あり、それほどたいした値段ではないのに、なかなか
買えないものだ。
肉の千円は安く感じて、フルーツの千円は高く感じる。
実はスイカをいただいた。正確に言えばスイカは野菜である。
いただいたものは、なぜかもったいなく感じて食べごろを
逃してしまうことがたびたびあるので、思い切って食べた!
スイカをこんなに美味しく思ったことはない。
子供の頃はスイカに塩をかけて食べた。おそらく、より甘さを
かんじさせるための手段であったのだろう。北京飯店という
お店ではデザートにスイカが出て砂糖がついてくる。
よりいっそうスイカを美味しくいただくための
スイカの食べ方は、まず切るところから。
模様にそって縦切りに切る。ご丁寧にそれを又、三角に切るなんて
スイカに失礼だ。冷やして縦に長く切ったスイカを部屋の
テーブルで食べるなんてことはしない。
縁側があれば縁側に座って種をプップッと飛ばしながら
「来年は、あそこからスイカの芽が出るでぇ」と言いながら
食べるのが好ましいが、スイカのために縁側を作る余裕はない。
とりあえず縁側気分で庭のテーブルにスイカを並べて種を
飛ばしながら食べるのだ。スイカは外で食べるにかぎる。
どうしても部屋に持ち込んで食べなくてはならないときは
フォークスプーンで種を取りながら、丸い穴をあけて
食べるということもある。
「スイカの種を食べると盲腸になる」と言うのは迷信だ。
そもそも盲腸の原因は未だに解明されていない。
沖縄では今帰仁のスイカが有名であるが、
いただいたこのスイカは
今まで食べたスイカの中で一番美味しかった。
