沖縄では、医者や僧侶の数よりユタの方が多いといわれる。
沖縄の人口は約142万人でユタの数は約1万人といわれている。
誰でもユタになれるわけではない。
神様やご先祖様の声を聞いて、それを伝える力が必要。
そんな能力を持つ人が沖縄には1万人もいるという。
東京の人口は972万人だそうだから、ユタになる力のある人は
9万7千人いることになる。
昔はよく頼まれてユタの送り迎えをしていたことがあった。
何人かのユタを知っていたが、おそらくもうこの世には
いないだろう。
ユタも実際には高齢化で少なくなったと思う。
よくユタを紹介してくれと言われる。
そんなときは「かかわらない方がいい」という。
ユタのことを神という人もいる。
そうなら「さわらぬ神になんとやら」昔の人が言った言葉
にはそれなりの意味がある。
こんなことがあった。
ある日、車に三人のユタを乗せていた。
車を運転していると、後ろから髪をつかまれた。
ビックリして「ナニッ!」と言ったら、
「昔のウミンチュウはカンプーにしていたさぁ」という。
バックミラーで後ろを見ると、ユタどうしが顔を見合わせて
うなずいていた。
当時肩まで髪を伸ばしていたので、ユタに言われたからでは
ないが、髪を結んだ。
カンプーとは方言でチョンマゲのこと。
翌日、漁で5人流されて数時間後、私が最初に助かった。
ハワイにもよく似た言い伝えがあり、結んだ髪を
神様がつかみ上げるという。
ウソのようなホントに経験した話し。