一昨日は、再び40㎝程の積雪。バス通りに通じる私道も車両が走行できず除雪機を4往復して一応車が通行できるように約2時間かけて除雪した。我が家の門前は新聞配達や郵便局の配達の車が方向転換できるように8mほどの幅に除雪をしている。
前回の投稿で犬の大きさとは、「体高」であると記述したが いまだに誤解している人もおられるので詳細を述べてみたい。
セントバーナードの大きさ(Size)(体高・Length)について犬種標準では、FCI(JKCも一員)牡:最低70cm~最高90cm 牝:最低65cm~最高80cm AKCでは、牡最低27? インチ(70cm)牝 25? インチ(65cm)と規定している。この数字は、一度でも種標準書を読まれた方なら記憶にあると思う。
重要なのは、何所を測るのかである。過去にも何度かブログにて説明しているが最近新たにセントバーナードを飼われた方もおられると思うので説明したい。
下記の図は、FCIの図説セントバーナードの解説書に使用されている図を拝借して理解に役立てていただきたい。
この図からもわかる通り体高を測る位置は肩甲骨の一番高いところ(Point of Scapular)から垂直に地面に向かって計測するのが正しい計測である。そしてその垂直線は、前肢の後ろ側に沿うのが肩と上腕骨の角度と肩甲骨の傾斜角度の正しい犬の証拠となる。
アメリカセントバーナードクラブから発行されている図説セントバーナードコメント集にても同じいように説明されている。
このイラストコメンタリーは20年ほど前の発行であるが多くの初心者やヴェテランにも愛読され「犬種の正しいタイプ」の理解に役立っている。価格も安く(1000円未満)アメリカの友人は仔犬を譲渡するときに初心者の方に贈呈している友人もいる。私も出版されたとき各会員に送付されてきて以来ずーっと愛読し疑問点や説明がどうなっていたか忘れた場合には直ぐ紐解き確認をしている。下記の図は、上の図と同じくSBCA(アメリカセントバーナードクラブ)の体高体長その比率の図である。
何れの図も「体型の比率(Body Proportios)」という項に記述されており、サイズ(大きさ)の項には、寸法の表示のみしかない。
このことは何を意味するかは、賢明な方はお分かりかと思うがセントバーナードにとっては、全体像としてみる限り「体高と体長の比率」がいかに重要視されているかを物語っている。FCI,AKCの標準書においてもセントバーナードの最初の文章に
「General(一般外貌)
Powerful, proportionately tall figure(力強く比率{バランス}のとれた大きな像{犬})」と定義づけられている。
私が常日頃「短足胴長」の著しいセントバーナードの淘汰を声高に言うのもこの規定があるからである。
短足胴長という意味は、二つの意味がある。
一つ目は、肩の最上端から胸までの長さと、前肢の肘から地面までの長さの比率である。FCI,及びAKCとも最低限でも足の長さと胸の深さは50対50の割合でなくてはならない。胸の方が深いということはあってはならないということを強調している。
二つ目は、体高と体長の割合である。
AKCの規定には、この比率には触れられていないが冒頭「力強く比率{バランス}のとれた大きな像{犬})」と定義づけられているところから5対5かせいぜい10%ほど体長のほうが長いというのが一般的な理解でありSBCAの図説コメンタリーでもほぼ10%ほど体調が長いというのが許容範囲内であると解説している。
FCIの規定では、「重要な比率」という項目の中で体高と体長の理想的な比率は9対10と規定されており体長のほうがAKCの規定より若干長く許容される感じである。
次に体長の計測位置は、股関節の最下端を地面と水平に前胸から肛門下部あたりの端までである。
余談だが笑い話にでもなるかもしれないfが鼻の先からしっぽの先までを体長と考えておられる方がいるがそれは魚の話で犬の場合にはそのような計測はしない。更にもっとすごい理解をしている人もいた。鼻先からしっぽの先までの長さを犬の大きさと理解して「小さい小さい」と心配されておられる人もいた。
以前ブログで犬の大きさを語ったところこんな疑問を持たれて質問された方もいた。
サイズを測る寸法というのは、骨の部分の採寸ですか?それとも肉厚も含めての採寸ですか?と問われた。
非常に重要な質問なのでなぜ疑問を持たれたのかを尋ねたところ
「実は、ブログを読んで我が家の犬のサイズを知りたく測ったところ太らせすぎて足の長さが極端に短く胸の深さばかりが目立ち計測してみたら胸のほうの寸法が大きくとても5:5の比率に見えないので・・・」という事であった。
仔犬時から繁殖者の指導で太らせて育て前肢のパスターンもぐにゃりと曲り医者から太らせすぎと指摘され体重を大分落としたのだそうだが肉が揺れるほどのロングの女の子のようだ。
SBCAの解説書には、体高を図るときには、骨の部分で計測し体長は、肉の厚みを加えて計測すると書かれてある。それはこの質問者のような肉厚のある犬は、肉厚を加えて計測すると到底健全な比率にはならないからだと思う。
仔犬時代を通じ犬を過度に太らせるというのは、往々にして素人あるいは初心者に多い。特に仔犬の場合の体重のつきすぎには、悪いことはあっても尾良いことはない。犬の健全な成長を妨げるし、特に四肢の成長に大きな阻害要因となり特にロングヘアーの仔犬の成長時代に肥満に育てて四肢の伸びのある犬に育った例は、お目にかかったことはない。
そんな短足犬に見えるようなってもショーに出したいという場合には、私は前胸から腹にかけての毛をカットして少しでも短足に見えないようすることをアドヴァイスをしているのだが当事者は理解していないようである。
その後その犬の他での写真を見たがその犬の良さが発揮できないままの姿で撮られていた。体高、体長のバランスは非常に良い犬なので立姿の姿勢を工夫すれば良い写真が撮れると思う。
トップに掲載してある写真の犬は、当犬舎で最もバランスが良い犬ということで掲載しているがこの犬など仔犬時代(18か月まで)皮1枚がやっとという具合に育てた。写真は2歳を過ぎた時の写真であるが
”Powerful, proportionately tall figure”というに相応しい犬の1頭であると私は、自負している。
月華とは全く性格の違う子で良く我が家では、喧嘩をしたりしています。
体高は80cm近くあります。良い子でいつも笑わせてくれています。