勢いよく海面にダイビングする。
カツオとアジサシが狙っているのが沖縄でスルルと
呼ばれる「南洋キビナゴ」
ニシン科に属するイワシの仲間の稚魚。
昔から「スルルで釣れない魚はない」と言われている。
沖縄では、明治・大正からカツオの生き餌として
重視され、そのものを食用として捕ることは
禁止されていた。宮古島でも過去にスルルを
巡ってヤビジの縄張り争いも起こっている。
最近では、居酒屋のキビナゴ刺身や唐揚げといった
メニューで親しみのある魚種となっている。
スーパーにいけば輸入品の冷凍キビナゴも多く
出回っており沖縄産のスルルやジャコは資源そのものが
減少している。
沖縄県内のカツオ漁が衰退した背景には、沿岸域の
開発が進み、餌となるスルルが捕れなく
なったことが原因だと言う漁師が多い。
沖縄民謡の谷茶前には、スルルやミジュンが沿岸に
寄ってくる様を描写した部分があり、
昔は沖縄沿岸全体に資源が豊富だったことがうかがえる。
池間島や伊良部島では、スルルの塩辛を作っていた。
昔、ダイビングの昼休みに港で弁当を食べていると、
よく「食べなさい」とスルルの塩辛を
もらったことがあった。
「カツオに食べさせるのはもったいないさぁ、
これだけで何杯もご飯が食べられるさぁ」と
言っていたのが懐かしい。
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