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豆男1本勝負

おじキャラ~自由帳~

鏡は知っている

2007-11-28 | 女の事情(小説)

出会いが有って別れがある。
冷めた恋愛より、熱い恋愛の方が別れが早くやってくる。

影の存在を隠し、一緒にいる時の楽しさを選んでしまった場合、
苦しさが、怒涛の様にやってくる。
割り切った恋愛は、いつの間にか寂しさに変わっていく。

いつまでも一緒にいたいと言う気持ちは、変わらない。
でも、その一言が言い出せない。
言ってしまって、終わりになるのが怖いからである。

彼が去った後、女は涙した。
今まで、我慢していた気持ちが一気に噴出してきたのだ。

じゃあ、またね。
笑顔で送り出したが、閉ざしたドアで滑る様に泣き崩れた。

分かっていた事だから....。
何度も心の中で繰り返し、自分を納得させようとするが、涙が止まらない。

グラスに注がれたままのワインを一気に飲み干す。
新しいワインのコルクを抜く。
一人で開けてる姿を想像し、また涙が出てくる。

あたし、何やってるんだろう。。

乱れた顔を鏡で見ながら、正気を取り戻した。

心の隙間を埋めようと、また恋愛をする。

同じ恋愛は二度としない。
っと思ってみても、二度ある事は三度ある。
乱れた顔を何度も鏡で見ながら、成長するのだ。





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黄色いバラ

2007-11-15 | 女の事情(小説)

同期入社は、3歳上の女性。
3歳しか違わないのに、飲むと、この(子)ねぇ、
っと呼ばれる事が気に喰わない。

確かに美人で仕事も出来る。
カナリヤの様な声を聞くと、男連中はウキウキ気分になるものである。

3歳年下で、卒業したて。
まだまだ女の魅力なんて出てこない。
そんな女が、年上の女に勝てるわけがない。
元気こそ命!っと思い、日々仕事に励んでいた。

ある日、客が事務所にやってきた。
客の手には、菓子折り。
その客は、わき目も触れず、美人にお土産を手渡す。
しなやかな声で礼を言う。

客=ノックアウト!!

美人とは仲が良かった。飲みにも行ったし旅行も行った。
嫌いじゃなかった。
でも、心の中では、羨ましいと思う憎悪があったと今では思う。

クリスマス。
お決まりの雪は降っていなかったが、向かいのホテルには
大きなツリーがキレイに飾り付けされていた。
窓の外を見ながら、一服していると、

お届け物で~す。

大量の黄色いバラを抱えて、花屋がやってきた。

受け取り人は、もちろん美人の同僚。
ニコニコしながら、受け取った。

こんなにいっぱいだと、帰り大変だから、少し持っていく?
無情にも美人は、そんな言葉を発した。
別に悪意があって、言ったとは思わないが。

花は、家の花壇に沢山あるから、、、。

断る言葉が見つからない。必死で言った言葉である。


ある年のホワイトデー。
男性に手を引っ張られながら、小走りに歩く美人を見かけた。
何年振りだろう。
声を掛けると振り返る位の距離である。
でも、声は掛けない。
ただ、じっと彼女を見ていた。

黄色いバラの花言葉:可憐・嫉妬・薄れ行く愛・美






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指輪

2007-11-12 | 女の事情(小説)

女にとって指輪は永遠のアイテム、愛の証とも言えるであろう。

キラキラした眼差しで、お互いが見つめあう。
まさにカップルが絶頂の時だ。

そっと差し出された指輪。
何気なく出し、何気なく渡す。

欲しかった指輪。でも自分では言い出せない。
突然差し出された指輪に、ドキドキしながら、

有難う。

さて、その指輪は、何処へ。

二人は、既に別れていた。

当時の思いも今は別世界へ。

そう言えば、あの指輪、どこに行ったんだろう?

宝石箱とも呼べないゴチャゴチャした小さな入れ物に有った。
大切だった指輪は、その他のイミテーションと一緒に入っていた。

あ...。これだ。まだ有ったんだ。

捨ててない事は知っていた。
心の隅にありながら、思い出さない様にしていた。

しばらく指輪を見る女。
じっと見つめながら昔を振り返る。

まっ、もういいっかぁ。

処分を決めた。でもどうしたらいいだろう。

グッドタイミングか、、。
期間限定でショップが入店していた。
近所のスーパーに3日間鑑定士つきの買取専門。

女は、指輪を売った。

どんな気持ちで売ったのだろう。

それは、女しか知らない....。


バイバイ、永遠にサヨナラだよ。





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