似ている。
ヘスクは暗そうな少年とミニョンとカンミヒの関係に不安な想いをかかえて、ユジンたちを見送った。
話に関係ないですが、カンジュンサンの母親役のソンオクスクさんは当時43歳だったそうです。
私の方が年下ですが、あんまり歳が変わらない、、、。
ペヨンジュンさんに「母さん」と言われても引いちゃうな。わたし💦
どうりで、母親役にしてはお綺麗ですね❤️
以上小話でした。