稀人の吐瀉物

日記らしいよ。

4輪免許よもやま話 前半戦

2006年02月02日 23時35分11秒 | せんちめんたる
パソコン内に
俺が昔ホームページで書いてた日記を
発掘したので
のせてみる。
2002年 当方22歳の時のお話。
当時の僕は大学生でした。

夏休みを利用して
香川県多度津にある
教習所でのお話です。

9/4

合宿初日、自動車学校に到着しまず最初の

印象は「ちっさ!!」なんかイメージしていたのよりも
小規模な学校でございました。
んで宿舎に入ってみるとなんか個室の扉が
並んでおりアパートみたいな感じ。

俺は関東の子二人(♂)とデブ、通称ダヴ(♀)
と同じ日に入所した。

とりあえず仮免用の写真をとり手続きを済ませ無事入所。
部屋は狭いがユニットバスでトイレ付。テレビもどれがどの
局なんだか全くわからんかったが一応設置されていた。

んでさっそく学科、初めてのことばかりなのでまじめに聞いた。
んで模擬マシーンでMT車体験。ビデオでギアチェンジの説明やらなんやら
を聞きながらおぼつか無い手つきで操作・・・わけわからん。

説明では~㌔のときに~速にチェンジみたいなことを言ってやがったが
アクセル踏みっぱなしで
メーターはみるみる増大し140㌔などと自己主張してやがった。
初日は学科やら模擬で終了し、宿舎へ。

定員20名とのことでこれも想像していた規模より少ない。
この日の時点では女が4人ぐらいしかいなかったのかな。
とりあえず可愛いだの綺麗だのと形容できそうな女性はいなかったことだけは
記しておこう。そして関西とか神戸から来ている人間が多く
東京弁を話す人は少数派のようだった。

朝もはよから起きて香川に向かい緊張もしていたため
とにかく疲れていた。しかし、合宿の先輩達(別に偉くはない)とも
会話して仲良くなっといて損は無いなと判断し共通の話題がない
有る程度の集団での会話をこなし寝ることにした。

9/5

模擬は終わりいよいよ乗車となった。初めはAT車で外周をぐるぐると
まわりMT車へ。意外とエンストを起こさず「どうにかなるかな?」と
思うがそれはただの勘違いであることを後々身をもって知ることとなる。

んで宿舎に戻りまずい弁当を食す。ここでの飯は朝は口内の水分を全て
奪おうとしているのかと思うほど乾いたパン二つ。昼と夜はどんなセンスで
こんな内容なのか全くわからん弁当が出る。これが偏食家の俺には耐え難い。
合宿生の技能やらなんやらが終わり、なんとなくロビーに集まる。
神戸からきたという俺より二日早く合宿に参加したI君がエロトークを
炸裂させていたので待ってましたとばかりに便乗。
女性から非難が込められた冷たい視線を
感じるがおかまいなし。この時点で女の子(19~20才ぐらい)
を女として意識を
していないので楽しければいいのである。
このI君、何かと俺と考えが合い(合わせてくれてただけかもしれんが)
運転技術も
共通点がありさっそく打ち解けることができた。
I君はすでに女性陣から「変態」の称号をもらっている
カッコイイ奴である。
関西人が多く結構ロビーは賑やかな雰囲気があり
居心地はまぁまぁであった。

女の子についてだが、
見た目的ににはどうでもいいモノばかりで特に自分として
関心もなかった。落胆はあったが仕方あるまい。
その女の子の一人初日からしてもはや女として

すら、いや人間としてすら認識されえない女が一人いた。
何故そのような扱いになったか詳しくは脳が拒否したので
よくわからんが、初日からダヴという
アダ名がつけられたのだ。
年は19歳、京都からきたやや地黒で太い性格の悪いヤツだ。

アダ名の名付け親はそろそろ卒業って先輩である。
何故ダヴか、由来はよくわからんが
卒業した先輩のダレゾかが残していった
洗顔料ダヴがロビーに放置されていたからだとか。

この時点ではまだ人間として認識されているダヴであるが
後々もはや人間扱いされなくなってくるのである。

夜も更けてちらほら部屋に篭る人間が増え、
毎回有る程度きまった人間のみがあつまると
話題はダヴの運転技術から見た目にいたり、
言動にまで非難が集まることとなる。
最初は自分としてはそんなに言われるほどウザい人間なのだろうか
疑問に思っていたので
率先して非難はせず、
ただ皆の話に顎を上下させていただけにすぎない。
ほとんどの人間が一人で合宿にきており関係性がある程度あるとしても
共通の話題が稀少な関係である。
そこでダヴの話題に花が咲くのも無理のない集団心理なのかもしれない。
そんなこんなで夜も更けて二日目が終了した。

9/6

技能の方は左折をしたり外周をまわったりと
ただぐるぐると場内を回るだけでは済まなくなってきた。
発進と停止を繰り返すため、そのたびごとにエンストをしていたような
気がする。いまいち半クラの感覚がわからず、
慌てふためきハンドル操作もままならない。

キープレフト?なんだそれ?状態で運転していた。
今考えるとアホだが仕方ない。
とにかく緊張と困惑で満たされたへっぽこ運転で
スピード場内指定速度35㌔でびびってた。
ギアもどこが何速か曖昧のまま運転をしているのに
教官から指示とお怒りをうける。
エンストして気分は落ち込む一方であった。
この時点でやはり車の運転は自分に向いてないなーと確信しはじめていた。

9/7

半クラがいまいち把握できぬまま。坂道発進という
いやな意味が込められている技能の時間がきてしまった。
予想通りエンストをしたが思いのほか回数は少なかった。
しかしあれだね、ズルズル下がると怖いね車。

あれを路上で後ろがスモークはったベンツだったりしたら
緊張というより生命の危機を感じそうだもの。
そして次の技能はS字とクランク。

運転どうこうよりも教官運が悪く、何を話しているのか
運転していてさっぱりわからない。耳に届いた言葉は
「半クラなんぞ数ミリしかないんじゃぞ」
ひたすら主語のない注意を受け続けアドバイスもない。
言っていたとしても
アホな九官鳥のように同じ言葉を繰り返す教官。教える気がないのか
シートベルトもせず、そっぽを向きシートの上で体育座りをして
かったるそうにどなりつつ、同じ単語を繰り返す。
もはや、こいつはアテにならん。自分なりに運転するしかない。
こいつはただのうるさいおっさんだ、そうだそうに違いない・・・。

しかしうまくいかず教官に怒鳴られ続け俺の精神はドン底に。
もう嫌だという言葉が脳内を目まぐるしく電気刺激で伝えている感覚がした。
そんな時心強かったのがI君の存在である。自分もそんなもんだったよ
今でもエンスト普通にやってるからね。と慰めてくれた。
単純な俺はそれだけで仲間意識を持つことができ、
どうにか精神安定に繋がった。
ええ、舐めあいですよ。

今宵も深夜はダヴトークで盛り上がる。
男が散々ダヴダヴと騒いでいるのに当のご本人は
そんなこととは知ってから知らずか
相変わらずウザい声でなにか喚いている。
これが一際耳につくのである。ブスヤマさんだったら
大人しく控えめに過ごしていればいいものを
常人よりも疎まれやすい存在だということに
全く気づいていない。なんだかギャーギャー喋っている。

世の中不公平だよなぁと改めて思う。
美人さんがちょっと何かしてもあんまり咎められないが
これがブスヤマさんだと格好の標的となる(有る程度閉鎖された空間というものもあるが)
ダヴがやることなすこと燗に触る。合宿の男共通の感情と断定しても
間違いはあるまい。
小耳に挟んだ話だがダヴは他の女の子が
男と付き合ったことがないことに対し説教をくれているらしい。
それでけでなく「男とはこういう生き物」等と言う
御高説までしているらしい。ダヴのくせに。
それを聞かされている子はなんの疑問も怒りも
持たずそーなんだーと聞いているらしい。

ちなみに見た目的にも性格的にも女の子二人はダヴより数倍マシである。
可愛くはないが。

その御高説で出てくる(こんな男は駄目よ的な)のが
I君であったりしたらしい。(変態の称号を獲得しているからね)
まぁ、I君もダヴを見た瞬間に嫌な顔してたらしいし、
不細工は嫌いだ視界に入れたくないと
はっきりと公言していたのだが。多分ダヴには聞こえていない。
というより聞こえているが
脳が認識してない。

9/8

無線教習やりました。
すごく簡単なコースなのに全く覚えておらず
ウィンカーを右に出したり、出したらすぐ
左に出して曲がってみたり・・・。
とりあえず無線から香川弁で怒鳴られました。
でも教官が横にいないと気楽だね。
エンストもしないし。

9/9

今日も本当は無線教習だったんだけど
教習原簿に無線無しの文字が・・・。
どうやら俺の運転技術では無線で走らせるより
教官つけて練習させたほうがいいと
判断されたらしい。
自分の為にはなったが
やはりへこむ。
そして教習手帳には半クラ注意、足元注意の文字が刻まれたのであった。

9/10

同じ日に入所した
二人組と買い物に行こうと
教習も終え、まったりしていた時に
出かけることになった。
合宿所の周辺は田んぼばっかで何もない。
日も沈み周囲はやたら暗いのである。

その暗い道を歩いこうとした瞬間、俺は一瞬地面を
踏んでなかった・・・地面がなかったのです。
そこは俗に言う用水路というもので穴の深さは1メートルぐらいは
あったような気がする。水深はたかだか数センチであったから
良かったが、落ちたことで
左胸部、右手を強打。手は擦り傷程度と打撲。
胸部はヤバイと感じたね、骨こそは折れた感触はなかったが
ひたすら痛かった。痛みのせいで吐き気を催し、場所が
場所なだけに呼吸ができなかった。
骨折まではいかなくともヒビぐらいいったかなと思った。
痛みがあったが、心配する二人と共に買い物へ出かけていった。
教習で凹み、さらに落下。
ん~、ヤな思い出をつくってもうた。


9/11

えーっと、今日の教習は見極めのみだけだったので
ずーっと暇でした。
ぼーっとしながらも明日、仮免試験ってことで
かなり泡くってました。
ダヴが仮免試験がカナリやばいと判断されたのか
見極めだけでなく追加教習してました・・・笑える。

9/12

いよいよ、仮免取得のための
試験でございました。
この日仮免を受験したのが、俺、関東の二人組み、ダヴのみ。
俺は1番手であった。
いやー、緊張したねぇ。コースはまともに覚えてねぇーし
坂道でエンストこいて、教官の「8番左ね」を聞き漏らし「えっ!?」
といっている間に直進してたりしたからね。
実技試験も終わり、緊張しながら待合所で待機していると
見慣れないおっさんが登場。後々知ることだが
校長らしい。とりあえず実技は4人とも合格。
学科試験という運びにどうにかもっていけることとなった。
学科はわっかんねぇなぁって問題が2、3問のみで
比較的余裕であった。
採点結果は俺94点、O君96点、メガネ君100点、ダヴ90点。
この仮免学科試験の結果がダヴが嫌われる原因となる
一つになるのはまた後日の話である。

無事仮免を取得したが、取得したその日から
第二段階の学科、実技をやることになりかなりハードなスケジュールであった。
学科はともかく、実技は初路上である。
いやー、怖かった。
夜だし、山だし、他の車や原付はいるし(当たり前だ)
何より教習所内では35キロしかだしてないし
3速が最高ギアであったのに対し、路上では
4速で大体50キロ制限であった。
これは怖い、何より4速に入れたことねぇし、ギアチェンジ
クラッチがねぇ、「コァッ!!ガクッ」みたいなね、速やかな
加速をしてくんないのよ。クラッチをつなぐタイミングと
アクセル操作がぎくしゃく。
左折難しいし、ミラー、合図、目視ねダルいね。
交差点の右折はどのタイミングで曲がればいいかわかんねぇし。


9/13

第二段階に入り、技能教習は大体自主経路の
道路を走ることになっているらしい。
この段階ではほとんど運転で一杯一杯であり
どこの道走ってんだか見る余裕など全く無い状態である。
教習も終わり、いつものとーり男連中でロビーにて
談話中、女の子の一人Kさんがやってきた。
なんだか話をしているとダヴの話へと自然に流れていった。

Kさんと女性陣と比較的仲のいいN君(バイク乗り)からの話だと、
ダヴの発言でこんなもんであったらしい。
「仮免取れた、私すごいでしょ」
ちなみに合宿では取れるのが当たり前状態、女の子は全員一発取得
「それにしても介護福祉士(俺のこと)とメガネ君運転下手だよねぇ、
学科ギリギリやったんかぁ」

ちなみに俺は94点、ダヴは90点。90点以上で学科は合格となる。
運転技術どうこうはヘタクソと言われても下手だからしかたあるまい、
運転に自信ははっきりいってない。
しかし、学科の結果は数字で明確に出るものである。90点>94点・・・
んっ!?これは誰にでもどちらが不合格ラインに近く『ギリギリ』
なのかは一目瞭然である。
ダヴはデブなだけでなく数字の大小もわからん生物なのか?
この会話を聞き、俺の中でダヴは人間としてのカテゴリーから
大きく逸脱した生物であると
認識された。ハナっから女として見てなかったが
周囲の男連中のように嫌っていたわけではない。

話かけられればおざなりでも返事をしていたが
こんなにアホな生物だったとは、
これでは俺は
会話などできない。
言語を介するだけでも嫌悪感が出るようになった。
尚且つヤツは仮免試験でメガネ君の運転に同乗して
おりり「へたくそ」だと
言っていたらしい。今までの教習課程でスケジュール通り
スムーズに行ってないのは
ダヴだけであったことを記しておこう(終了予定日先延ばしまではいってないが)
なおかつ俺はあまりにも不快で自室に退避していたので詳しくは知らないが
メガネ君の服装やらメガネやら顔やらについて罵詈雑言を吐いていたらしい。
俺からみて彼についておかしな点は見当たらない。
ダヴはまず鏡をみて現実を認知するべきだと思う。


9/14

朝っぱらから昼にかけてダヴが
不快な行動を起こしていた。
宿舎内で会う人会う人に仮免許証をみせつけ
「私、仮免とったんよ、すごいでしょう!私可愛いでしょ!」と
人の眼前に仮免許証を押し付けるが如く見せびらかしている。
歪な体と顔を写真と現物で見せつけられて
誰がうれしいものか・・・。
俺らより早く合宿に来ている連中からしてみれば仮免取得は当たり前、
誇るものでもないし、見せびらかす
モンでもない。
ダヴのこの珍妙な動きは仮免を見せられる人も、ダヴのその行動を
視界に入れてしまった人もやるせない殺意を湧かせるには
十分な動きであったようだ。

ちなみに俺に対し先日以降、
ダヴが話しかけてきたことは教習以外ではなかった。
この日から合宿所の男連中の気持ちは有る意味一体となった。
ダヴの不快な自慢と
教習所が同じというだけの儚い関係ではあるが
友人であるメガネ君に対しての冒涜。
完全にダヴは男を敵にまわしたことになり、夜中のロビーでの会話も
よりあけっぴろげなものとなった。
以前はダヴがダヴであることをダヴに知られないように
微少ながら配慮していたがそれもなくなった。
しかし、ダヴは自分がダヴであることを未だ認識していない。
ずいぶん都合のいい耳をしているとしか思えない。
一匹の常識範囲外生物のことで感じる一体感も
ハタからみればなんの生産性もなさそうだが、共通の話題ではある。


9/15

今日は基本的に教習所が休みの日のため
技能教習が午前中に入っているのみであった。
午後からは完全に暇なため
讃岐うどんを食いにいこうということになった。
総勢8名、野郎だけで浜街道へと
向かい「セルフ」と書いてある
うどん屋へ足を運んだ、ちなみに俺は財布を忘れていた。
うどんは特筆してうまくもまずくもなかった。
セルフのハズがセルフでもなんでもないし。
その後、フラフラと歩き周り、海が見たいということになり
ショボーイ浜にたどりついた。
その後もひたすら歩き結局多度津から出てみようという
流れになり、電車へ。

さすがに電車に乗ると
人がたくさんいるね田舎ながら。んで、何駅かしたとこで
降りて、ゲーセンへ。いやぁ、さすが栄えていると言われているだけの
場所であって若いオナゴはいたし
人もたくさんいた。
ゲーセンでパラパラゲームを必死で踊る
メガネデブがいた。そこにギャラリーができていた・・・単純に笑えた。
結局特に何もせず、帰宅。そんな日。



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