北市場は今から40年前に建設された。
私が宮古島に来た当時は、朝夕と買い物に
来る人がごった返していて、車も動かない
状態だったので、時間を避けて回り道を
したものだ。
15年ほど前から客は大手スーパーに流れ、
いつのまにかオジィとオバァのたまり場の
ような場所になってしまった。移転の話も
あったようだが、店主たちの高齢化の現状は
どうしようもなく、40年の歴史に幕を閉じる。
オバァの店がある南市場も、同じように道路拡張で
取り壊しが決定していて、移転するかどうするか
問題となっているが、現状を見ればあきらかに、
移転したところでどうにもならない。市場の灯が
消えるのは時間の問題だ。
オバァも市場の中で働く人も、市場が無くなることは
避けられないことだとわかっているけれど、現実に
市場が無くなることを受け止められないでいるのが、
正直な気持ちだろう。
今だって、観光客が珍しげに訪れるくらいで、
地元の人で市場に客が来るのは盆と正月くらいな
もの。地元の産物にこだわった店が仕入れにくる
のは、ほんのわずか。口の軽い私でも
「もう、引退すれば」とは冗談にも言えない。
市場や市場の前で働く人達の人生が、すべてこの
場所に詰まっているということがよくわかって
いるからだ。せめてもう少し、残りのオバァたちが
元気で商売できるあいだは、取り壊しを待って
ほしいものだ。
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