シカゴ通信

つれづれなるままに、シカゴでの生活を記録します

金井 寿宏 「リーダーシップ入門」

2005-04-28 01:49:29 | Thought
Chicago Asia Pacific のCo-Chairになってから、とりわけ、組織を実際に動かすことについて、色々と考えることが多い。これまで考えていたあるべきやり方、そして、自分自身修正しなければならないやり方、まだまだ身についていないリーダーシップ性、など、結構いいトレーニングになっている。

で、春休みに日本に帰国したときに買った金井 寿宏 「リーダーシップ入門」をゆっくりと読み始めているのだが、非常にためになる。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/453211053X/250-3086581-5413005



以下、思うところを書いてみよう。

「リーダーシップがそこに存在するかどうかを見極めるための問い」
  a. 喜んでついてくるフォロワーがいるか
  b. そのフォロワーは、受動的でなく能動的・自覚的に、喜んでついていくことを選んでいるか

フォロワーの側にも、能動性・自覚性が求められるという考えは、従来のリーダーシップ論にはあまりなかった考えらしいが、自分はどちらかというと「サポーティブ・リーダー」あるいは、旗振り役を実際に支える役としてのリーダー、すなわち自覚的・能動的フォロワーとしての役割が得意だったと思っている。(ただ、実際にはイケイケの時も多かったが)
ではさらにtransformして、良いリーダーになるためには何が必要なのか。自分に何が足りないのか。

雄弁であることか?
私は雄弁が必ずしもリーダーになるとは思わない。ガンジーは、「言葉が少ないおかげで、本当に深い思考に基づいていることでなければ、口外しなかったことがよかった」と言ったらしいし、私もどちらかというとあまり話すが巧くない。

地位か?立場か?人事権か?
立場や人事権によって、部下は言うことを聞くだろう。しかし、それは本当のリーダーシップなんだろうか、という疑問はずっと持っていた。この本を読み進めて思うのだが、やはりおなじようなことを書いてある。リーダーシップは、肩書きではない、ということだ。突き詰めれば、「後ろを振り返ると喜んでついてきてくれるフォロワーがいる」という「信頼性」(credibility)をどこまで自分が(肩書き抜きで)獲得しているか、ということだ。逆に言うと、会社組織の中では、地位・立場・権限などの付随物によって、案外「オレって、リーダーシップ獲得しているな」と勘違いしてしまう可能性も大いにある、ということだ(そういう事例は沢山見てきた)

キーワードは、肩書きに頼らない人間力をつけること。その意味でも、ほとんど利害関係がなく、リスクもないような学校という装置の中での「リーダーシップ経験」というのは、大きな訓練になると思う。


あと、この本では、後々、ロジャー・エンリコ(Pepsico)、ジャック・ウェルチ(GE)、小倉昌男、松下幸之助のリーダーシップについて触れる。新書とはいえ、結構骨太。お勧めの書物。今後、こっちの方向をやや集中的に読んでいこう。

最新の画像もっと見る