
昼寝の前にちょっとだけ散歩をしてこようと、ベビーカーに坊を乗せて、マンションのエレベーターに乗ったのだけど、ふとあることを思い立ち、一階まで降りたところで、Uターン。
うちに戻り、玄関にベビーカーを置いて、もう一度「行ってきます」。
そう、坊と歩いてお散歩に行くことにしたのだ。
向かうは自宅から300mほどのところにある神社。
川沿いの歩道を、お手々つないで(半分くらいは、お手々つながずに(笑))、よちよちよちよち。
木の幹を触ったり、桜の落ち葉を手にしたり、行き交う人たちに「うぉっ、うぉっ」と挨拶(?)したり。
坊にとっても私にとっても、新鮮なお散歩。
少しの距離、抱っこしたものの、ほとんど歩いて神社に到着。
この神社、敷地内に幼稚園があって、境内では園児たちが、時々お遊戯したり、かけっこしたりしている。
今日も運動会の練習なのか、音楽に合わせて何やら大きな布を広げたり、リレーの練習をしたり。
私たちに気づいた園児の何人かは、坊が気になって仕方がないらしく、いろいろ話しかけてくる。
リレーの時は、男女別で、どちらが走るときは、どちらかが縁石に座って応援。
「ここに座っていいよ~」と場所を空けてくれる子たちもいて、お言葉に甘えて(笑)坊を座らせると、「かわい~」「歯は何本?」「何歳?」と質問攻め。男の子は恥ずかしそうに話しかけてくるだけなのだけど、女の子たちは、坊のほっぺや髪にタッチタッチタッチ!
いやぁ~、君たちだって、まだまだじゅうぶんかわいいんだよ。
年長さんだという彼ら。縁石に腰掛けて、隣り合った子同士、一人前にいろいろ会話を交わしている。
三、四年くらい前まで、大した言葉も話せなかっただろう子たちが、そんなふうにぺちゃくちゃおしゃべりをしているのを見て、あぁ、坊もすぐにこんなふうになるんだなぁ、と。
ちょっとの散歩のはずが、予想外に長い散歩に。
坊は、お兄ちゃんお姉ちゃんたちに声援を送ったり、神社の狛犬たちに「遊ぼうよコール」を送ったり、石段をのぼったりおりたり、大きな木を見上げて、ちらちらする木漏れ日を見たりで、大忙し。
もうずいぶん歩く姿も見慣れたなぁと思っていたのだけど、近所の散歩、ベビーカー無し、というところが、なかなか新鮮だったようで。
何だか久しぶりに、胸の中がほんわり暖かくなる感じを味わい、心地良い気分。
歩きながら、思い出していた。
生まれて一ヶ月ほど経った頃、少し外気にあてようと、家の周りを一周した初めての散歩のことを。
そして傍らの坊を見下ろして、思う。
あぁ、これが一年前に私が産んだ子。その子がトテトテ歩いている。そして私の手の中に、その子の小さな手・・・。
ずっと、こんなふうに手をつないでいられたら・・・なんて。