ほぼ中止となった。
私がこの島に来た頃は、まだサバニで漁を
している人がたくさんいた。
焼玉式と呼ばれるエンジンで、歩くくらいの
スピードしか出ない。
一升瓶に軽油を入れて2本持っていれば
「今日は遠出だね。」と声がかかる。
魚探もGPSもなく、牛、寅と書かれたコンパスで
進路を読む。
釣りを習うのに、よくオジィと一緒に乗っていった。
サバニに座って手を伸ばせば手の先は海水に届く。
独特な揺れで、いつひっくり返るかわからない。
それでもオジィは
「海ではサバニが一番安全な乗り物だ。」と豪語する。
その根拠は?と尋ねれば、
「ひっくり返っても沈まんさぁ。」
ハリー競争の中には「転覆レース」というのがある。
一度、ひっくり返してから、船を元通りにして
競争する。サバニに乗っているオジィ達は、
サバニがひっくり返るのは想定内なのだ。
サバニは、船底塗料など塗らない。
数カ月に一度、サメの肝臓を炊いて、その油を
船全体に塗る。
サバニス(サメの脂)がサバニの語源。
今は佐良浜の追い込み漁師のサバニが動いているだけで、
昔ながらのサバニは消えてしまった。
コメント一覧
きじむな
最新の画像もっと見る
最近の「宮古島」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事