うんたま森のキジムナー

パリ

方言で畑の事を「パリ」と言う。
現在のように医療設備が整っていなかった
時代には、畑で産気づいて畑で出産と言うことも
珍しいことではなかったらしい。
私の知り合いにも何人か「俺はパリで産まれたさぁ」
と言っている人はいる。方言を知るまで
「あいつはパリ産まれだよ」と聞いて
「ボンジュール」と少し驚いていたが、
パリが畑と聞いて納得。

スーツ屋のおばさんもマンゴーを作っていて、
店にいないときは畑(パリ)にいる。
「パリが忙しいからパリにいるさぁ」
でも、娘がフランスのパリにいるそうで、
「娘に会いに、ちょっとパリまで行ってくる」と
まるで、近くの畑に行くような感じで
フランスまで出かけていく。
このあいだも、久しぶりにオバサンに会ったら、
「パリに行っていたさぁ」と言うので
「どっちのパリ・・・?」と思わず聞いてしまった。
「娘のパリさぁ」あぁフランスの方ね。
まるで、沖縄本島に出掛けるように言うのが
凄い。それも一人で気軽に出掛けていく。

地元の人は「娘のいるパリに行ってくる」と聞いても、
「娘の畑の手伝い」と思うだろう。
普通ならちょっと自慢げに「パリに行ってくる」と
言いたそうなもんだが、オバサンにとっては
沖縄本島もフランスも畑に出掛けるくらいの
気持ちで出かけて行く。
そろそろ冬用の新しいウェットスーツを注文したいので、
今後の予定を聞いておかなければ・・・・


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