ものがたり バラバラともだち8

タコくんは面倒見がいいよ　　仲間を早く集めたかっただけだ！

タコくんは大きいとこがいいよ　　みんなをつぶすかもしれないぞ！

タコくんは元気で明るくていいよ　　ノーテンキでうるさいってことだろ！

大事な仲間であることを伝えようとみんなタコに一生懸命言うのですが　

タコは全部否定してしまいます

トロはどうしたらいいのかわかりません

タコをなぐさめ励まし安心してほしいという気持ちはあるのにどう言えばいいのか

そして　好きだし大切なのに　もうほめる所が見つかりません　

あれ…？ほめる所がなくなったのに　どうしてまだタコくんを好きだと思うんだろう

ああ　そうか　理由じゃないんだ

ぼくはこのタコくんがいいんだ

タコくんだからいいんだね

ものがたり バラバラともだち7

いつになく力説したシッポの様子が変

トロはあわてておんぶをして　みんなの所へ走りました

「おしゃべりが苦手なのにぼくなんかのためにがんばってくれて…」

ううん　もう　ぼくなんかって言わない！

こんなにぼくを想ってくれるひとのために

ぼくは大切にするんだ！ぼくを大切にするんだ！！

一生懸命走ったのですが、やっぱりいつも通りトロいトロでした

でもそこでトーリに出会って一安心

「ぼくトーリちゃんのお話聞いたよ。おともだちになれてうれしい！」

そう言うとトーリちゃんが幸せそうな顔をしたのでトロはもっとうれしくなりました

そしてトーリの体も色づきました

7人がそろって楽しく晩ご飯にしているとタコだけがフキゲンです

その理由にみんな気が付きました

タコだけが真っ白のままなのです

「なんだよ！何か言えよ！」

「きっとすぐに…」

「ふんだ！どうせオレだけ仲間ハズレさ！！オレがみんなをひとりずつ集めたのにさ！」

トロとハネは「へー」という顔をしていましたがみんなはあわてています

ちっとも悪くないはずなのに　ごめんねごめんねと言っています

自分だけ様子が違うのが不安になってタコはみんなにやつあたり

「オレが一番エライんだぞ！！」

やっと仲間ができたんだと思ってすっかり安心していたハネは

タコくんがいなくなるんじゃないかと思って心配で仕方ありません

思わずトロに手を伸ばしていました

ものがたり バラバラともだち6

マキは「マキマキしてあげるね」と言ってハネをぐるんと巻きました

「何これ　あんたの趣味？ワザ？」

ハネはまた憎まれ口をきいてしまいましたが

「そうよ　私にしか出来ないの　でもおともだちしかマキマキしないわ」

マキのマキマキはハネをつぶさないようやさしいマキマキだったので

ハネは大切にされているような気持ちになりました

一方ミミとタコは丘の上でお話中

ミミ「ハネくんってぼくたちのこと嫌いなのかなぁ」

タコ「いごこち悪いのかな…好きになってくれないかな」

ミミ「何か喜ぶことしてあげたいね」

タコ「チューしてあげようか」

ミミ「ますます嫌われると思うよ…」

そこへマキがごろごろ転がってきました

中にハネを入れたままだったので2人して目が回っています

「危ないよ！また穴に落っこちたらどうするの」

「ごごごごめんねハネくん」

「ううんマキちゃんの中にいたから平気だよ、どこも痛くないよ！マキちゃんこそ大丈夫！？」

マキをいたわるハネを見て、ミミはとても安心しました

…うれしそうな顔を見せてくれなくたって、きっとぼくたちもうともだちだよね

ミミ・マキ・ハネの色が少し変わりました

ものがたり バラバラともだち5

欠点だからってワルイわけじゃない

ぼくの欠点だってみんなありがとうって言ってくれた

トロ「そうだね、みんななにか欠点があるよね！」

シッポ「欠点じゃないの　特別なの」

特別…？

そうだ…みんなと違う部分はだれも持ってない特別なトコなんだ！

みんな違ってても、バラバラでもいいんだ

バラバラの特別が今こうして一緒にいるんだ！！

ぼくはぼくのままでいいんだよね？

シッポくんありがとう！！

にっこり笑ったトロは淡いピンクに染まっていました

うれしくてにっこり返したシッポもほのかな紫になっていました

そのころトロにいじわるをしたハネの所にマキが現れ

「どうしたの？何か悲しいことがあったの？」

と小さなハネをのぞきこみました

ものがたり バラバラともだち4

トロがしくしくしていると、いつのまにかとなりにシッポがいました

シッポはとってもはずかしがりやさんです

シッポはポッケからハンカチを取り出して、トロの顔をふきふき

「あのね　ぼくね　ずっと仲間ができなかったの。ひとに好かれないぼくを仲間にして大丈夫？」

仲間にするのは不安・そう言われたらどうしようと思いながらトロは聞いてみました

「ぼくもなの…」

シッポは顔を真っ赤にして思いがけないことを言いました

「ぼくみたいに真っ黒いひとはほかにいないの

　暗いときに会うと怖いからキライって前に言われてたの」

「でもねトーリちゃんが

　真っ黒いとたくさんおひさまを吸い込むのね

　シッポちゃんは一番あたたかくてキモチいいね

　って言ったの！！

　ぼくはぼくでよかったと思う！！