童心の会ブログ

京都洛西俳句・短詩の会

第214号 2011年12月

2011-11-28 15:48:49 | Weblog
花野より絵巻の色のこぼれ出る  金澤ひろあき


秋の児が人魚の国でいつまでも泣く  佐藤駿司


カサ脱いで深夜の恋よ風の盆  中野硯池


秋空き飽きお尻振り振り缶コーヒー  青島巡紅


一時の夕立のあり地下街の人  内園日出杜


我こそ自然雄叫びをあげ12号  二神大輔


よい天気お天気女の出かける日  川村薫


満月に響く虫のラブコール  坪谷智恵子


川なりに白き波立て泡を吹く  岡畠さな子


名月に金冠茜色の雲  三村須美子


欲しいものが手にはいってから馬鹿になった  暉峻康瑞


鉱物採取ガラスの海  野谷真治  


ナンコツとガイコツ二人花の上  裸時



(裸時選)



2011年11月27日連句

2011-11-28 14:49:40 | Weblog
世話になった貧しいころのもやし  金澤ひろあき

どうしてちゃん鬼剃りで元気出す  裸時

さむいぼが立ってみの虫引越しだ  金澤ひろあき

クモ流れ揺れ落ちた滝の道  裸時

下手な句碑ばかり並べる滝の前  金澤ひろあき

俳人の念力クモ呼べるかなぁ  裸時

念力がゆるんで貯金箱が空  金澤ひろあき

おなかの真ん中ポール飛ぶ  裸時

もうビキニ着れないというたるみヘソ  金澤ひろあき

もうニキビ観れないと朝が来る  裸時

通勤のいつもの服を着てしまう  金澤ひろあき

ヘコヘコともやし生えてる運動会  裸時

シャキシャキとカラオケはじまる老人会  金澤ひろあき

豆ごはん豆鉄砲を投げる昼  裸時

指鉄砲意中の人に当たれよと  金澤ひろあき

ヘルシーな女の子の目のまわり  裸時

生野菜食べて百まで生きられる  金澤ひろあき

全身紅でぬりたくってアヒャ  裸時

第213号 2011年11月

2011-11-02 20:34:22 | Weblog
夕立の海にのび出る黒い舌  金澤ひろあき


帰ろうよどこかで僕の又三郎  佐藤駿司


街の中シマウマ目立つひるさがり  坪谷智恵子


夏木立白人親子石化する  青島巡紅


体温を超へし猛暑の交差点  硯池


夏の日と何を話すか琵琶の湖  内園日出杜


到来の西瓜ごろごろお盆かな  岡畠さな子


いちじくやそおっとつまんでそろりもぐ  三村須美子


酔いどれからからギターからっぽ  野谷真治


雨宿り妻楊枝を並べてる  裸時



(裸時選)

2011年10月23日連句

2011-11-02 14:11:13 | Weblog
雲と月 あれ鬼ごっこかくれんぼ  金澤ひろあき

自由帳月のおへそが写実的  裸時

夜の田ふわふわ落とし穴  青島巡紅

待つ側と待たれる側と霧の駅  金澤ひろあき

ホームズのゼンマイ人形よみがえる  裸時

ゼンマイ切れてスポーツカー  青島巡紅

捨てられぬ少年時代のがらくたよ  金澤ひろあき

缶ビール飲むたび光るニキビあと  裸時

段々畑がネッシーに見える森の囲み  青島巡紅

魔女の城魔法忘れた後消える  金澤ひろあき

沈黙の冬で凍った熊もいる  裸時

開いたけど閉じる呪文は  青島巡紅

立ち入り禁止のところの紅葉うつくしい  金澤ひろあき

占い師禁断の銃をみがく日々  裸時

その場を動いてはいけません一周巡って弾はあなたの許へ月の上  青島巡紅

もうもどれないから初恋うつくしい  金澤ひろあき

瓦にチューリップが倒れこむ  裸時

退屈があるから進歩があるのよ  青島巡紅

歩き出せば世界にたぶん果てがない  金澤ひろあき

迷子のビンチョウマグロ飛ぶ  裸時

あの世へのジャンプはもう少し待って  青島巡紅

夢十夜百年待てと百合の女  金澤ひろあき

氷の迷路に座る一方通行  裸時

刑事に殺人犯ですねと夢の中  青島巡紅

時効だと古い手帳がそう言った  金澤ひろあき

しゃべる鳥笑う鳥来て袋の中  裸時

千年万年経っても時効にならぬ原発  青島巡紅

ほんとうのこわさは知らないところから  金澤ひろあき

ストーカー集まって見せあう虫歯  裸時

知らないうちに夜に穴があく  青島巡紅

虫食いは見えない夜に穴があく  金澤ひろあき

冷凍庫ギョッ冷蔵庫ギョッ  裸時

油虫一族は兵器です  青島巡紅

一族の会議仏間に報告す  金澤ひろあき

ネットで探すワンピースの女の子  裸時

酸素にくっつかない水素になりたし  青島巡紅