沖縄の昔話に、昔、みすぼらしい姿の片足が不自由な老人が、
お金持ちの家を訪ね、「一晩泊めてほしい」というと、
「乞食を泊めるわけにはいかない」と断られた。
仕方なく隣の貧乏な家を訪ねると「こんな粗末な家でよければ」と
快く迎え入れた。実は神様のつかいであった老人は、
お礼にと「あなたが畑に作物を植えた後にマータを結っておきなさい」
と教えた。
貧しい家の主人がいわれた通りマータを結っておいておくと
豊作になった。それからというもの、村人たちはマータを結うように
なったという話しがある。
作物を植える前に畑のまん中にススキの葉っぱを結んだものが
よく置かれている。これを「マータ」と呼んでいる。
ススキの葉には魔除けの力がありススキの葉を持って歩くと
魔物が近寄らないという言い伝えがある。
一本のススキを「サン」という。
3本結ぶとゲーンという。
このゲーンはマータとかシバサシという呼び方がある。
例えば風邪が流行りだすと玄関や家の四すみにススキの葉を
結んだものをおいておくと流行病の予防効果があるとされている。