
前稿からの「Sweet」つながりで、今回は、大変な美女がやって来たので町の様子ががらりと変わり、ご婦人方は彼女に嫉妬し、男どもはがぜん色めきたつというホットな大騒動を描いた「Sweet Georgia Brown」のハナシ。
ジャズでもディキシー、スウイング派からモダン派まであるが、どういうスタイルであれよく演奏され、歌い継がれているだけではなく、カントリーやオールディーズ、トニー・シェリダンのバック・バンドだったブレイク以前のビートルズの録音まであるという大スタンダード・ナンバーである。
20年代から30年代にかけてバンド・リーダーとして高い人気を誇ったヴァイオリン奏者のベン・バーニー。彼はナット・キング・コールの歌でヒットしたちょっと古い歌「It's A Lonesome Old Town」(白い夜霧のブルース)の作者でもあるが、25年に仲間のマセオ・ピンカード、ケネス・ケイシーと共作したノヴェルティ・ソングがこの「Sweet Georgia Brown」である。彼のバンドは、ユーモラスな味で評判だったというが、この歌も陽気でなかなか楽しい楽曲である。
バーニー楽団のレコードが大ヒットしたあと、アイシャム・ジョーンズ楽団、黒人の女性エンターテイナーとして名高いエセル・ウォーターズ、スター歌手ビング・クロスビーが次々とヒットさせた。さらには映画の中にもよく登場し、かのビリー・ワイルダーの傑作「お熱いのがお好き」にも出てきたのを覚えている。
歌の内容は、「可愛いジョージア・ブラウンにはどんな娘だってかなわない。脚がとてもきれいなジョージア・ブラウン、彼女が町に来ると聞いてみんな勝手に期待をしていた。いざやって来るとフラれる奴ばかり。フラれていないのは、まだ会っていない奴だけ。可愛いジョージア・ブラウン」というような男から見たマドンナの讃歌である。
shade には「影、日よけ」のほかに a little bit (わずか)という意味もあるようなので、a shade on Sweet Georgia Brown で、「彼女より少しでもイカしたギャルなんていない」というニュアンスになるだろうか。ここは、shade の本来の意味をいかして、「彼女に影を落とす娘なんていやしない」とさせてもらった。two left feet は二本の左足だが、左足二本では踊れないので、ここは can't dance ということのようだ。蚤助としてはこういう表現が比較的好きなのだ。どうやら彼女はダンスができないのに男にモテるらしい。彼女が来ると、そこにいる男たちをみんなさらって行ってしまう。他の娘はお気の毒、というわけで、町の住民は大騒ぎをしている様子。でも、当のブラウン嬢には本当の仲間ができにくいようだ。それでも男たちは彼女の魅力に参っている、という状況であろうか。
この歌、蚤助などは、とりわけ58年のニューポート・ジャズ祭の記録映画「真夏の夜のジャズ」におけるアニタ・オデイの快唱が忘れられない。
このほか定番のエラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーンの両大御所が快調にスウィングするのは当然として、アルバータ・ハンターがこの歌を堂々と歌ったのには心底驚かされた(78年録音)。
ピアノのジェラルド・クック、ドク・チーサム(tp)、ヴィック・ディッケンソン(tb)、フランク・ウェス(ts,fl)ら手練れのメンバーからなるバンドをバックにした見事な歌いっぷりは感動ものである。このとき彼女は何と御年84歳だったのだ!!。
さて、ジョージア・ブラウン嬢はよっぽどの美人だったようだが、そんな彼女に簡単になびいてしまう男どもに対する女性たちの本音がキツイかも…(笑)。
ジャズでもディキシー、スウイング派からモダン派まであるが、どういうスタイルであれよく演奏され、歌い継がれているだけではなく、カントリーやオールディーズ、トニー・シェリダンのバック・バンドだったブレイク以前のビートルズの録音まであるという大スタンダード・ナンバーである。
20年代から30年代にかけてバンド・リーダーとして高い人気を誇ったヴァイオリン奏者のベン・バーニー。彼はナット・キング・コールの歌でヒットしたちょっと古い歌「It's A Lonesome Old Town」(白い夜霧のブルース)の作者でもあるが、25年に仲間のマセオ・ピンカード、ケネス・ケイシーと共作したノヴェルティ・ソングがこの「Sweet Georgia Brown」である。彼のバンドは、ユーモラスな味で評判だったというが、この歌も陽気でなかなか楽しい楽曲である。
バーニー楽団のレコードが大ヒットしたあと、アイシャム・ジョーンズ楽団、黒人の女性エンターテイナーとして名高いエセル・ウォーターズ、スター歌手ビング・クロスビーが次々とヒットさせた。さらには映画の中にもよく登場し、かのビリー・ワイルダーの傑作「お熱いのがお好き」にも出てきたのを覚えている。
SWEET GEORGIA BROWN (1925)
(Words & Music by Ben Bernie, Maceo Pinkard, Kenneth Casey)
No gal made has got a shade on Sweet Georgia Brown
Two left feet but oh so neat, has Sweet Georgia Brown
They all sigh and wanna die for Sweet Georgia Brown
I'll tell you why, you know I don't lie、not much...
愛しいジョージア・ブラウンに影を落とす娘なんていやしない
踊れないけど手際はいい それが愛しいジョージア・ブラウン
みんながため息ついて 愛しいジョージア・ブラウンのためなら死んでもいいって
俺は正直に話しているんだ 嘘はついてない...
(Words & Music by Ben Bernie, Maceo Pinkard, Kenneth Casey)
No gal made has got a shade on Sweet Georgia Brown
Two left feet but oh so neat, has Sweet Georgia Brown
They all sigh and wanna die for Sweet Georgia Brown
I'll tell you why, you know I don't lie、not much...
愛しいジョージア・ブラウンに影を落とす娘なんていやしない
踊れないけど手際はいい それが愛しいジョージア・ブラウン
みんながため息ついて 愛しいジョージア・ブラウンのためなら死んでもいいって
俺は正直に話しているんだ 嘘はついてない...
歌の内容は、「可愛いジョージア・ブラウンにはどんな娘だってかなわない。脚がとてもきれいなジョージア・ブラウン、彼女が町に来ると聞いてみんな勝手に期待をしていた。いざやって来るとフラれる奴ばかり。フラれていないのは、まだ会っていない奴だけ。可愛いジョージア・ブラウン」というような男から見たマドンナの讃歌である。
shade には「影、日よけ」のほかに a little bit (わずか)という意味もあるようなので、a shade on Sweet Georgia Brown で、「彼女より少しでもイカしたギャルなんていない」というニュアンスになるだろうか。ここは、shade の本来の意味をいかして、「彼女に影を落とす娘なんていやしない」とさせてもらった。two left feet は二本の左足だが、左足二本では踊れないので、ここは can't dance ということのようだ。蚤助としてはこういう表現が比較的好きなのだ。どうやら彼女はダンスができないのに男にモテるらしい。彼女が来ると、そこにいる男たちをみんなさらって行ってしまう。他の娘はお気の毒、というわけで、町の住民は大騒ぎをしている様子。でも、当のブラウン嬢には本当の仲間ができにくいようだ。それでも男たちは彼女の魅力に参っている、という状況であろうか。
この歌、蚤助などは、とりわけ58年のニューポート・ジャズ祭の記録映画「真夏の夜のジャズ」におけるアニタ・オデイの快唱が忘れられない。
このほか定番のエラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーンの両大御所が快調にスウィングするのは当然として、アルバータ・ハンターがこの歌を堂々と歌ったのには心底驚かされた(78年録音)。
ピアノのジェラルド・クック、ドク・チーサム(tp)、ヴィック・ディッケンソン(tb)、フランク・ウェス(ts,fl)ら手練れのメンバーからなるバンドをバックにした見事な歌いっぷりは感動ものである。このとき彼女は何と御年84歳だったのだ!!。
さて、ジョージア・ブラウン嬢はよっぽどの美人だったようだが、そんな彼女に簡単になびいてしまう男どもに対する女性たちの本音がキツイかも…(笑)。
美人だと許す男が許せない