秋分を過ぎる頃には、市場の近くのオバァからウコンを仕入れていた。
「もう来年は作れないかも知らんよ。」よく言っていた。
いつのまにか取りに行かなくなった。
肝機能を手助けする薬というのがあるそうだが、薬を飲むよりも
お酒を飲まないのが一番の薬。しかし、沖縄での生活では飲まない
付き合いというのは難しい。飲みすぎて肝臓を悪くした人が、
お医者さんから「これ以上はよくならない。」とサジを投げられた。
その後、ウコンを飲み始めてよくなったという。
ウコンには花の咲く時期の違いから、春ウコン(キョウオウ)、秋ウコン(ウコン)
紫ウコン(がじゅつ)の3種類あるが、ウコンに含まれるクルミンの含有量は
秋ウコンが最も多く3・6%となっている。
オバァの作る秋ウコンは二日酔いの特効薬でもある。
お店で売られているウコンとはまったく別物でウコンをすりおろして天日で
乾燥させて粉状にする。それをお湯に溶かせて飲んだり、直接飲む。
秋になるといつも作ってもらっていたが、結構体力を使うそうだ。
当たり前のようにいただいていたが、
うこんのオバァは元気にしているのだろうか。
ウコンは飲むばかりではなく染め物にも利用されている。
かっては赤ちゃんにウコンで染めた着物を着せると虫に刺されないと
いわれたり、衣類をウコンで染めた風呂敷に包んでおくと虫が
つかないといわれていた。
オバァのウコンが懐かしい。