繰り返すかのように飛んでいる。
野ネズミ被害の拡大を防ぐために、毎年行われる
ヘリによる野そ剤の空中散布。
島では、空から撒かれる野そ剤のことを
「毒リンゴ」と呼んでいる。
畑を中心に空中散布されるが、風に流された薬剤が、
かなり離れたところまで飛んで落ちてくることもある。
散歩中の犬や猫が食べてしまうこともあり、
昔は子供が食べてしまったということもあったそうだ。
落ちている薬剤を見かけたら手袋をはめた手で
拾ってから近くの畑に投げ入れるようにと
新聞に書かれていた。
私の知り合いに犬が好きな人がいる。
正確には「あの人は、大の犬好きだと思われている人」
本人いわく、その噂で迷惑しているとのこと。
最近、島でも裕福になってきたのか、犬をペットとして
飼う人が増えている。
朝・夕と小さな犬とリードに結ばれて、どちらが散歩
さしてもらっているのか、よくわからない人をよく見かける。
そのせいか新しくペットの専門病院も出来たが、
人間と違って保険がきかずペットの医療費はバカ高い。
人から人への口の流れはときに思いもよらない方向に
流れることもある。
「あの人は犬が大好き」「犬のことなら、あの人に聞け」
「犬のことならいつでもあの人に」
野そ剤の空中散布が始まると、誤って薬剤を食べて
しまった犬が運び込まれてくるそうだ。
ときには、家の玄関に置いていく人もいるという。
治療ができるわけでもないのに
「困ったもんさぁ」と嘆いている。
