童心の会ブログ

京都洛西俳句・短詩の会

第212号 2011年10月

2011-10-01 14:43:28 | Weblog
しんきろうでなく百年の夢の橋  金澤ひろあき


遮断機の向こうは春らし凍てる国  二神大輔


須磨の海入道雲も覗いてる  坪谷智恵子


七月を溺れて咲いた金魚かな  佐藤駿治


弘法や梅雨に負けたる露店かな  青島巡紅


東山宵々山に紛れ居て  岡畠さな子


一人だけ女性で仲良し温泉に行く  川村薫


炎天のマンホール深きしずく音  三村須美子


梅雨の川増すの大きい海に吐く  内園日出杜


耳元ひとまわり指先のはなび  野谷真治


孤独とは海に突っ込む青春だ  暉峻康瑞


どろぼうさんこころにきずをつけちゃだめ  裸時



(裸時選)



第211号 2011年9月

2011-10-01 13:39:23 | Weblog
風と手をつないで歩く浴衣の子  金澤ひろあき


膝ついてひたすら海に祈る影  二神大輔


節電でキッサ店でも「うちわ」ある?  川村薫


国民の民話青森弁味のあり  内園日出杜


胡瓜もみノンアルコールのつれなさよ  青島巡紅


彗星が母さん蒸発させちゃった  佐藤駿治


眺めつつ思案のなかのさくらんぼ  中野硯池


ゲジゲジの句を作りたし足の数  三村須美子


白い蝶ここに居ますと羽根ひろげ  岡畠さな子


光の風車交わる夏草  野谷真治


お味噌汁一寸法師がなめた朝  裸時



(裸時選)