その城下町に一人の美しい娘が生まれた。
この娘が年頃になった時、毎晩娘のもとに
一人の青年が訪れるようになる。
最初は娘も青年が家に上がるのを拒んでいたが、
あまりにも熱心に通うので家に入れるようになり、
ついには両親に内緒で毎晩会うようになった。
二人の中が親しくなっても
「どこから来た人なのですか?」と尋ねても
青年は答えてくれない。
そして、とうとう青年の身元もわからぬまま、
娘は二人の子供を身籠もることになってしまった。
ある日、娘と青年が毎晩密会していることに
母親が気づき「何者か?」と娘に問いただすが、
身元がわからぬ娘は泣くばかり。
そこで母親は一計を案じる。
「この長い糸を通した針を、今晩青年にわからぬように
襟元に差しなさい。そうすれば糸が青年の身元を
教えてくれるだろう。」
その晩、娘は母に言われた通り青年の襟元に
針を差した。青年はそうとも気づかず、
いつものように夜明け前に帰った。
すっかり日も上がった頃、娘と母親は糸をたどって
いくと、そこは山の中の洞穴だった。
洞穴をのぞくとそこには「アカマター」
大蛇がイビキをかきながら眠っていた。
青年の正体を知った母親は腰が抜け、
娘はガタガタ足を鳴らす。
しかし娘のお腹の中には大蛇の子供が宿っている。
そこでユタに相談すると
「3月3日になったら浜に下りて身体を
海につけて穢れを落とせ」と言われた。
その通りにするとアカマターの子供は流れ落ちた。
旧暦の3月3日は浜下り。
女性は海につかってけがれを落とす。
この話が「浜下り」の由来だそうだ。
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きじむな
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