ここの所忙しい日々が続きます。
目が回る・・・とまではいかないまでもかなり仕事のウェイトが高めの
生活です。帰りに電車で本を読みながら途中で寝てしまう状態です。
寝過ごしがかなり増えました・・・。
そんな中、東野圭吾さんの「悪意」という作品を読み始めたのですが
これがまた面白かった。
これまた名作だと思いました。
個人的には「容疑者Xの献身」と同じくらい楽しめました。
この作品は主人公が同じ連作となっていて、「卒業」「眠りの森」に続く3作目です。
無論、東野圭吾さんの作品は前を読んでいないと次が分からないと
いう作品はほとんどありませんので何処からでも読めます。
この作品の面白い所は、比較的早い段階で犯人が分かってしまう所です。
文章の進め方も、ある人間が手記を残していく様に、書く者の視点が変わりながら
ストーリーが展開していく変わった語り方となっています。
犯人が分かった辺りから次第に作品にのめり込み、誠実さ故に犯人に
なったものが、被害者となり同情を誘ったかと思うと、狡猾な真の殺人者と
なっていきます。
登場人物がいくつも殺人を起こしたわけではなく、人の思い込みを
利用して、時には恋愛ドラマを思わせ、時には狡猾な殺人者へと
変化させていくタッチにほとほと感心してしまいました。
また、最初は被害者だった男が、脅迫者となり、そして実は誠実な男と
人格が変わっていく所も見所です。
人の第一印象は見た目や話し方で決まるといいますが、すべからく全てを
あてはめてしまう自分の情けなさを感じつつ、感動させてもらいました。
いい作品に出会うと嬉しい気持ちになります。