鮮やかなカラー画像より黒白の画像が似合う世界がある。
古い写真を見ると、爺が幼児だった頃までの写真は黒白の世界であったが、昭和40年代頃からカラー写真が少しずつ混じり始めている。
その頃から、街並みの光景も人々の服装も少し華やかになりだし、カラー写真が映えるようになってきたようだ。
先日、所要があり浅草に出かけた。
古い浅草は知らないが、今は、外国人観光者も多く、寺院や街並みもカラー画像が映える街であることに間違いない。
散策を終え、ちょっと一杯をどこでやろうかと路地裏等をプラプラしていたが、浅草の地下飲食街を紹介していたwebサイトの記事を思い出した。
さて、どこにあるのだろうか?
何となく銀座線あたりだろうと感じ、そちら方に向かって歩き出す。
ありました、ありました。地下鉄銀座線の入口に、浅草地下街を案内する看板が。
階段を下っていくと、平成も27年になったのに、このエリアだけは未だ昭和そのものなのである。
昼時だからだろうか、開いている店は立喰蕎麦屋、寿司屋、焼きそば屋、居酒屋の4軒のみ。
酒呑みの爺は、トーゼン、居酒屋の暖簾をくぐった。
一見さんに対しても、にこやかな笑顔で出迎えてくれた「たんぼ」のママさん。
この店は営業を始めてから33年経ち、先日もTVで紹介されたから、それを視て来てくれたのかと尋ねられので、飛び込みだと応えると、真昼間から飛び込みで来る客人は珍しいとビックリ。
お通しのたらこと別注文した目刺しをあてに、熱燗を3合いただき、1時間ほど滞在してお愛想。
カウンター8席のこぢんまりした店の雰囲気も、ママさんの人柄もとても良いお店だった。
昭和の雰囲気がそのまま変わることなく、黒白の画像がしっくりくる世界がまだまだあるものだ。
しかしながら、このような世界が2020年東京オリンピック開催までに、更に姿を消していくと思うと、何だかとても寂しい。
雑誌、新聞やwebの情報を収集して、今も残る黒白の世界に足を踏み入れていきたい。
浅草には初音小路という飲食街もありますので、何かを機会に、どちらかで呑みましょう。