季の花X

  稽古記録ー茶花と茶菓子

柚篭

2012-06-30 08:50:00 | 6月の菓子
ユズカゴ


何かと賛否両論で話題になっている今年の大河ドラマ『平清盛』は既存の歴史小説を原作としていないさくひんですが、同じ平清盛を描いた40年前の大河ドラマ『新平家物語』は吉川栄治の小説が原作でした。彼がその作品を執筆した地が東京は青梅にある吉野梅郷で記念館もあります。その門前にある菓子屋「紅梅苑」は吉川英治夫人の文子さんが開いた和菓子処です。「紅梅饅頭」と並んで有名なのがこの「柚籠」です。
ITさんから頂戴しました。いつも感謝です。一口大の可愛い菓子ですが一口で食べてしまうにはもったいない。皮の桃山はほろっと崩れてほのかな甘味がひろがります。天辺に乗っているのは柚子の甘露煮を刻んだもの。それが中の上品な白餡にもたっぷり入っているのです。


青梅も然り、紅梅苑も同じで、名前の通り梅が特産品です。しかし、知らなかったのですが柚子もまた青梅の隠れた名産なのです。


「梅菓子処 紺梅園」のHP
http://www.koubaien.net/



水無月

2012-06-30 03:49:00 | 6月の菓子
ミナヅキ


主菓子を買ってないことに気が付き慌てて駅に。贔屓にしていた菓子屋「千菓匠」は店を畳んでしまったし、「丹波屋」の菓子はどれも茶菓子に使う気にはなれないしで、駅前のスーパーの和菓子コーナーで「あわしま堂」の「水無月」を買う。
この菓子屋は四国の店ですが京都にも工場を開き東京にも進出している大きな企業です。拘りの和菓子というよりは家庭で楽しくおやつを楽しむ、というコンセプトのようです。しかし「水無月」は何処の店でも何故こんなに大きいのでしょうか。半分に切って丁度の大きさですね。
何しろ6月30日ですから「夏越の大祓」です。この日は京都では「水無月」を食べる風習があります。3角形は氷を表しています。氷室から取り出した氷に土や砂がついてるのを小豆で表現しているという人がいますが、まさか幾らなんでもそんな筈はないでしょう。これは「削り氷けずりひ」つまりカキ氷と粒餡、氷小豆の表現だと思われます。
あまりにも廉価品でしたから期待しなかったのですが予想外に美味しい。外郎がしっとりと柔らかく甘さも上品、小豆は少し硬めですがも香りがよくばらけ具合の見た目も良し、一流菓子店に勝るとも劣りません。

「お菓子の国 あわしま堂」のHP
http://www.awashimado.co.jp/index.php



白桔梗/大金鶏菊/矢車薄荷

2012-06-30 01:46:00 | 6月の花
シロキキョウ/オオキンケイギク/ヤグルマハッカ

花入:蛸壺


しろききょう


おおきんけいぎく


やぐるまはっか

この「白桔梗」は普通の青紫色の「桔梗」の色が抜けたものなのでしょうか、紫色が薄く残っていて純白ではありません。普通よりかなり花が大きいのは肥料の関係かなと思います。
大金鶏菊」は花枝が長いので低く入れると葉が隠れてしまいます。葉があるのに葉を入れないのは掟破りと私は考えますので、勢いこの花は根占として使うのは難しくなります。
前回「矢車薄荷」の別名を「ベルガモット」と書きましたが、これはハーブティーや料理の香り付けに使うハーブです。お酒や紅茶のアールグレイに使われることで有名な「ベルガモット」の方は柑橘系のオレンジやレモンに似た実から採る精油です。ややこしいのですがハーブの「ベルガモット」はオレンジの「ベルガモット」に香りが似ているから付いた名です。紛らわしいので最近ではハーブの方をその学名から「モナルダ」と呼ぶ人が増えてきたようです。



山清水

2012-06-26 09:42:00 | 6月の菓子
ヤマシミズ


「鶴屋八幡」の干し琥珀です。名前からして涼しげで良いですね。表面はやや硬めですが中の寒天は柔らかです。何よりたっぷりと閉じ込められた丹波大納言が柔らかくて甘くて美味しいです。



以前に使った「鶴屋八幡」の別の菓子「鶯餅