カモシカさんの山行記録・旅日記etc.

山は心のふるさと。登山(アルプス~低山まで)・ハイキング・小旅行の気ままな記録です。

槍穂完全縦走の〆:焼岳

2007-09-06 | 山行記録

2007・8・26 最終日「西穂山荘~焼岳~上高地」

 ここまでに至る「槍ヶ岳からの縦走の記録」は、クリックで遡ってご覧ください。

             ↑クリック1

槍穂の縦走は 「穂高」という観点からすれば 西穂を以って終了としてもいいのだが、        ↑クリック2

一連の尾根上にあり、北アルプスの香炉とも称される「焼岳」まで繋げスタート地点の上高地へラウンドするようにした。


噴火で梓川を堰き止めて大正池を形成したのも焼岳だ。

 

日の出と同時のスタートである。テン場脇の狭い登山道を下る。上高地にまっすぐ下る分岐点から右にとり、しばらくはしっとりした樹林の中を行く。

 

何回かアップダウンを繰り返す。膝~腰、場所によっては背丈ほどにもなる笹のブッシュの中を行く。足元が見えないところもある。昨日までの岩稜歩きとはだいぶ勝手が違う。まるで南アルプスのマニアックな山のようだ。

 

所々展望が得られる。遠く西穂が眩しい朝日に照らされる。

 

霞沢岳も朝日の中に独特な雰囲気をかもし出す。

 

開けたところでは、足元にアザミの花。

 

秋の訪れを予感させる雲。横から朝日を浴びる穂高。
前穂~吊り尾根~奥穂~ジャンダルム~西穂と縦走してきたラインが全て見渡せる。

 

槍見台付近から笠ヶ岳が右手に見え始める。

 

穂高の奥に三角の槍の穂先が見える。

 

新中尾峠から分岐を右へ。樹林に邪魔されないきれいな焼岳が姿を見せる。

 

焼岳展望台と呼ばれている小高い丘。ここからの焼岳は素晴らしい!
周囲の柔らかい緑と荒涼とした岩肌とのコントラストが青空にいっそう映えて印象に残る場所である。

 

以下、展望台からの眺め。

 

 

 

今まで歩いてきた縦走路が全て見えている。感慨無量である。

 

右に笠ヶ岳を見ながら

 

火山であることが直に感じられる登山道を登る。

 

山頂直下から見上げる。飛騨山脈で最も活動の激しい活火山であることを示す溶岩ドームと立ち上る白煙。硫黄の臭いが生きている山を実感させる。

 

 

迫力の溶岩ドーム。噴口に手を伸ばせば触れそうなところまで近づける。

 

安全な風向きを狙ってパシャリ!

 

焼岳のテッペンである!本当の最高点は南峰であるが立ち入り禁止なので北峰の一番高いポイントに立つ。

 

北峰の山頂広場から。穂高と千晴。

 

北峰と南峰の間にある火口湖

 

乗鞍がすぐ近くに見える。

 

上高地も俯瞰できる。

槍穂のすぐ隣にありながら全く趣の異なる焼岳。火山性硫化水素ガスには用心しながらものんびりした。

しばし展望を楽しんだら、新中尾峠間までは同じ道を下る。

 

展望台付近にはリンドウがわんさか咲いていた。この日はまだ蕾が開ききっていなかった。緑の笹を下り、

 

村営焼岳小屋前を通り、斜面を下り、やや単調と感じられる樹林の道を下る。時々鉄梯子やアルミ製の梯子がある。

小さな沢を渡ると、ほどなく焼岳登山口の看板がある林道に降り立つ。

田代橋までは約1キロ。

 

田代橋に向けて林道を歩き始めると

緊急事態発生!

林道脇のクマザサが重量感ある音と共に波のように大きく揺れた。

まさか? いざとなると足が動かない! 目だけは動きを追っている。

ガバっと笹が割れて予想通りの黒い塊が姿を現した!  「クマだ!!」

とっさにストックを持った両手を大きく広げた。

クマもビックリして弧を描くように向きを変えて山の方へダッシュで登っていった。

一瞬の出来事であった。馬の背の下りやジャンダルムよりも肝を冷やした。

今回の山行で1番怖かった。稜線よりよっぽどビビりました。

岳沢登山口に「熊出没、目撃情報あり」の看板があったが、山中ではクマの気配はなく こんな開けたところで、観光客と目と鼻の先でバッタリするとは思いもしなかった。

記念撮影をしている観光客のいる田代橋まではほんの数分。この間は周囲に特に注意を払って歩いた。途中、クマ糞を6ヶ発見! ゾクゾクっ。
改めて、野生動物の縄張りに人間のほうがお邪魔しているのだと実感した。

 

梓川左岸沿いにバスターミナルを目指す。左には縦走してきた穂高の稜線が全て見える。

 

ジャンダルム~天狗・間ノ岳

 

吊り尾根~奥穂~ジャンダルム

 

低山も、高原も、お花の山もそれぞれ好きである。全ての峰に憩いありである。
しかし、夏山には北アルプスがよく似合う。

とりわけ、穂高には思い入れが深い。大好きな穂高。槍も含めて今夏も縦走ができてよかった。
いつまでもいつまでも眺めていたい風景である。

ゆっくりゆっくり歩く。何度も何度も立ち止まって山を見る。

「山よ さよなら   またくる時にも 笑っておくれ」 と手を振るのであった。

 穂高よ さらば またくる日まで     涸沢 さらば またくる日まで
 奥穂に映ゆる  あかね雲         横尾へつづく  雪の道
 かえりみすれば 遠ざかる        かえりみすれば 遠ざかる
 まぶたに残る  ジャンダルム       まぶたに残る 屏風岩

 滝谷 さらば またくる日まで      岳沢 さらば またくる日まで
 北穂へつづく  雪の道          前穂をあとに  河童橋
 かえりみすれば 遠ざかる       かえりみすれば 遠ざかる
 まぶたに残る  槍が岳          まぶたに残る  畳岩

                      2007夏 槍穂縦走記録:<完>

 

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17 コメント

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焼岳 (やまとそば)
2007-09-06 12:50:18
槍穂から焼岳までつなぐ人って多分あまりいないですよね!(同じ山行の中で・・・)特に、穂高のジャンのコースを歩く人はそのまま降りてしまいそうです。焼岳は今年の7月に行きましたが、展望台から見るその姿は格好良かったです。槍穂に隠れた様な山に感じられますが、焼岳そのものも良い山だと思います。
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Unknown (hiro)
2007-09-06 22:34:13
一番怖いもの。。
熊さん^^;

人間と戦っても、まあまあ、互角かもしかしたら、勝ち目はあるけど、熊さんはどお考えても無理だな~・・・
コレをもっと早くリアルタイムで「たけ小屋掲示板」に書いてくれたら、いいのに~っ!

でも、ご無事でなによりですよ。。。。。
返信する
初めまして (りん)
2007-09-07 10:57:32
gooでブログを書いているりんと申します。
縦走で検索してずっと辿っておりましたら、
カモシカさんの槍穂縦走の記事を見つけて全部読ませて頂きました。
写真が豊富で圧倒されました。
よくこれだけ沢山、そして細かく詳しくレポされているなあとただただ驚いています。
写真がどれも綺麗ですね。景色もお花も・・・。
私も昨年9月にこのコースの逆からですが、歩いてきました。
ウマの背の下りが怖そうで、西穂から奥穂を登りの展開にしたかったからです。
北穂の登り、南岳の登りはバテてトボトボ歩きでした。
このコースとても詳しく書かれていらっしゃるので、今後何度も拝見させて頂きますね。
もしよろしかったら私の縦走も見ていただけると嬉しいです。
ただこの頃は、ブログなどとはまだ縁がなく、写真も景色より自分の写ってるものばかりで恥ずかしいのですが・・・。
私みたいのがコメントしていいのかなと思いましたが、勇気を出してコメント書かせて頂きました。
突然ですみませんでした。

http://blog.goo.ne.jp/rinrin1104/e/23e206665b8fcc9bede0b9925c54220d




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やまとそばさんへ (カモシカ)
2007-09-07 22:42:08
そうですね、このパターンで焼岳まで足を延ばす人とは少ないです。
上高地から見渡せるんですから行っちゃいましたけど。
焼岳だけ単独でも日帰りで何回か登っています。
独特な雰囲気の良い山です。
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hiroさんへ (カモシカ)
2007-09-07 22:49:31
一瞬の出来事で性別は?だけど、熊くんにしておこよ!たけ小屋にも熊さんいるから(笑

「コレをもっと早くリアルタイムで「たけ小屋掲示板」に書いてくれたら、いいのに~っ!」=あっ、そうだったの。皆さん山行記よりこういうネタがお好み?  それではhiro広報部長“たけ小屋掲示板”に投稿お願い致します!ヨロシクです!
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りんさんへ (カモシカ)
2007-09-07 23:17:47
丁寧なコメントありがとうございます。
こちらこそ、よろしくお願いします。

縁を感じましたよ!だって、昼休みにぴかさんのブログを読んでいて偶然にも「りんさん」のコメントや記事のツマミ食い読みしていたんですもの。後で自分のブログを開いたら、なんとりんさんのお名前が!驚きました!山でバッタリではなくて、初対面の者同志が同じ日に互いのブログを見合っていたなんて!!

もちろん、りんさんの縦走記も拝読。テントで凄い!
馬の背を登りにとると楽ですね!
更にクライミングや雪山まで。(滑落・ヘリも)
私の方こそいろいろ教えてね!
ダンプさんはスノーシューデビュー時のリーダーでした。その前に、お話もしてますが。<マイネームと店名は偶然重なってるだけ>
?ですが、りんさんのコメント欄に私と全く同じnameの方がいてびっくり。どういう方なのかな?
私は穂高大好きな方です。山頂でよくジャンプしてる方です。相棒の千晴と一緒の方です。
コメントしたとき区別つくかなぁ?
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Unknown (たけさん)
2007-09-08 01:08:40
縦走完結お疲れ様です~^^
槍穂から焼岳までですか。繋げられるもんなんですね。ほほー。

熊はそんな近くで出会ったんですか。そりゃ怖い!!足ががくがくになりますね。。この夏、烏帽子で見たのは、お花畑で遊んでいるやつで遠くだったから、動物園?のように眺めてました。
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お返事ありがとうございます♪ (りん)
2007-09-08 10:44:00
驚きました!同じ日にお互いのブログを読んでいたんですね。

ぴかさんのブログは、5月終わり奥多摩の長沢背稜の記事を私が検索で…。

それ以来、時折コメントさせて頂いていました。

今気づきました!

ぴかさんブログのコメント欄に、カモシカさんのお名前が度々ありました!

以前からカモシカさんには、お会いしていたことになるのですネ♪



私のブログに書いて下さっているカモシカさんは、走り屋さん!(山岳ではないです。)

ウルトラマラソンをされる方で、山で偶然お会いし、帰ってから、やはり検索で私のブログを見つけてコメント下さるようになった方です。



千晴さんって?奥様ですか?

ジャンプしている写真には何度となく爆笑させて頂きました♪



これからも遊びに寄らせて下さいね!

長くなってすみません。

岳沢でヘマをやったりんでした(@_@;))
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千春さん (りん)
2007-09-08 11:48:48
わぁ~~~、千春さんはキツネさんでしたネ
ゴメンナサイ!!
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Unknown (ぜいぜい)
2007-09-08 20:52:14
わあ、焼岳って穂高のいい展望台ですね。
ところで、上高地で熊に遭遇ですか、至近距離だととっさにどうしていいかわからないですね。いい判断だったですね。それにしても、朝夕じゃない時間にそんな下まで来ているなんて、人を恐れていないのかなあ。ちょっと怖いですね。
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