うんたま森のキジムナー

白衣

白い着物を着たオバァ達とすれ違った。
沖縄で白い羽織のようなものを着ているのは、
神様に仕える人で、祭事のときや拝みを
するときに着ている。ダイビングショップでは
お客さんの送迎をするので、車はバンを
使っている。今のようにダイビングショップが
多くない頃は、冠婚葬祭の送迎などもよく
頼まれた。9人乗りのバンで、この白い羽織を着た
オバァ達を乗せて行くように頼まれた事があった。

バックミラーを見るとズラリと後ろに白い服を
着たオバァ達が詰め込まれて座って
いる姿は別世界を見ているような・・・・
場を和まそうと「オバァ、行先は、あっちの国か?
このまま海に突っ込んだ方が近か回りかな?」
後ろから頭を一発叩かれただけで、このジョークは
伝わらなかったようだ。

年々、沖縄・宮古島でも神様に仕える人達の
高齢化が進んで、後をつぐ人がいなくなって
いる。私が宮古島に来た頃はどこでも普通に
白装束のオバァを見かけたものだが
今では見かけることが少なくなった。
白衣(はくえ)と言われているこの着物を着た
人を見なくなる日もそう遠くないだろう。


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