戦いの果てに

実に清々しい。
奴と闘ったのは久しぶりだった。
事の発端は昨晩のビールだ、あれがいけなかった。お酒と夏にやられて、僕のお腹は完全に崩壊してしまっていた。そんな状態で朝五時から枝豆のバイトに行った。開始10分たらず、枝豆の収穫中に僕の下腹部を激痛が襲った。
いつの日からか限界まで我慢して排便するという鍛錬を習慣化してきた僕。その成果を出す時はいつだって唐突さ。
痛みと戦い、尋常じゃない脂汗を物ともせずに平然を装い枝豆を抜く。
誰にも知られることなく、1人枝豆畑で闘っている。
大丈夫、奴の特徴とクセは過去の戦いで手に取る様にわかる。
やがてうんこの波はおさまり、僕はうんこーズハイに陥った、トランス状態だ。
僕は無心で作業を続け、奴を暗闇へ葬る機会を伺う。ここまできて奴を野に、ましてパンツなんかに葬らせるものか。
そしてついにチャンスは訪れた。k30さんの運転で一足早く戻る組に入れた。と同時に気が抜け、奴に猛ラッシュの反撃を食らった。ガードは下がっていた。顔が歪んだ。いっそこのまま楽になろうと思った。
しかし「大学生にもなって…」という言葉が僕の心を折らせなかった。
。
。
…無事、トイレについた。僕の勝利だ。日頃の成果だ。みごと便器に叩き込んでやった。ゆるゆるだった。
しかしながら、そのことをk30さんに伝えると「お前の負けだ」と言われた。しばらく考えてその意味がわかった。
…そうだ、自己管理ができてない僕の完敗だ。