御寿司屋さんの定番・・ネタ陳列ウインドウをなくすことによってお客様のと敷居をなくすのだ・・とのことで、ネタ箱を作ることになりました。
きれいなヒノキで大きさな300mm×450mmくらい。箱の底の御簾もヒノキ。もちろん蓋もついています。このまま冷蔵庫にいれ、お客様には、この箱ごと見せるそうです。
・・お客様にみられる・・・・・と思うと、作成にも緊張がはしります。加工もさることながら、材料選びにもこだわりました。
箱は、五枚組み接ぎで底板はヒノキの一枚板ではめ込みです。
底板はヒノキの一枚板ですが、蓋は3枚の板を矧ぎ合わせてあります(雇い核接ぎ)。矧ぎ合わせることによって、反りを防ぐためです。
蓋の位置決めと反り防止のため吸付き桟を入れます。この吸付き桟には接着材はいれません・・なぜ??
板は横方向に収縮する性質があります(縦方向にはほとんど収縮しません)。板に横方向の桟を入れて固定してしまうと、収縮の違いにより、板が割れることがあります。このため、吸い付桟(アリ桟)はきっちりとはめ込むだけで、接着しません。使っているうちに、板の収縮により、桟が飛び出してくる(ほんの数ミリ)場合があります。これにより、狂わず永く使える・・・古来からの伝統工法なんです。
蓋・・・について
このような「箱」には、「印籠蓋」や「かぶせ蓋」がありますが、
印籠蓋では・・・蓋のかみ合わせ(アイカキ)部分が汚れやすい
かぶせ蓋では・・蓋の材料の厚みの分だけ周りが大きくなり、冷蔵庫で場所をとる
このような、理由から、「二方桟」蓋にしました・・・木の収縮の性質を良く受け止めた合理的な仕組みだと思います。