金星太郎日記

教室は宇宙船 どこへだって行ける けやきのこずえに続く青空… 谷川俊太郎の詩より 

SH小学校ドッジ講習会2011

2011年10月19日 21時20分52秒 | Weblog

山々は景色が一変し、紅葉真っ盛りの季節となった。
スポーツをするには絶好の気候である。

SH小学校の先生からインストラクターの派遣要請があり、T氏と二人で出かけた。

この小学校の校歌は「信濃の国」(県歌)である。体育館にはこの校歌が誇らしく掲額されていた。
長野県民なら誰でも歌えるこの歌曲は、他県の人から見れば「不思議」、「驚き」だろうが・・・、ここで1番のみ紹介しておく。

信濃の国は十州(じっしゅう)に
 境連(さかいつら)ぬる国にして
 聳(そび)ゆる山はいや高く
 流(なが)るる川はいや遠し
 松本 伊那(いな) 佐久(さく) 善光寺
 四つの平(たいら)は肥沃(ひよく)の地
 海こそなけれもの沢(さわ)に
 万足(よろずた)らわぬ事(こと)ぞなき

6番まであり、しかも4番のメロディーだけが他と違うのも珍しい。
県内の名所旧跡、山川、産業、歴史文化、偉人などが織り込まれている。これを歌うと長野県がどんな県であるかが理解できる。
県民は小学校で必ずこの歌を習うので、誰でもみんなが歌えるというわけだ。

さて、体育館に集まったのは5年生20人と担任の先生、保護者10人ほど。子どもたちはすでに自主的に準備体操をしていた。

始めの会では自己紹介の後、質問タイムを設けた。
あらかじめ授業で話し合っていたらしく、「ドッジボールの先生に聞いてみたいこと」という表題で、質問項目が模造紙に書かれていた。
元気のいい男の子が手を挙げて質問してくれた。

「強いチームになるためにはどうしたらいいですか?」
「強い球を投げるには?」
「パス回しはどうしたらいいか?」
「膝の下に来たボールの捕り方は?」
男女2チームが来週に迫った「NAGANOスポーツフェスティバル」に出場するために練習しているとのこと。今日のドッジボール講習会に臨む姿勢はみんな真剣である。

講習では、いつものように「ドッジ」の語源クイズ、じゃんけん大会(指の運動)から入った。歓声や笑いが起こる中で子どもたちも保護者の方々も、これから始まるドッジボール講習に期待感を高めていった。

外野の動きをボードで説明する中で、ルールに込められた基本理念(自主性・自己責任・向上心)を説いた。
後ろで聞いていた保護者の皆様も近寄って来て真剣に耳を傾けてくださる姿がうれしかった。

攻撃と守備に分かれて基本動作とフォーメーションを教えた。子どもたちは「強いチームになりたい」という思いで、一生懸命に走り回っていた。
動きはまだぎこちないが、少しずつ慣れてきた。
教えた通り素直にパスを回し、アタックを試みる子どもたち。めきめきと上達し、オーバーラインも少なくなってきた。
守備グループもターンの練習を繰り返す中で身のこなしが早くなり、「1・2・3」「ナイスキャッチ!」の声や拍手もだんだん大きくなってきた。
最後に試合をやってみたが、攻撃にリズムが出てパス回しが上手になっていることに驚く。
内野の一列フォーメーションもだいぶ揃うようになってきた。

「もっとやりたい!」という声を遮って、終わりの会を行った。
感想発表では、何人も進んで手を挙げて発表してくれる姿が印象的だった。
「外野の動き方が分かって嬉しかった。」
「ボールを怖がらないで捕れて楽しかった。」
「内野の守り方が練習できたから、これからもやってみたい。」
「いろいろと教えてもらって、良くわかった。」

始めの会の時の顔とは全然違って、みんな和やかな顔になっていることに驚く。
満足感と充実感が漂っていた。
会が終了したので、担任の先生に森浩美氏(日本協会元理事長)の講演集「FEEL THINK ACTION」の冊子を紹介した。
「この本の内容でドッジボールの良さを保護者の皆さんに説明してください。私たちがドッジボールを普及する理由が書いてあります。」
T先生にはこうして講演集冊子を買っていただき、感謝している。(協会にとっても貴重な活動資金になることはもちろんである。)

「私たちが普及しようとするのは、ドッジボールそのものではなく、ルールに込められた理念である。」(日本協会の方針)

帰り際に荷物を持ってくれたり、体育館の玄関まで出て来て「ありがとうございました。」と、ていねいに見送ってくれたり・・・、純粋な子どもたちの姿に感動した。

毎年のイベントである「NAGANOスポーツフェスティバル」(フレンドリーの部)に、この学級が一つに団結して楽しく参加できるといいな、と願ってSH小学校を後にした。

2011/10/20



K地区ドッジボール大会2011

2011年10月05日 21時26分59秒 | Weblog


つい先月まで残暑が厳しく、思わず「暑い、暑い。」を連発していたのに、ここ最近は澄み切った青空が気持ちいい気候になった。北の地方では平年より20日も早い初雪、山は初冠雪。季節の移り変わりを実感するこの頃である。

市内のK小学校体育館では「第39回少年少女球技大会(ドッジボール)」が開催された。審判員として参加したので、雑感を述べたい。

まず、39回と言う歴史に驚く。開会式では校区3小学校長や住民自治協議会、市議会議員の代表が参列し、祝辞などを述べてくださった。
「地域の子どもを地域で育てる」という当たり前の・・・しかし、なかなか難しい理念がこうした場に自然とにじみ出ている感の開会式であった。

子どもたちは育成会ごとに9チームが高学年と低学年に分かれて、それぞれのリーグでドッジボールを楽しんだ。
育成会の名前が入ったユニフォームを身につけて体育館を走り回る子どもたちの姿は可愛らしくもあり、何かしら誇らしかった。

試合が始まると、オーバーラインやアウトプレイの反則がほとんどなく、ゲームがスムーズに進行したことに驚いた。

低学年の子どもたちも試合前と後で整然と並んであいさつしている姿に感心した。
プレーを見ていると練習の成果が良く現れていた。声を掛け合ってパスを回したり、一列に並んでキャッチしたりして、高学年顔負けのフォーメーションを見せるチームも少なくなかった。

高学年チームの動きを見ると、各地区でかなり練習を積み重ねてきていることも分かった。それは監督さん始め世話をしてくださるお母さん方が、とても熱心に子どもたちに接しておられるからに他ならない。
事前の審判講習会を受講した役員さんや中学生たちが線審を勤めてくれていたが、動きがきちんとしていて、ミスが少なかったことも印象的だった。

こうして大会当日だけでなく、「ドッジボール」は子どもと大人がふれあう貴重な場になっている、・・・これが何より大切なことだし、うれしい。

二つの体育館を音響装置のコードが結び、本部や各コートのオフィシャルからの連絡が全体に行き渡るように配線してくれた人がいた。この日のために機械類を個人的に貸してくださっていることを知り、驚いた。地域の人々に支えられて大会が運営されていることに感謝したい。

協会主催のドッジボール大会がクラブチーム主体になっている近年、しかもそのクラブチームが激減している現実に直面し、「いつでも どこでも 誰とでも そしていつまでも」のキャッチフレーズを今こそ具体的に取り組んでいかなければならないと痛感している。
 
2011/10/6