Wベッドで足を寄せて寝た???中年夫婦が目を覚ますと、窓の外は土砂降りだった。
こんな状況で富良野観光をしても楽しくないだろう。
女房殿が今回の北海道旅行で時間があったら行ってみたいと言っていた、足寄まで車を飛ばすことにした。
札幌~足寄間、走行距離約250km.、予測移動時間約3時間、6時少し前にホテルのフロント係りの女性陣に見送られ札幌を出発。
真っ直ぐ延びた高速道路をひたすら走り続ける。天からは雨が降り続ける。
3時間かけて到着した目的地は”道の駅足寄銀河ホール”
車から降りると雨は止んでいた。
一般的な人からすれば、特に何があるという訳でもない普通の道の駅だが、チー様、松山千春ファンには聖地とも言える場所である。
足寄は松山千春の出身地であり、ここ銀河ホールには、松山千春のレコードジャケットやコンサート衣装等を展示した、ミニ松山千春コーナーが設置されているのだ。
普段は写真に納まろうとしない女房殿も積極的に写真を撮ってくれと言う。
兎に角、松山千春の写真があるだけで良い、松山千春が生まれ育った場所に立っているだけで良い、毛が無くても良い、のである。
道の駅内を見学していると足寄の地図があり、そこに”松山千春の生家”と記された場所があった。
やや興奮気味の女房殿、マップを手にして車に戻り、ハンドルを握る爺に対して、右だ左だと指図する。
松山千春の似顔絵がデーンと掲出されている松山千春の実家。トーゼン表札にも松山千春と書かれている。
本当に実家かな?今も住んでるのかな?千春居るかな?出てきたらどうしよう、と女房殿。
出て来るわきゃねーだろうが~、と心でつぶやく爺。
富良野へ向かう車の中でも、良かった~、千春の実家に行けて良かった~、を繰り返し口にする女房殿。本当に嬉しかったのだろう。
足寄から富良野まで約170km.、この日、すでに420km.も運転している爺は少しお疲れ気味だったが、富良野のファーム富田のラベンダー畑を見てちょっとばかり回復した。
このような場所に来ると、女房殿はなぜか四葉のクローバー探しを始める。
そして必ず四葉を見つけるのだ。役に立たない特技のひとつである。
富田ファームから程近い場所にある、今日の宿泊地”プチホテル・ブランネージュ”は、可愛らしいペンション風の建物で、ベッドもツインだったので、女房殿はご満悦。
夕食までは、まだ時間がたっぷりある。
観光地図を見ると”青い池”というのが近くにあるらしく、ホテルのお姉さん(と言っても爺より年上?)に聞くと、天気にもよるが本当に青く見えることがあるとのこと。
ではでは、老体に鞭打ち、車を運転。
あまり大きな池ではなく、観光地化されている訳でもないが、かなりの見物客。
カメラのホワイトバランスを”蛍光灯”にしたこともあり、ご覧のとおり青緑の水面が美しい。
青い池を見てホテルへ帰る途中、”熊出没注意”の看板が。
「本当に出たら怖いけど、野生の熊を見てみたいね」とのん気な女房殿。
車を走らせていると、道端に可愛らしいキタキツネ?の親子がうろうろしている。親キツネに寄り添うでなく、離れるでなく、行動を共にしている可愛らしい子キツネ3匹。
熊じゃなく狐で良かった。
ホテルの1階にあるレストランで夕食を摂る。
カレー好きの女房殿は野菜カレーとラベンダージュース。素揚した野菜とマイルドな辛さのルーが美味しいと女房殿。
今日一日運転手だった爺は、兎に角ビールが欲しい。ビールに良く合うメニューを探すと、4種のチーズのピザがとても美味そうに思えたので、そいつを注文。ビールウグウグ、ピザハフハフ。疲れも吹っ飛ぶこの一杯。プハ~。
食事の時も、松山千春の実家が良かったわ~、と笑顔で言い続ける女房殿。
昨日までは、大倉山ジャンプ台が1位だった北海道の想い出は、松山千春の実家がダントツ1位になったのは、聞いて確認せずともはっきりと分かった。
レストランの窓から見える暮れて行く空を見ながら、明日の天気が気になる爺であった。
大原麗子がお花畑を独り占めしているようでしょ。