その国には、地を駆け、空を飛び、海を泳ぎ、
一息で森や作物を焼き尽くすことのできる
獰猛な恐ろしいドラゴンがおり、住民達は
怪物の怒りをしずめる為に、毎日1人づつ生け贄を
捧げておりました。
ある日、王様の娘が生け贄になる順番がまわって
きました。大勢の人がお姫様のことを思い、
身代わりになることを申し出たのですが、王様は
その申し出を受け入れません。悲しみに心を引き
裂かれそうになりながらも、可愛い娘に残酷な
運命を全うさせる他なかったのです。
ところが、お姫様が餌食になろうとするその時、
真っ白い駿馬に跨がり、黄金に輝く甲冑を
まとった1人の若い騎士が姿を現しました。
彼こそが、お姫様を救いにやって来た騎士
サン・ジョルディだったのです。
サン・ジョルディとドラゴンは激しく戦います。
ドラゴンの強さは圧倒的で、厳しい戦況が
続きました。しかし、善は常に勝利を収めるもので、
サン・ジョルディの手にした槍がドラゴンの心臓を
貫き、見事お姫様を救い出すことができたのです。
溢れ出したドラゴンの血からは、見たこともない
ほど美しい薔薇が咲き、サン・ジョルディは、
その中でも最も美しい薔薇を手折り、永遠の愛の
シンボルとしてお姫様に贈ったのです。
それ以来カタルーニャの人々は、毎年4月23日を
サン・ジョルディの日とし、愛する人達に美と
教養、愛と知性のシンボルとして、1本の薔薇と
1冊の本を贈ってこの日を祝っているのです。
花屋の前にサンジョルディの日と書かれた看板!
便乗商売?バレンタインのように、薔薇を買って
送る人が宮古島にもいるのかなぁ~
