絵画との出会いから

絵を始めた動機、作品の思い出、絵の仲間との出会い、支えてくれた家族との思いなどを、絵画作品とともに記録するブログです。

自分が好きな絵とは

2015-01-15 16:26:04 | 日記
今年も早や寒中お見舞いの時期になってしまった。
今回は自分が好きな絵とは、自分が描きたい絵とは何かについて整理してみたいと思う。
30年以上も絵を制作してきたが、まだ本当に自分が描きたい絵を描けていないように思う。それがいつも良い絵をみたり、技法を学び制作し続ける意欲になっているのかも知れない。しかし、ここにきて自分が描きたい絵とは何か、どういう絵が好きな絵なのかを整理してみることが必要であると思った。
自分が描きたい、良い絵と思う条件
その① その絵に“動き”があること(画面の中に動きや思いがあること)
その② “色彩”が豊かであること(多色であることとは違う、色の深みである)
その③ その絵から“空気(雰囲気)”が感じられること(音が聞こえることでも同じ)
その④ その作者の思いや物語があること。
以上が私なりの追求したい絵画の条件である。
その④は絵を観る側の観点であるが、今回は自分の絵にこのような思いを込めて描いた絵があるので記録しておきたいので取り上げてみたい。

「家族」
この絵は油絵を始めたころに描いた家族の風景である。
妻はヨガ体操をしており、長男はのんびりやで中学生
小学生の娘はバイオリンの練習中である。
私は毎週絵を描いていた。

「シーザー」 
(サロンデボザール入選)
この犬には話し尽くせない物語がある。
妻の病気入院中静岡の家内の母が見舞いにきたが、寒い
冬で風邪をこじらせて急逝してしまった。葬儀の来客の靴の中にいた不思議な犬で、義母の名前の「しずえ」を文字って勇ましい「シーザー」(ただし牝犬)と名付け我が家に12年間生きた。私が海外出張から帰ったその日にお土産のチョコレートをあげたらそれを口にいれその場で静かに息を引き取った。

「両親の13回忌記念」
この絵は父が1987年に逝去し翌年母が逝去して、13回忌の記念に制作した。父は宮城から上京し苦労して大学を出て、当時では珍しく母と職場結婚して、個人会社を設立して我々3人の兄妹を苦労して育ててくれた、東京大空襲で顔に軽い やけどをしたが、家もたてて79歳まで生きた。
父は乗馬が趣味で、母はひまわりが好きであった。
二人の生涯を記録したかった。
絵画としての良否は観る方にお任せするとして、絵で物語を表現できるのは楽しみである。それが観るひと万人に感動を与えることができれば「傑作」となるのであろう。

昨年に日本画を近代化した菱田春草展を観にいった。
そこで日本画の「朦朧体」という技法が横山大観の創作と思っていたが、実は菱田春草の創造であったことを初めて知った。日本画を近代化して世界的に有名にした二人の同士の物語であった。次回から展覧会の感想も記録していきたい。