童心の会ブログ

京都洛西俳句・短詩の会

第243号 2014年10月

2014-10-14 19:26:43 | Weblog
草食系男子末尾に冬マラソン  金澤ひろあき


吐く息の雲の薄さに梅一輪  青島巡紅


寒明忌だれかの月を裏返す  佐藤駿司


雪に色ありて流るる三味の音  中野硯池


鉛色雲張る天に凧一つ  内園日出杜


心臓すらタバコよこせと連合す  二神大輔


雪女黒猫連れてそれっきり  三村須美子


恵方巻き細巻きガブリ小口あけ  坪谷智恵子


白い雪窓いっぱいの美しさ  岡畠さな子


赤い服着て来る人に負けられぬ?  川村薫


年なのに何でも出来る魔女となり  増澤美奈子


仮面の月一人事ビルディング  野谷真治


夏の朝残月銀に輝けり  畑ヨシ枝


割れ時計チャキチャキ姉妹が暴れだす  葛城裸時



(葛城裸時選)




2014年8月11日連句

2014-08-12 22:51:46 | Weblog
暑いねと右手をあげるまねき猫  金澤ひろあき

転ばない薄いカミが風に乗る  葛城裸時

天空の城までのびる雲の峰  金澤ひろあき

エスカレーター峰に目が光る  葛城裸時

秘密にしておくパスワード  金澤ひろあき

QR自信をつけて空を飛ぶ  葛城裸時

散歩する霧と幻あるところ  金澤ひろあき

岩清水清い心が映ってる  葛城裸時

瀧からの風に吹かれて包まれて  金澤ひろあき

甘辛の甲子園に透明レモン  葛城裸時

共に居た時間が日焼けになっている  金澤ひろあき

スズメさんスローモーション地球内  葛城裸時

貝ガラが化石の時間生きている  金澤ひろあき

肝心の髪の結び目遊びすぎ  葛城裸時

自分ではわかっていると汗が出る  金澤ひろあき

熱帯魚好きなエサが逃げまわる  葛城裸時

かくれんぼ寝ていた鬼を目覚めさせ  金澤ひろあき

鏡には曲がってもらわないけまへん  葛城裸時

万華鏡みえかくれする僕の星  金澤ひろあき

星は点広角の目は霧の中  葛城裸時

第236号 2014年2月

2014-07-29 18:05:48 | Weblog
うららかや人の声マネするカラス  金澤ひろあき


夕立や走るヒールのかしましさ  青島巡紅


精霊の歯車がなくなった路地  野谷真治


日陰にて秋風恋し扇子かな  岡畠さな子


日だまりのコスモスゆれてごあいさつ  坪谷智恵子


栗拾う後の出口探しつつ  中野硯池


手術に明け手術にくれてこの一年  二神大輔


愛の足あと月に濡れている  佐藤駿司


引く様に日の落ちて行く長岡京  内園日出杜


暑かった秋?も少しは  川村薫


自らのしっぽで玉を取る子猫  三村須美子


度忘れも脳の昼寝よ去年今年お月さまだって昼に出てるよ  暉峻康瑞


誕生日二人同じ日次女三女   増澤美奈子


原発の永遠不毛脱毛症 葛城裸時



(葛城裸時選)

第236号 2014年1月

2014-07-23 08:35:14 | Weblog
性格にあわせて選ぶ浴衣生地  金澤ひろあき


待ち人の多数がすでに顔なじみ  二神大輔


選ばれし稚児に元稚児介添へす  中野硯池


半分のレタス選びに生欠伸  青島巡紅


両手いっぱい着ぶくれのスマホ  野谷真治


久方の雨に打たれて葉が笑う  岡畠さな子


さあ行くぞ蝉しぐれに見送られ  坪谷智恵子


暑いですそれがあいさつ洗濯屋  内園日出杜


よくねるよねるばあちゃんそだつかもね  川村薫


忘れ得ぬ人はいるけど名を忘れ  暉峻康瑞


明月が映し出してる僕はだれ  佐藤駿司


汗にぎる宇宙遊泳している目  三村須美子


たてがみにひかれ息づく冬の雲  清水八重子


段畑の穂先波打つ秋の風  高田みさお


なぜ老いる昔の写真語ってる  増澤美奈子


しゃりいっちょうたべたいでもぐがないよ  葛城裸時



(葛城裸時選)






2014年1月2日連句

2014-01-02 17:49:46 | Weblog
いちまいのもようのような正月か 裸時

窓開けて入れる初日がお客様  金澤ひろあき

鼻息で今年の台風始まるよ  裸時

大堤防作って残す子や孫へ  金澤ひろあき

赤いあやとりを決めた日  裸時

トマトほど真っ赤なウソはつかないよ  金澤ひろあき

骨のよそ見叩いてなおす  裸時

何度も生き返るマンガの中  金澤ひろあき

野球ぼーるをにぎる手が生える  裸時

最終回魔球打たれて去っていく  金澤ひろあき

のボールさんにゅっと山から頭出る  裸時

海に向けて叫んでいるのがヒロインだ  金澤ひろあき

タイはロボ骨がはみ出しそう  裸時

どろぼうの猫にタイムかけている  金澤ひろあき

煙の中でウンウンうそを聞く  裸時

春がすみのような話ができあがる  金澤ひろあき

地下鉄で初めて猿がジュース買う  裸時

インドでは猿が神様 バナナの寺  金澤ひろあき

2013年12月15日連句

2013-12-15 22:57:36 | Weblog
息白し想う人より便り来る  金澤ひろあき

恋人とあくしゅシャガール喜ぶよ  裸時

空を二人で飛べたら 水色  金澤ひろあき

日本画の丸を取って気を雲に  裸時

雲にのる初夢さめないもう少し  金澤ひろあき

夢のガケ消しちゃえ寝ています  裸時

消しゴムの消しカス夢ののこりです  金澤ひろあき

テニスボール消えない巨人がのぞいてる  裸時

ペア組んだ彼女の思い出あるコート  金澤ひろあき

酒のマスサイクロプスのちぢむ歯か  裸時

歯がなくなった後の人生どうしよう  金澤ひろあき

プラスがパチパチ花火ボタン  裸時

徹夜して思いかなえる祭りかな  金澤ひろあき

いつまでも寝てみて骨ポキリ  裸時

日曜が終わるよ早く目をさませ  金澤ひろあき

時計がぐにゃり猫にゃんり  裸時

りんごにも落ちる都合があるものさ  金澤ひろあき

りんごちゃん足が生えて山登り  裸時

青春の泳いだ海が広かった  金澤ひろあき

ピンと糸張りみたいな髪  裸時

第234号 2013年12月

2013-11-25 09:58:13 | Weblog
幽霊に汗もかいてる下手落語  金澤ひろあき


ビュンビュンと風切る車桜色  内園日出杜


置きくすりやって来たわよ話合う  川村薫


何の得にもならぬ煙よボタン咲く  二神大輔


手のひらに転がる煙草消えにけり  中野硯池


にらめっこ蛙に勝ちし人の子や  青島巡紅


年重ねオデコの庭が広くなり  坪谷智恵子


身をさらす案山子の雨足  野谷真治


初外出ゆがむ地硬直春景色  三村須美子


値下げにはにこっと笑うおじぞうさん  葛城裸時



第233号 2013年11月

2013-11-23 16:29:53 | Weblog
風にバンザイ 落ち葉にならぬもみじかな  金澤ひろあき


喜びも悲しみも落ち葉踏む  青島巡紅


歩くときポンととける落ち葉かな  内園日出杜


あちこちに身体軋みて医に通う  岡畠さな子


片恋の詩稿もならずうすき粥  佐藤駿司


斎王代又おっかけて賀茂祭  中野硯池


看護師と会話がずれる日永かな  三村須美子


路地裏の午前のからくりがある  野谷真治


老木に傘寿の苦悩追いかける  二神大輔


花水木空にウインク咲き誇り  坪谷智恵子


お年玉間違えてお手玉と書く  川村薫


あおぞらのスケッチブックぬっちゃうぞ  葛城裸時



(葛城裸時選)


第232号 2013年10月

2013-10-27 20:40:34 | Weblog
チューリップほほえみ返してくれるのよ  金澤ひろあき


竹とんぼその上飛ぶオスプレイ  青島巡紅


チューリップ今宵の夢はカラーかも  中野硯池


鶴の扇ひとさし夜の雪ひとひら  佐藤駿二


自問自答を繰り返し春の顔  内園日出杜


一幅の絵にも等しく丹波路や  岡畠さな子


若もみじ赤トンボと手をつなぐ  三村須美子


あちこち選挙のぬけがら蝉時雨  野谷真治


八重桜若葉と一緒さくら餅  坪谷智恵子


男ども負けるな日本の女子マラソン  二神大輔


ひなのぬり絵の裏に「はいく」書く  川村薫


里帰り 五月にはえる 山スゾに 紅ピンク ウツギ 美し 里の春  西野栄子


バラ時計時空バラバラ抽象画  葛城裸時




(葛城裸時選)






第231号 2013年9月

2013-08-27 04:09:23 | Weblog
桃の酒千年の夢満たされる  金澤ひろあき


土匂う たまにはおいでふきのとう  二神大輔


赤み増す枝枝の宴春めくや  青島巡紅


蜂蜜がお花のホテル覗いてる  坪谷智恵子


春の宵夕焼け雲を目で追いて  岡畠さな子


アジサイや葉からポロリとツユ落ちて夏のおとずれまねくツユひとつ光まぶしく  西野英子


自問自答をくり返し春となる  内園日出杜


雨上がり歩き出すゆれる落書き  野谷真治


竹トンボくるくる目まいかわいそう  葛城裸時



(葛城裸時選)