柳楽くんの成長過程を観に
私はそもそも現代(文芸)小説とりわけ女性作家のは読まないので、またしても原作は読んでません。まいど。
現代社会の普通の人の日常を描いた創作小説よりは、ノンフィクション系の記事や書籍のほうが好きなんですよ~。
これまた期待せずに行ったのでしたが、またまた意外によかったです。
あまりにも期待してなかったせいかもしれませんが(^.^;)
でもこの「良さ」というのがまた微妙なラインでねえ。
映画作品として本筋だけを取り出すと、ごくごくありきたり~な単純なストーリーなんですよ。
いやストーリーっていうかできごと?
ただこの青春アルバム恋愛編第一章を柳楽くんが今回も演技なのか素なのか風なアレで味付けしていて、良く言えば「等身大っぽいリアリティ」があります。
悪く言っちゃえば、いまだに子役の範疇を越えない「良さ」なんですけど。
でもこの作品には必要だった。
泣きの演技はもうちょっと努力が必要ですが、感情を爆発させて悶え泣くシーンが良かったのは、顔が見えなかったおかげだとは思いたくないです~
夏木マリさんの70歳?アンチエイジングとはいえ老婆的にはどうよ、って思ったけど、作品にアクセントをつけてました。
この1本で、孫息子の初恋の始まりから終わりまでという表向きの物語だけでなく、彼女の生きてきた道、恋と過去、現在~が凝縮されているという点で、かなり裏主役です。
後ろ姿で語るのは男だけじゃないよッ。
沢尻エリカさんはあまり好きではないほう。
今回も無邪気だったり可愛らしさを見せる部分では小芝居っぽさが鼻についてしまって、作品を嘘くさいものに落としかけていました。
でも、不機嫌だったり苦しんでたり悩んでたり、そういう人間の負の部分の演技は上手いんだよねえ。
陰のある難しい役を多く演じてきた弊害でしょーか。
陽の部分もものにできれば、実年齢からいえば完ペキな女優さんだと思います。
しかしこの作品だけでいえば、もっとはっきりと「オトナの女性」の部分をずるさ弱さと主人公とのアンバランスさを感じさせてくれる外見の女性をキャスティングしてほしかったかな。そのほうが作品が活きたと思います。
私は多角的な視野で観てギリギリ許せましたけど、誰か一人に感情移入して見るか逆に全く客観視してみると、かーなーりームカつく絞め殺したい女ですよ、ヒロイン。
一度は別れた男とよりを戻したあげく、主人公とは面と向かって別れ話などせず、それでいて手紙一枚で別れたつもり??超自己満足じゃん!
その手紙だって恋人(その女自身)と別れたばかりの男に「Merry X’mas」ってどのツラ下げた書き出しよ?
「ごめんね」「ありがとう」だけでも十分ヤな女の必須アイテムですが、そこに二人の思い出のこもったキャラクターイラストを描き入れるセンスってどうよ。
それはまあ「こんな嫌な女のことはどうか憎んで忘れてください」ってつもりかもしれないですけどね。
でもそもそも回想での元彼(再彼?)との幸せな場面を思い出したシーンですけど、「エリート学生で未来の医者でカッコイイ彼氏に愛されちゃってることにステータスを感じちゃってる」女の打算といやらしさが滲んでてナイスな芝居でしたよ、エリカさん!
柳楽くんと付き合ってるうちはカジュアルな格好でままごとみたいに過ごしてたけど、元彼とよりを戻した彼女の後ろ姿は「お嬢様女子大生」スタイルに戻ってたし。
その元彼って本当に改心したんですかい?
あんな侮辱的な扱いする男ですよー?
でもそういう男だけど好きだから別れられないのよ、っていうのは女ならではの女の描き方ですかね。
だいたいあたしゃ男だろうと女だろうと、フェードアウトで別れたことにしようとする奴はキライなんですよ。
昔、可愛がっていたバイトの後輩の女の子が、元同じバイトの(私と)同輩だった彼氏にやはりフェードアウトで別れられたのですが、「別れるのは仕方ないとしても、きちんと話もせずうやむやにされたんじゃ気持ちに区切りもつけられない」って苦しんで泣いてねえ。
ところが男のほうは心情をつづった手紙送っても、突いても何しても結局出てこなかった…。
まあそいつのことも一度は死ね!と思ったけど、根っから悪いヤツでもなかったので、その後も結局しばらくよい知人で…でも彼女が次に付き合ったのが超優しいと見せかけたただの優柔不断で芯のない男で、それはあまりにもヤバかった状況だったので別れるよう誘導するのに苦労したものです。
その男とも友人だったんだけど、どっちも友人としてはいいヤツなのに、友人だったからこそわかる、可愛い妹分のカレシとしては問題ありありだったんだよ、、、

今となっては事実は小説より奇なり、な皆さんと縁が切れてますけど、彼女はいい恋して良き伴侶を得たでしょうか?
まあこの映画の主人公と同じ、うまくいかなかった恋でも「滋養豊富 風味絶佳」だったってことできっとねっ♪