熊大迷宮物語KB

かなり不定期でつまらない物語でも書こうかと思ってます。
画像はAIイラストつくろっ!アプリで作成しています。

2016年3月22日(火)

2023-08-02 21:36:00 | 日記

【僧侶鍛錬場:古市 道彦・川手 悠依・中城 奈津江・滝野 友紀恵】

「あ、古市君それ緑色じゃない?」

「本当だ。なんか抹茶みたい」

 古市 道彦の手のひらの上に浮かんでいる光球を注視しつつ川手 悠依が叫んだ言葉に、中城 奈津江も続けた。ここは午前中の僧侶鍛錬場。本日もたくさんの僧侶が鍛錬を行っている。本日も53期の僧侶は仲良く一緒に鍛錬を行っており、現在の課題は緑色の光球を出すというものだ。この緑色の光球は毒消しの効果あり、これがないと亜獣や罠の影響で迷宮内で毒に侵された場合に、帰ってこられる保証がなくなるのだ。なので、緑色球は僧侶の光球の中でも重要度が高いが、53期はまだ第1迷宮と第3迷宮の1階を探索しているので、毒を喰らう機会はまだないのである。

「やっぱり古市くんが一番だったかー。密かに先にできるのを狙ってたんだけどねー」

 多少悔しい評定を浮かべて滝野 友紀恵が笑顔で祝福する。古市は緑色球が成功したのと、3人の優しい声かけが嬉しく、3人に丁寧に礼をした。

「これで地下2階に降りても大丈夫だね。古市君のところはどう?そろそろブッチャークリアしそう?」

「うん。健介はもう終わってるからね。後2人ももうすぐだと思う」

 自分が所属するザ・ワールド時よ止まれ部隊の状況を分析し、古市が答える。この後、他の部隊の状況も共有することになり、まず川手のリンネの境界部隊は第3迷宮地下1階のボスであるモグラ戦の最中であることを説明する。そして中城のゲスの極み部隊も同じくモグラ戦中であり、滝野のドラゲナイ部隊はブッチャー戦中である。話した感じでは古市の部隊と川手の部隊が同じタイミングぐらいでクリアできそうであり、中城と滝野の部隊は比較すると少しクリアが遅くなりそうだとの結論になった。


2016年3月21日(月)

2023-08-02 01:10:00 | 日記

【おむらいす亭:中島 叶恵・富田 穂樽・大塚 瀬名・村川 梨花】

「あー、美味しかった」

「叶恵さん。ご馳走様です」

 満足げに言葉を漏らした富田 穂樽の後に、大塚 瀬名がお礼の言葉を述べた。ここはイオンモール熊本のレストラン街にある『おむらいす亭』。平日の午後14時ということもあり、そこまで混雑はしていない。本日中島 叶恵がイオンモール熊本で買い物をする予定だったので、高校を卒業して暇している富田と大塚、村川 梨花を誘って一緒に来たのである。もちろん移動は中島の車だし、食事も中島の奢りである。年が1つ上というのもあるが、中島は冒険者なのでお金には不自由していないのである。それに比べて高校卒業したばかりでバイトもしていない3人はあまりお金を持っているはずもない。

「いつも叶恵さんには出してもらってばっかりで申し訳ないです」

「全然いいのよ。お金は持ってるからね」

 済まなそうな表情を浮かべている村川見つめながら、中島は笑顔で答えた。正直冒険者としての収入はこの3人が想像している以上のものがあるのだ。

「私たちも冒険者になってお金ができたら、必ずお返しします」

「冒険者になれるかなー」

 ミルクティーを口に含んだ後で、富田が言葉を口にし、それに大塚が突っ込みを入れた。正直冒険者になれるかどうかは、その時の受験者のレベルにも寄るので、難易度は一概には言えないのである。ただ、富田も大塚も村川も両親ともに冒険者か元冒険者なので、自分達もなりたいという気持ちは人一倍もっているのだ。

「穂樽ちゃんありがとう。でも、返してくれなくてもいいよ。穂樽ちゃん達にお金ができたら正継くんとか陽菜ちゃんとか学くんに使って上げてほしい。今と同じ状況になってるはずだから」

 そう言って中島はレモンティーを口にする。3人はこの言葉を聞いて、中島の優しさに感動し、一段と好きになってしまったのを身にしみて感じた。