沖縄の伝統的な料理の味付けの基本になっているのは「塩」。
家庭料理の定番であるチャンプルー類はもちろん、
塩だけで調理した魚料理「マース煮」もある。
こうした料理法が可能 いなるのは、塩の品質がよいから。
おきなわではこの塩のことを「島マース」と呼ぶ。
方言で海の潮のことを「ウス」という。
これを字で表すと「島真潮」となる。
塩は一般に科学塩と自然塩に大別される。
科学塩は塩化ナトリウムが99.35%以上の高純度に精製されたミネラル分をほとんど
含まない塩である。そのため口に含むと辛みの独特なトゲトゲしさが目立つ。
一方自然塩の塩化ナトリウムの含有量は80%~90%と低純度になっていて
残りの成分には他種類の微量ミネラル、有機質、酸素などが含まれている。
これらの残りの成分がニガリといわれる物質で、
このニガリ分が旨みやまろみを生み出し肉や魚などの素材そのものの味を
引きたてる役割を果たす。
島マースはこの自然塩の製法で作られる塩のことをいい、
1997年に塩の専売法が撤廃されて以降はさまざまな種類の島マースが
発売されるようになった。
減塩、減塩といわれているが島マースは栄養学的にも注目されている。
ミネラル中のマグネシウムが不足すると高血圧や心臓疾患の
引き金となったり、カルシウムの吸収率を阻害する原因にもなる。
宮古島で作られている「雪塩」はギネスに認定される世界一の
「島マース」である。