Kenの遊々気まま日記

山登り、マラソン、旅、演劇鑑賞、写真撮影など趣味の活動を中心に、気が向いた時に不定期に更新していきます。

入笠山&福寿草の里

2014年03月22日 | 山登り

 昨年末に北八ヶ岳の北横岳に登って以来、雪山の美しさに魅了されてしまいました。厳冬期の北アルプスなどはとても無理だけれども、少しずつ簡単な山から挑戦してみたいと、このところ冬山装備をちょっとずつ揃えています。自分は形から入るほうなので、いろいろ欲しいものはあるのだけれども、なんせ冬山の装備はどれもお金がかかるので必要なものから順番に・・・。そして、冬用(残雪期対応)の登山靴と12本爪アイゼンをつい先日購入。買ったからにはさっそく試してみたいということで入笠山に行ってきました。

 入笠山は標高は1955mとかなりの高さですが、山麓には富士見パノラマスキー場があって、そのゴンドラを利用すれば一気に標高1780mまで行けるので、200m弱登るだけという超初心者向けの冬山というかトレッキングコースです。

 スキー場のゴンドラの運行開始時間が8時30分ということなので、8時ちょっと過ぎに駐車場に着くと、すでにスキーヤーやボーダー達でかなり混雑しています。登山者と見受けられる格好の人も数名います。ゴンドラのチケットを購入して乗り場に向かおうとしますが、いまいちルートがわかりません。あっちへぐるぐる、こっちへぐるぐるしているうちに時間がたち、ようやく乗り場に着くと、すでに運行開始時間を過ぎていて、列もできていました。ちょっと待ってからスノーボーダーと一緒にゴンドラに乗り込みます。天気は最高!、高度が上がるにつれて正面には八ヶ岳がその姿を現します。
 ゴンドラから八ヶ岳

 10分ちょっとでゴンドラ山頂駅に到着。スキーヤー達の脇を抜けて、トレッキングコース入口の看板に向かいます。看板の前で準備運動をして、さっそく12本爪アイゼンを装着します。セミワンタッチ式で6本爪よりも簡単です。準備運動と道具の確認をして、まずは林道を登っていきます。前後にも数名の登山者がいて安心です。
 15分ほど歩くと入笠湿原の入口の看板があって、トレースに従い湿原に入っていきます。基本的に夏のコース上を歩いているようですが、当然ロープなどは雪に隠れていますし、スノーシューの人はどこでも入っていっているので道はあってないようなものです。踏み抜きをしなよう一番はっきりしたトレース上を進み(たぶん最短コース)、湿原を渡り終わって一段上がったところが山彦荘。ここにはトイレもあって、冬山トレッキングには至れり尽くせりのコースです。
 入笠湿原(山彦荘前から)

 ここからまたしばらく林道を歩いてマナスル山荘に向かいます。山荘の前からは本格的な登山道が始まり、左側に元スキー場だった斜面を見ながら樹林帯をジグザグに高度を稼いでいきます。登るほどに展望も開けてきて八ヶ岳の山が再び姿を現します。山頂が近いと思われる最後の斜面はとにかく壁のような急勾配です。良い具合にアイゼンの練習にもなって登り甲斐があります。しっかり踏み込んで爪を効かせないとずり落ちてしまいます。
 最後の急勾配

 急勾配をゆっくり登ること約10分、ゴンドラから約1時間で入笠山山頂に到着。山頂は360度の大パノラマが拡がります。天気も最高で、富士山、八ヶ岳はもとより南アルプス、中央アルプス、そして北アルプスまで見渡すことができます。初めての山頂、こんな展望は予想していなかったのでこれには感激です。
 山頂到着(バックは中央アルプス)

 八ヶ岳     富士山

 南アルプス(左・甲斐駒ケ岳、中央右奥・間ノ岳、右・仙丈ケ岳)

 北アルプス①(左・穂高連峰、中央・槍ヶ岳、右・常念岳)

 諏訪湖の奥に北アルプス②(鹿島槍ヶ岳、白馬岳)

 山頂で1時間ほど展望を楽しみ、下山は元来たルートを戻ります。急斜面ですが、アイゼンが締まった雪にしっかり食い込んで安心して下ることができます。ただ、アイゼンに慣れていないため、時々爪がズボンの裾に引っかかり、危ない場面も・・・。実は、アイゼンで一番危険なのがこの爪をズボンなどの裾に引っ掛けて転倒、滑落することだそうです。それを防ぐためにも両足の間を10センチくらいあけて歩くのが基本だそうです。
 樹林帯の途中から、元スキー場だった斜面に出られたので、帰りはその斜面を下ります。何もない真っ白な斜面を青空のもと歩くのはなんと気持ちが良いのでしょう。天気が良ければ冬山の景色は最高だと思いました。
 元スキー場の斜面を下る

 帰りは40分ほどでゴンドラ山頂駅まで下山。スキー場の下りゴンドラは全く乗客がいません。そういえば自分がゲレンデスキーをやっていた時は、下りリフトに乗るのは滑れなかった人というイメージだったので、ちょっと下りに乗るのは恥ずかしい。なぜか下りのお客には「おしぼり」のサービスがありました。

 

 さて、まだお昼前の時間、この良い天気このまま帰るのはもったいない。そういえば松本市四賀の福寿草が見頃を迎えているらしいという情報がありました。ちょっと遠いですが高速を使えば1時間かからないで行けそうなので、そちらに足を伸ばします。(もともとその予定で撮影機材持ってきています)

 福寿草の群生地は、今年は雪が多かったためいつもより開花が1週間ほど遅れているとのこと。陽のあたる斜面ではほぼ見頃を迎えていますが、まだ雪の残る斜面もけっこうあって、そちらはこれから楽しめるとのことでした。ここの福寿草の群生地でも「福寿草まつり」みたいなことをやっていますが、簡易的な建物での売店や駐車場などは町内会と思われる人達が運営していて、とても暖かな雰囲気です。福寿草はカタクリなどと同じように日中太陽が高い時間は花を開かせますが、朝夕は花を閉じてしまうので時間を気にしながらの撮影になりました。
 斜面を黄色に埋め尽くす福寿草    雪の中から花を開かせます

 

 雪山と福寿草、ちょっと急ぎ足になってしまいましたが全く違った景色を一日で体験した充実の一日でした。


週末パス 鉄道旅 2日目(越後~東北編)

2014年03月09日 | 旅・ドライブ

 今日は新潟から山形を経て、仙台へ、最後は仙台から新幹線で東京に戻る予定です。当初は新潟から米坂線で内陸の米沢に出て新庄へ北上しようと考えていましたが、昨日は長く山間部を走っていたので今度は海が眺めたくなり、急遽予定を変更して日本海を酒田まで北上して、そこから最上川沿いに内陸の新庄を目指すことにしました。これのほうが海も眺められる上、予定より1時間近く早く家にも帰れます。

 朝6時、まだ明けやらぬなかホテルを出て新潟駅へ向かいます。朝ごはんは列車の中でと思ってコンビニでおにぎりなどを買い込んで列車に向かうと、なんとロングシートでした。それでも6両もつながった列車には乗客もまばらで食事している人もいたので、周りを気にしながらもおにぎりを頬張ります。
 6:08新潟駅を出た列車は、すぐに広大な阿賀野川を長い鉄橋で渡り、地方都市の郊外らしい住宅と畑がまばらに拡がる中を行きます。天気予報ではあまり良い予報ではありませんが、青空も拡がってきて、遠くに飯豊連峰の白い山並みも見えます。
 新発田を3分の乗り継ぎで、6:49発酒田行きのディーゼルカーに乗り換えます。2両連結の後ろの車両に乗ってから時刻表を見てみると、途中の村上駅で行き違いや通過待ちがないのに6分も停車するので、もしやこの列車も後ろの車両を切り離し?と心配になり車掌に確認したところ、このまま酒田まで行くとのこと。せっかく海側の座席を確保できたのでホッとしました。

 村上駅を過ぎると、左車窓には日本海が拡がってきました。冬の日本海というとどんよりした雪雲に覆われ暗いイメージですが、今日は青空も見えて海も穏やかです。このあたりは笹川流れと呼ばれる岩と海の織り成す日本海でも有数の景勝地で、こんなに長い時間海を見られるなんて、こちらのコースにして正解でした。良い写真が取れないか前の方を見たり後ろを振り向いたりと不審な行動をする私を、近くにいた若い女性は怪訝そうに関わらないようにしているようでした。
 車窓には笹川流れ
 鼠ケ関で山形県に入りますが、まだまだ日本海は続きます。1時間以上日本海を堪能して、温海温泉を過ぎると徐々に海から離れていき、それと変わるように右側の車窓には月山が見えてきます。陸羽西線と合流し、最上川を渡ると今度は前方に鳥海山が見えてきて、9:30終点酒田に到着しました。

 次の陸羽西線の出発まで15分ほどあったので、駅に併設されている物産館を覗くと、庄内地方の特産品である「だだちゃ豆」を使ったお菓子やスイーツが数々あります。いろいろ悩んで、列車の中でもつまみやすそうな「オランダせんべい」を買って2両編成のディーゼルカーに乗り込みます。
 ほんの数人のみの乗客を乗せて、9:47酒田発。さっそくオランダせんべいをつまみます。庄内米を使った薄焼きのサラダ味のこのお煎餅、かなりイケます。お土産用にもっと買い込んでおけば良かったと思いました。あとから調べてみると、東北地方で限定の人気のお菓子だそうです。
 オランダせんべい
 陸羽西線の列車は左に最上川を見ながら内陸部に向かっていきます。「五月雨を集めて早し最上川」と芭蕉が詠んだように、最上川は日本三大急流のうちのひとつですが、車窓からはあまりそんな感じはしません。最上川の急流を楽しむ最上川ライン下りといる川下りもありますが、この寒い時期はさすがに行っていないようです。そのかわり、内陸部に進むほどにまた積雪が増えてきました。
 最上川

 10:54新庄駅に到着します。新庄駅は太平洋と日本海を結ぶ路線と、山形と秋田の南北を結ぶ路線とが交わる交通の要所で、山形新幹線の開通により新しい駅舎に生まれ変わりました。次の列車の乗り換えまで30分あるので、ここの駅蕎麦を楽しみにしていたのですが、なんと去年の5月末で閉店したとの張り紙。朝、簡単におにぎりを済ませただけなのでお腹も空いていたので、隣の地域物産店みたいなところで、お弁当を買って、陸羽東線に乗車しました。
 新庄駅の近代風の駅舎
 11:24新庄駅を出発した列車は、最上川支流の小国川沿いを上流に向かっていきます。右側には小国川、左には遠く栗駒の山を見ながら青空のもと開放感のある景色の中を走ります。この列車も先ほどと同じように数名の乗客しかいなくて、景色の良い方を左右の座席を渡り歩く、落ち着かない客になってしまいました。
 左に栗駒山        右に小国川

 山形県と宮城県の境でもある分水嶺の中山峠を越えると、まもなく鳴子温泉駅に到着します。ここで途中下車し、温泉番付で東の横綱とも呼ばれる鳴子温泉に立ち寄ります。向かったのは義経ゆかりの湯の提灯のある「姥の湯」。

 この日帰り湯を選んだ理由は、なんと一つの宿で4つの源泉があるということです。本来は外来者は3つの湯までで、義経風呂は宿泊者専用とのことでしたが、今日はお客も少ないので義経風呂も入浴可能とのこと。幸い他の来館者は自分のほかに1組だけ。お互い4つを廻っているので、ずっと各温泉を独り占めできました。ただ次の列車まで1時間30分ほどしかないので4つ入るのはかなり忙しいです。ひとつの湯を10分ほどで次の湯へ。まるで温泉リレーです。でもどの湯もとても良くて、ぜひ今度はゆっくり泊まって楽しみたいところです。
 啼子の湯(重曹泉)      こけし湯(硫黄泉)

 亀若の湯(単純泉)     義経風呂(芒硝泉)

 鳴子はこけしの里としても知られ、温泉街周辺にはこけしのオブジェがあったり、専門店も数多くあります。しかし昼間みればなかなかかわいいとは思うけれど、夜見たら怖いかも・・・。
 こけし通り     歓迎!鳴子温泉

 出発5分前に駅に戻り、小牛田に向かいます。山を下るほどに積雪が少なくなり、東北新幹線との接続駅古川駅あたりになると、全く雪もなくなりました。住宅の数も多くなってきて、15:03小牛田着。ここで東北本線に乗り換えて仙台に向かいます。ここまで来るとローカル線の雰囲気はなくなり、仙台近郊の通勤列車という感じです。途中松島湾をかすめますが、あまり海も見えませんでした。東日本大震災依頼、宮城県に来るのは初めてになりますが、このあたりはそれほど被害も大きくなかったのか、列車から見る限り通常の町に戻っているようで一安心です。高層ビルが多くなり、左に東北新幹線の線路が並走してまもなく、仙台に到着します。

 まだ17時前ですが、せっかく仙台に来たのだからやはり牛タンを食べて行きたい。幸い駅ビルには牛タン通りという数件の牛タン専門店が軒を連ねる場所があって都合が良い。その中の一軒「喜助」に入って少し早いけれども旅の無事終了祝いを一人で行いました。
 牛タンにはビールでしょ

 旅の最終ランナーは東北新幹線。はやぶさ車両の仙台発やまびこが丁度良い時間にあったので、それに乗ります。新幹線に乗るのは数年ぶりですが、その速さと静かさに感動します。まあ、今までがローカル線ばっかりだったので、そのギャップが大きかったからでしょう。仙台では3割ほどの乗車でしたが、福島、郡山でかなりの乗客があり、ほぼ満席状態で東京に向かいます。仙台からたった2時間、19:56に東京駅に到着しました。
 旅の最終ランナーは「はやぶさ」型車両の東北新幹線

 本当に久しぶりの鉄道での旅行。のんびりとした旅行をと思っていましたが、車窓を楽しんだり、他の乗客を観察したりしているとあっという間に旅が進み、意外とゆっくりできなかったです。時刻表で旅を想像するのも楽しかったし、各地の美味しいものを食べること出来て、この値段で充実の2日間でした。


週末パス 鉄道旅 1日目(信州~越後編)

2014年03月08日 | 旅・ドライブ

 随分昔の学生時代、まだ運転免許を取る前は長期休暇のたびに鉄道旅行に出かけ(今で言う乗り鉄)、たぶんJRの7割くらいは乗ったのではないかと思う。場合によっては全線完乗なんてものも夢ではなかったのであるが、自分の車を持ち、仕事に就くと、のんびり鉄道旅行なども出かけなくなり、もっぱら車でのドライブや飛行機を使っての旅行ばかりになってしまいました。
 この冬、久しぶりに鉄道旅行をしてみようと思い立ち、10数年ぶりに時刻表を買っていろいろ見てみると、JR東日本では土日の2日間、信州から南東北まで乗り放題で8,000円という週末パスなるものがあります。しかも特急料金を払えば新幹線にも乗れるというかなりお得な切符です。やっぱり冬ならば雪国に行ってみたいということで、信州から越後、東北と周る、食と温泉とローカル線を楽しむ計画を立てました。
 本当は2月に予定していましたが、関東の大雪により延期、3週間遅れの3月になってようやく実現しました。
 週末パス

 最寄り駅の海老名駅からスタート。相模線で橋本駅に向かい、ここで横浜線に乗り換えて八王子駅へ。ここまでは、東京近郊で、自分の生活圏内なのでまだ旅先に向かう途中といった感じです。
 八王子駅で6:35発の中央本線普通電車に乗り換えます。座席もボックスシートになり、ようやく旅の雰囲気になってきました。実は、この電車は八王子駅から信州・松本駅までの長距離普通列車で、乗り換えなしで甲信地域の山へ向かえるため登山者には便利な列車です。先日自分が高川山に行った時もこの列車を利用しました。今日も多くの登山客が乗っています。隣に座ってきた登山者にどこの山に行くか訪ねましたが自分の知らない山で、大月駅で降りて行きました。
 勝沼ぶどう郷駅を過ぎると、左側の車窓には甲府盆地とその向こうに南アルプスが望めます。鉄道旅行をしているのがもったいないような快晴で、北岳はじめ雪を抱いた峰々がはっきり見渡せます。
 甲府盆地の向こうに南アルプス
 甲府駅で多くの乗客が入れ替わって、さらに西に列車は進みます。日野春駅で特急列車の通過待ちによる7分停車。雪が残るホームからは甲斐駒ケ岳と鳳凰三山が目の前に迫り、多くの乗客がホームに降りてカメラを向けていました。

 小淵沢駅(9:01着)で下車して小海線に乗り換えます。小一時間待ち時間があるので駅前に出ますが、ほとんど何も見るものもなく駅弁を購入して早めにホームに向かいました。ちょうどタイミングよく折り返しの列車が入ってきたところでした。発車時刻近くになると、乗り継ぎの特急から多くの人が乗り換えてきてあっという間に車内は立つ人もいるほどになりました。9:57小淵沢を出発。自分の座席の周りにはまたもや登山客の団体に囲まれてしまいました。聞こえてくる話だと、廻目平から金峰山に登るらしく、登山靴や荷物を見ても冬用の重装備です。喘ぐように坂を登っていき、清里駅を過ぎると山梨県から長野県への入ります。続く野辺山駅はJR駅の最高所の駅です。清里駅、野辺山駅でかなりの人が降りていきました。このあたり左車窓には八ヶ岳が見えるはずですが、残念ながら麓まで雲がかかっていて見ることができません。信濃川上駅で金峰山に向かう登山客が降りて、車内は一気に閑散となりました。ここで小淵沢駅で購入した駅弁を広げます。「やまごはん」という名のとおり、登山の時に向きそうなおにぎり3つとおかず少々が入っていました。旅の駅弁としてはちょっと寂くて、別のにすれば良かったとちょっと後悔します。
 小淵沢駅弁「やまごはん」
 佐久市に入ると、徐々に女子高生が乗ってきます。長野新幹線との接続駅の佐久平駅はローカル線の駅とは思えない立派な駅舎で、周辺も佐久市の新市街地になっていて、大型商業施設などもあってかなり賑わっています。右側の前方には浅間山が見えてきました。
 浅間山
 駅ごとに乗ってきた女子高生は小諸の2つ手前の乙女駅で降りて行きました。女子高生で乙女って、あまりにも出来すぎではないかと思います。

 12:05小諸駅到着。ここでも1時間弱の時間があるので、駅近くにある懐古園に行ってみます。懐古園は小諸城の跡で、島崎藤村の「千曲川旅情の歌」(小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ ・・・)で特に有名です。20年以上も昔に訪れて以来なのでほとんど記憶にありませんが、駅との新しい連絡橋ができていました。園内は雪解けでかなりぬかるみ状態で、時間もあまりないので島崎藤村の歌碑と千曲川の流れだけ見て戻ります。
 懐古園

 小諸からは長野新幹線開通によりJRから切り離されたしなの鉄道という第三セクターで長野駅に向かいます。JR管内ではありませんが、週末パスは周辺私鉄や三セクも使えるので便利です。天気がよくて車内はポカポカ、周りに見える景色もほとんど雪がありません。長野でもこの佐久平は雪が少ないところのようです。次の長野駅での飯山線への乗り換えはたったの2分、しかも三セクからJRへの乗り換えなのでかなり不安ですが、列車はちょっと遅れ気味です。

 長野駅に2分遅れの14:03着。飯山線のホームは同じホームの先の方で、急いで走ります。このようなとき、走っていて良かったと思います。果たして飯山線は乗り継ぎを待ってくれていて、なんとか無事に乗車できました。

 長野駅を出発してしばらくすると右側に千曲川が近づいてきます。この先飯山線は、この千曲川沿いを走っていきます。飯山線は日本随一の豪雪地帯を走る路線として有名ですが、このあたりはまだ雪は少なめです。
 千曲川沿いに走る

 14:50飯山駅で途中下車します。飯山駅は北陸新幹線開通により新駅舎に移るということで、現在のホームから新しい新幹線駅を見ることができます。飯山は寺の町としても知られ雪国の小京都とも言われています。ホームには鐘があって、駅舎は社寺を模した素敵な造りです。この駅舎がなくなってしまうのは残念です。
 現在のホーム(鐘がある)新幹線駅を望む     社寺を模した現在の飯山駅舎

 飯山でもう一つ楽しみなのは「バナナボート」です。まったく知らなかったのですが、ある旅番組で紹介していて、今回ぜひ食べてみたい。「バナナボート」とは湖のボートではなくて・・・(笑)、生クリームとバナナをスポンジ生地で巻いた飯山で生まれたスイーツです。飯山市内のいくつかの店舗で扱っていますが、今回は喜楽堂という和菓子屋さんでいただきました。ちょうどお腹も空いていて、おやつの時間だったのでグッドタイミング。さっぱりしていて美味しかったです。
 バナナボート
 飯山といえば、社寺と関連して全国有数の仏壇生産の町でもあります。市内には11軒の仏壇店が軒を連ねる仏壇通りというのもあります。いろいろな商店街に行ったことがありますが、これは衝撃的です。しかも雁木造りの屋根は、仏壇通りの雰囲気にもぴったりです。仏壇通りの裏手には特に社寺が並んでいます。
 仏壇通り    雁木造の屋根

 隣の北飯山駅15:53発の列車で先へ進みます。なんとこの列車3両も繋いでいます。前2両は結構な乗客で、一番後ろの車両が空いていたのでそちらに移動します。しかし、2つ先の戸狩野沢温泉駅で一番後ろの車両を切り離しとのアナウンス。また前の車両に戻ります。
 外は雪がちらつきはじめ、沿線の積雪量がだんだん多くなってきました。気がつけば豪雪地帯の真っ只中を走っています。
 新潟県境の森宮野原駅で列車交換のため4分の停車。この森宮野原駅、日本の駅で最も積雪を観測した駅で、その記録は昭和20年2月の積雪7m85cmだそうです。
 日本最高積雪駅の碑(てっぺんが最高積雪量だそうです)    森宮野原駅停車中

 新潟県に入り、千曲川は信濃川の名前を変えますが、相変わらずの豪雪の中を列車は走ります。沿線の家の1階部分の窓は木で塞がれているものもあって、2階に梯子がかけられている家もあります。積雪が多くなると、雪が窓を超えて積り窓が割れるのを防ぐためと、2階から出いりするためだそうです。
 外はうす暗くなってきて、駅に停車しますが乗客の乗り降りも全くない駅が続きます。何もない車窓に、時々見える家の灯がとても暖かく感じます。久しぶりに街が現れた十日町駅でさらに乗客は減り、車両には鉄道旅と思われる数人が残るのみです。
 17:59、終点越後川口駅に到着。上越線との乗り換え駅ですが、駅の周辺には数件の家のほか何もなく、ほとんどの乗客が上越線に乗り換えます。
 夜の帳が下りる越後川口駅

 長岡駅でさらに快速列車に乗り換え、今日の終点新潟駅に19:29到着しました。

 さて、新潟といえば日本海の海の幸!そして日本酒!。ということで、時間も時間ですし、事前にチェックしておいたホテルの近くの「富寿し」に向かいます。
 まずはこの時期旬の「ほたるいか」に日本酒「麒麟山純吟」

   日本海の幸「のどぐろ」「ずわいがに」などのお寿司

 新潟名物「のっぺ」

 せっかくの機会なのでケチケチしないで、好きなもの、気になるものを食べたり、飲んだりしたら、ホテル代よりも高くついてしまいました(笑)
 明日の朝も早いので、ホテルに戻ってシャワーだけ浴びて、すぐに就寝です。